【自分の生涯映画ベスト10】(2000年以降)

私が本格的に映画にハマリ出したのは小学校高学年のときでした。雑誌「ぴあ」を情報源に、TVで夜に放映される洋画を毎晩のように観ていました。週末には友人を誘って渋谷や新宿の繁華街をふらつき、「ジョーズ」や「スターウォーズ」なんかを観に行ったものです。

あれから数十年。。。今はすべてが便利になり、好きな時にいくらでも映画を観れる時代になりました。

私は今でも年間50本くらいの映画を観ているので、生涯ではおそらく1,000本以上の映画を観ていると思います。

では、自分の生涯映画ベスト10は何か?

今振り返って自分の人生に影響を受けた生涯ベストとなると、「ベン・ハー」とかチャップリンの「ライムライト」とか「カッコーの巣の上で」とかあっという間に10作になってしまい、どこかのオススメ映画ベストと何ら変わらなくなってしまいます。

そこで、生涯ベストに「封切りが2000年以降のもの」と制約をつけたところ、それなりにユニークなベスト10になったので紹介したいと思います。

以下がその史上最高の映画ベスト10(2000年以降)の10作品です。ちなみにネタバレ満載ですので、観ていない方はご留意ください。


No.1 マルホランド・ドライブ (2001)


これまでに観た映画の生涯ベストは何か?と聞かれれば、迷いなく、デヴィッド・リンチ監督の「マルホランド・ドライブ」と答えます。

「2000年以降の映画に限って」という制約を外しても、人生で観たすべての映画の生涯ベストに「「マルホランド・ドライブ」というほど、この映画には衝撃を受けました。

No.2 コラテラル (2004)


映画『コラテラル』:殺し屋とタクシー運転手の宿命的な対決を描いた大傑作

No.3 ノーカントリー (2007)


映画『ノーカントリー』:コーエン兄弟製作の血も凍る麻薬取引を描いたスリラー

No.4 モンスター (2003)


映画『モンスター』:シャーリーズ・セロンが空前絶後の凄まじい演技を見せる問題作

No.5 ミュンヘン (2005)


No.6 シティ・オブ・ゴッド (2002)

No.8 戦火のナージャ/遥かなる勝利へ (2010)




映画『太陽に灼かれて』『戦火のナージャ』『遥かなる勝利へ』:『戦争と平和』に並ぶ合計約7時間30分の超大作

No.9 マッチ・ポイント (2005)


映画『マッチ・ポイント』:ウッディ・アレン監督、スカーレット・ヨハンソンの美貌が冴えるサスペンス映画 

No.10 ドッグヴィル (2003)



映画『ドッグヴィル』:普通のスタイルの映画に飽きた方におススメのスリラー映画 

番外 ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女/火と戯れる女/眠れる女と狂卓の騎士 (2009)


番外編は、スウェーデンの作家スティーグ・ラーソンによる推理小説「ドラゴン・タトゥーの女」「火と戯れる女」「眠れる女と狂卓の騎士」の三部作です。三部作まとめてということで番外にしました。

スウェーデン版とハリウッド版があります。

デビッド・フィンチャー監督でダニエル・クレイグやルーニー・マーラが出演したハリウッド版 (2011年) も悪くないのですが、私はスウェーデン版のほうをお勧めします。

デビッド・フィンチャー版

ちなみに、ハリウッド版のほうは第2作「蜘蛛の巣を払う女」が2018年11月9日に全米公開の予定です。


物語は、雑誌発行者の中年男性ミカエルと、背中にドラゴンのタトゥーを入れたリスベットという謎の少女が協力して、長年解決されなかった失踪事件の本質に迫るというサスペンスです。

リスベットの一見突拍子もない行為が、実は周到に計算された知的な行動であるというところが痛快です。リスベットを演じるノオミ・ラパスが好演しています。決して美人ではないが、強烈な存在感があります。ハリウッド版ではルーニー・マーラがこちらも体当たり演技で好演していますが、ルーニー・マーラは素が美人女優なのでちょっと現実離れしている感じです。

リスベット

映画自体は、陰鬱な雰囲気の漂う流れが全体を支配しています。リスベットの弁護士に対する復讐も強烈だし、犯人の変質者ぶりも相当なところは、ニコラス・ケイジの「8mm」 (1999) に雰囲気が似ています。

カーチェイスなど派手なシーンもありますが、話の展開には、精神病院、公安警察など怪しいキーワードが満載、そして大男のニーダーマン(何をされても痛みを感じない無痛病者)というアイデアも実に斬新です。

