[Kinomap(キノマップ) バーチャルサイクリング] 実写映像の美しさは抜群!PCとスマホ連動もできる

オンラインでのバーチャルサイクリングでは、ZWIFT(ズイフト)が圧倒的な人気を誇っていますが、Kinomap(キノマップ)という実写映像を使ったサービスを試してみました。


以前、ROUVY(ルービー)という実写映像を使ったサービスを使ってみて、ZWIFTとは違う世界観の楽しさを実感していたので、同じ実写映像サービスでもKinomapはROUVYと果たしてどう違うのか、いろいろ試してみました。

ROUVY(ルービー)についてはこちら↓のまとめ記事を参照ください。

[ROUVY バーチャルサイクリング] 実写映像だけがウリではない ROUVYのデータ分析力

Kinomapは国内の利用者はまだまだ少ないようですが、ZWIFTのようなCGとはまた違う臨場感を楽しめます。

ユーザー登録をすれば7日間は無料体験ができるので、さっそく走ってみました。

試走コースはメニューの最初に出てきたMénesplet Villefranche stabというフランスのヴィルフランシュ=ド=ロンシャンという場所です。

対応プラットフォームがAndroidとiPhone/iPadだけで、てっきりPCは非対応だと思っていましたが、よく調べたらPCとスマホを連動させることができたので、使い勝手はZWIFTと同じような感じです。

驚いたのが、実写映像の滑らかさと画質の高さです。

コースによってバラつきはあるものの、実写動画の品質は非常にスムースで文句のつけようがなく、また、乗り手目線の臨場感がすばらしいです。

アバターやCGが出てこないぶん、リアルなバーチャルサイクリングを満喫することができました。

こんな素晴らしいサービスがあるとは。。。以下走行記です。

1. Kinomapのセットアップ

Kinomapは、本社がフランスの企業で、前身となるモバイルアプリの開発メーカーとして2002に設立されたようです(英語版Wikiより)。

国内では、ミノウラのトレーナーはKinomapと提携しているので、こちらの公式サイトでは唯一日本語化されたKinomapを垣間見ることができます。


しかし、日本ではZWIFTのような知名度を獲得するには至っていません。

Kinomapは、iPhone、iPad、そしてandroidのプラットフォームに対応していますが、WindowsやMacには対応していません。


PCの大画面で試したかったので、こちらのサイトで紹介されているやり方でWindows上のandroidエミュレータを使ってみました。

具体的には、WindowsでKinomapのapkファイルをダウンロードして、BlueStacksというandroidエミュレータアプリ上で動かします。

BlueStacksを使ったWindowsでの起動

このやり方の場合、Googleアカウント登録はもちろん、動画再生のためにNoxPlayerというアプリもインストールが必要なので結構手間ががかるうえに、機器をBluetooth接続する段階でフリーズしてしまい、うまく接続できず断念しました。

Bluetoothを検索でフリーズ

そこで、次にandroidスマホにアプリをインストールして、スマホ単体(Galaxy A7)で使ってみることにしました。


機器との接続は、BluetoothもしくはANT+ですが、androidの場合はBluetooth接続となります。

私はバイクトレーナーではなく、4iiiiのパワーメーターなので、汎用のパワーセンサーとして画面中央のアイコンを選択して接続しました。

また、心拍計もメニューの「機器の管理」から選んで、検索させたところ、無事に見つけてくれたので問題なく接続することができました。

設定メニュー

メニュー画面の「ブラウズ」という項目を選ぶと、上記のような画面となり、トップには「セッションに参加する」というセクションがあります。

Kinomapの画面(android)

この「セッションに参加する」が、ZWIFTでいうグループライドやレースに相当するもののようです。

Kinomapのアプリはちょっとわかりにくく、どこから走行コースを選んで良いかが直感で操作できません。

多くのコースは、「ビデオ」>「コミュニティからのアウトドアビデオ」という項目から選択できることがわかりました。

ルートの選択

Kinomapに登録されているコース数はかなりの数(おそらく数千はある?)だと思います。日本国内のコースも日本語表記で結構登録されているようです。

メニューの項目は日本語化されていますが、実際のライドや細かい設定については英語のままです。

Kinomapで走る前にもう一つ準備しておきたいのが、Stravaなど外部アプリケーションとの連携です。

ライド終了すると自動的に外部アプリケーションにデータがアップロードされる仕組みです。

この設定は、「もっと表示」>「シェアする」から設定することができます。

Strava連携だけでなく、TrainingPeaks, RunKeeper, Reliveなどさまざまなサービスと連携していますね。

2. 走行(androidアプリ単体)