ニーダーマン

3部作はもちろん連続して観るほうが話の辻褄が合いますが、「ドラゴン・タトゥーの女」は1話完結になっているのでこれを単独で観るだけでも価値があると思います。

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以上が私の選んだ【史上最高の映画ベスト10】(2000年以降)でした。

個人的ベスト10から漏れた作品は、「ダンサー・イン・ザ・ダーク」「ビロウ」「エレファント」「つぐない」「レバノン」「ブロークダウン・パレス」などです。

10作品のうち「マッチ・ポイント」と「トイ・ストーリー」以外は、すべてサスペンスやスリラー、人が死んだり殺されたりする映画で、コメディやラブストーリーは皆無です。

アカデミー賞受賞作品は、「ノーカントリー」(作品、監督、助演男優)と「モンスター」(主演女優)の2作品だけ。

また、選んだ10作品はすべてレンタル(もしくはオンデマンド)で観たもので、映画館で観たものは一つもありません。これも時代の流れなのでしょうか。。。

さらに、選んだ作品は2000年以降のものですが、2010年のものが最新で、それ以降の2011年以降の作品が皆無という結果になりました。

これは何を意味しているのでしょうか?

最近はあまり新作を観ていない?

それとも最近の映画が趣味に合わなくなった?

これも考え難いです。というのも、2010年以降のほうがWOWOWを契約して映画を観る機会はむしろ増えているのです。

確かに映画の嗜好はずいぶん変わりました。最近は、「トランスフォーマー」や「アベンジャーズ」シリーズに代表されるようなハリウッドのアクションものや、CGを多用した津波やビル崩壊シーンなんかをウリにしているスペクタクル映画には全く興味を失ってしまいました。

ひょっとしてこれは、音楽の趣味で立証されてしまった「音楽の嗜好は35歳で止まる」の映画バージョンで、「映画の感動は45歳で止まる」説ではないでしょうか?

もしそうだとすると、私の人生ではこれから生涯のベストと思えるような映画には出会うことはないことになってしまいます。

うーむ、だとするとこれはちょっと衝撃的です。

ちなみにネットを探すと、英BBCの「21世紀の偉大な映画100位」や、米ニューヨーク・タイムズの「21世紀のベスト映画25本」という企画が見つかりました。上のベスト10のなかにも重なっているものもあります。英BBCのランキングでは、偶然にも私のベスト1の「マルホランドドライブ」が第1位に選ばれています。

「マルホランドドライブ」のデヴィッド・リンチ監督については、以前のブログでその作品を紹介しました。他の作品も結構気に入っています。 デヴィッド・リンチの世界~「デューン/砂の惑星」「マルホランド・ドライブ」「ツイン・ピークス」 デヴィッド・リンチの世界(その2)~「ブルー・ベルベット」「ワイルド・アット・ハート」「ロスト・ハイウェイ」 デヴィッド・リンチの世界(その3)~「イレイザー・ヘッド」「エレファント・マン」「ツイン・ピークス/ローラ・パーマー最期の7日間」
映画の好みというより、監督の好みのほうがランキングをつけやすいかもしれません。私の場合も、映画監督のランキングベスト10であれば簡単に選ぶことができます(カッコ内は私の選んだ代表作)。

1. デヴィッド・リンチ(マルホランド・ドライブ)
2. ジョン・カーペンター (遊星からの物体X)
3. マイケル・マン(ヒート)
4. マイケル・チミノ(ディア・ハンター)
5. フランシス・フォード・コッポラ(地獄の黙示録)
6. ルキノ・ヴィスコンティ(家族の肖像)
7. オリバー・ストーン(プラトーン)
8. ポール・バーホーヴェン(トータル・リコール)
9. テリー・ギリアム(未来世紀ブラジル)
10. サム・ペキンパー(戦争のはらわた)

ざっとこんな感じです。映画監督についてもいつかまとめて記事にしたいと思います。





コメント

  1. FBから拝見させていただきました。
    1位マルホランドドライブ!
    以外にも共通点多くてびっくりです。
    ドッグヴィルとかマッチポイントとか。
    マッチポイントは今でもよく見返します。
    まだ見てない映画も多く、参考になりました!

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    1. たんやおさんブログ訪問ありがとうございます!そしてマルホランド・ドライブの良さを共有できて嬉しいです!
      基本何度見ても飽きない映画が好きなのですが、デヴィッド・リンチ監督の「インランド・エンパイア」にはやられました。
      今後ともよろしくお願いします。

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