実際にコースを走ってみました。

走行は「発見」(Discovery Mode)と「挑戦」(Challenge Mode)の2つのモードを選択できます。

「発見」モードでは、ビデオは先の速度で再生しています。
「挑戦」モードでは、ビデオはあなたの速度に合わせて再生しています。

まずは「発見」モードを選びました。

走ったコースはメニューの最初に出てきたMénesplet Villefranche stabというフランスのヴィルフランシュ=ド=ロンシャンという場所です。


距離 10.9km
獲得標高 128m
映像再生時間(最大) 34分05秒

映像クオリティは、SD/HD/FHDの3つから選択することができます。

今回は画面の小さいスマホ(Galaxy A7)なのでSDを選択しました。

ではいよいよスタートします。


画面の左上がパワーや速度、心拍数などの表示です。画面の下部にはルートの勾配と自分の現在位置がわかるようになっています。

このあたりはROUVYによく似ていますが、自分のアバターは表示されません(他人のアバターも非表示)。

走り出してまず気付いたのが、動画のスムースな再生です。

オリジナルの映像の品質が高いのですが、反対車線に車が走ってきたときなど、フレームレートが明らかに高く、実にスムースな再生です。


これは、画面の遷移がゆらゆらとするROUVYとは決定的に違う点です。

下の勾配のグラフは画面下部に隠すことができます。


画面右側には、二つの隠れたペインがあって、スライドさせると地図表示と、抵抗力というグラフが表示されます。


しかしこのルート、フランスの田舎道は景観が本当に美しいですね。


地図表示のほうは、Google Mapですが、クリックすると、地形図と地図を切り替えることができます。また、縮尺も変更することもできます。


何も表示させなければ、画面一杯に実写映像が広がります。


ROUVYの実写映像は、自動車からの撮影が多く、車道の中央を走っていたり、逆光がフロントガラスに反射した残像が映り込んでいたりと、ちょっと違和感があるのに対して、Kinomapのこの動画はとてもリアルです。


あまりに動画がキレイなので、途中でSDからHDに切り替えました。


森林を抜ける区間は特に美しかったです。



 Google Mapだけ表示されておくのが一番見やすいような気がします。


地形表示にした場合はこうなります。


動画は、自転車のアクションカムで撮影されたもののようで、カーブは車体とともに動画も傾くので臨場感があっていい感じです。


スタートから30分が経過。ゴールまでもうすぐです。


ヴィルフランシュ=ド=ロンシャンの市街地に入りました。


ゴール地点には特にゲートのようなものはありません、唐突に終ります。


トレーニング終了です。



ROUVYと違って、トレーニング結果の統計データなどは、終了時には表示されません。

スマホでトレーニング結果を確認してみます。


速度、パワー、ケイデンス、標高、心拍数など基本的なデータはすべてグラフ化されて表示されます。


日本語対応は完璧ではないものの、問題はありません。


PCでログインして結果を確認することもできます。


以上、androidアプリを利用した走行でした。

画面サイズの大きなandroidタブレットであれば、問題ないと思いますが、画面サイズが6インチのスマホではちょっと物足りません。

そこで、次は、iPhoneアプリとPCを連携させて、手元のスマホ(iPhone)でPCの大型画面を操作する方法で同じルートをもう一度走ってみました。

3. 走行(iPhoneアプリとPCを連携)

Kinomapの対応プラットフォームがAndroidとiPhone/iPadだけで、てっきりPCは非対応だと思っていましたが、よく調べたらPCとスマホを連動させることができました。

これは、ZWIFTのZWIFTコンパニオンと使い方が似ています。

大きな違いは、Kinomapの場合は、Bluetoothでの機器接続はあくまでスマホと接続して、PCでの動画再生は、Windowsの専用アプリは不要で、ブラウザで再生するという点です。

スマホのアプリ単体で走行ルートを選択したら、PCのブラウザでKinomapのリモートサイトにアクセスします。


すると、ブラウザ画面に2次元のバーコードが表示されるので、これをスマホアプリの「リモートディスプレイ」という設定項目から、カメラで読み取ります。


すると、スマホアプリ側でWindowsディスプレイとの接続(同期)が完了し、ブラウザ画面は自動的にコース画面を表示します。

今度は「挑戦」モードを選びました。

画面中央のスタートボタンをマウスクリックして、自転車を漕ぎ出すと自動的にスタートします。


androidスマホの画面とレイアウトは同じですが、PCの画面が広い分だけゆとりがありますね。

動画の解像度はFHD(Full HD)を選択したので、実写映像の美しさ、滑らかさは特筆すべきものがあります。。。いやホントに素晴らしいの一言です。

ちなみにiPhoneのほうは下のような表示になっています。

iPhoneの表示

仕組みは異なりますが、走っている最中の操作性はZWIFTコンパニオンに良く似ていますね。


このときは同じコースにライダーが他に3名いました(画面左のリスト)。Jacekさんがトップです。ライダーとの位置関係も表示されます。


相手がいるとソロでの走行よりは気持ちに張り合いが出てきますね、今回はちょっと踏み込んで走ってトップに出ました。


フルHDということもあって実写映像は半端ないキレイさで驚きます。これはまさにツーリングを実体験しているようなリアルさがあります。


あまりのキレイさに見とれていたら、Jarekさんにあっという間に突き放されてしまいました。
で、ここから猛追です!


レースではないのですが、やはり抜かされると追い付きたくなりますね。


必死に漕いで何とか追い付きました。が、アバターがいないので相手は見えません。


ちょっと脚を緩めていたら、Jarekさんに再び追い抜かかれてしまいました。
相手もトレーニングモードとはいえこちらを意識しているのは間違いありません。

再び300Wで踏み込みます。Jarekさんは150m先。。。


400Wを超えました、上り区間に入って苦しい。。。


なかなか追い付けません、Jarekさんも踏み込んで逃げているようです。


ようやくJarekさんに追いつきました。。。なかなかのトレーニングになっています。


で、キレイな森林の区間に入ってのんびりしていたら、再び追い抜かれてしまいました。


動画の鮮明さも相まって、爽快そのもの。バーチャルサイクリングの醍醐味ですね。


あとは流して終わりにしようと脚を緩めてのんびりと走ります。

前を走るJarekさんとは50mの差、これなら追い付けそうな気がして、再びガチで踏み込むことに。


三度追い付きました!きっとしつこい相手だと呆れられていることでしょう(笑)


ヴィルフランシュ=ド=ロンシャンの市街地に入りました。


そしてゴール。。。最後は力走して疲れましたが良いトレーニングになりました。


PCでログインして結果を確認。


ランキングを見たら、なんと3位にランク入りしていてビックリ、まあ18人しかいないので騒ぐことでもありませんが(笑)

ランキング

1回目に走ったのが34分14秒、平均パワー151Wに対して、2回目は19分30秒、平均パワー212Wと、かなり頑張りました。

こうしてスマホと連動させたPCの画面を見ながら走るほうが、スマホ単体で走るよりも迫力もあって楽しいですね。

4. ROUVYやZWIFTとの比較

ROUVYとの大きな違いは、やはり実写映像のクオリティです。

ROUVYでは、スムースな再生のために、事前に動画ファイルをダウンロードしておく必要がありましたが、Kinomapでは事前ダウンロードしなくてもフルHDの映像ストリームは途切れることもありませんでした。

一方、Kinomapの課題は、直感的な操作ができないメニューの煩雑さと、走行ルートを選ぶときの不便さではないでしょうか。

ROUVYのように、走行ルートをカテゴリー分類していたり、簡単なプロフィールを添えていればわかりやすいのですが。。。

ZWIFTのような大勢のライダーが参加するようなプラットフォームに成長すれば、Kinomapはもっと使い勝手も良くなるのでは??

Kinomapの1週間の無料体験期間は短いのですが、その間にいろいろと試して他のサービスとの比較をまとめようと思います。

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