[都会の空にワカケホンセイインコの大群] ねぐらのある「等々力緑地」に行ってきました

我が家では、カラスに襲われていたのを助けたのがきっかけで、飛べない野生のワカケホンセイインコ(名前はパラちゃん)のお世話をしています。

パラちゃん

ワカケホンセイインコは元々外来種で、ペットとして飼われていたインコが野生化したものです。

外来種のワカケホンセイインコが都会に住みついているというのは、これまで何度もニュースに取り上げられてきましたが、2021年11月10日の「スーパーJチャンネル」TVのニュースでも放映されました。

都会で繁殖!野生でも強い“外来インコ”に住民困惑

ニュース番組によると、ワカケホンセイインコは、今では世田谷区だけでなく、杉並区、中野区、練馬区、清瀬市など広範囲で目撃されるようになり、数も1700羽ほどまで増えているそうです。

以前は目黒区にある東工大のキャンパスをねぐらにしていたのですが、数年前に引っ越しをしたようです。

現在のねぐらの場所は、番組では「川崎市の住宅街にほど近い公園」とだけ紹介されていましたが、神奈川県川崎市の「等々力緑地」のことです。

パラちゃんも、おそらくこの場所をねぐらにしてワカケホンセイインコの仲間たちと生活をしていたのかもしれません。

このねぐら、一体どれほどの規模なのか、直接現地に行って確かめてみることにしました。

1. 等々力緑地

神奈川県川崎市にある等々力緑地は、世田谷区から多摩川を渡った先の、陸上競技場などのスポーツ施設がある公園です。

等々力緑地

主なスポーツ施設だけでも、
  • 陸上競技場(等々力陸上競技場)Jリーグ・川崎フロンターレのホームスタジアム
  • 川崎市とどろきアリーナ
  • 野球場(川崎市等々力球場)首都大学野球連盟、高校野球、アメリカンフットボール・Xリーグなどの公式戦等
  • テニスコート
  • プール
と揃っています。

また、写真・漫画・ポスター・映像などの複製芸術で有名な、川崎市市民ミュージアムも同じ敷地内です。

敷地内にはいくつもの公園があり、単に「等々力緑地公園」というだけでは、どこの場所を指すのかわかりません。

等々力緑地公園周辺マップ

ワカケホンセイインコのねぐらの場所は一体どこにあるのでしょうか?

2. ねぐらの樹木

まずは、ワカケホンセイインコの鳴き声を頼りに自転車で等々力緑地の敷地内を移動。

すると、等々力陸上競技場の南側の方向から鳴き声が聞こえてきました。


向かってみると、スタジアムの南の小さな広場(上の地図の「桜の園」という場所)の樹木にたくさん集まっているようです。


樹木を見上げると、枝にたくさんのワカケホンセイインコを発見!


樹木の枝にたくさん止まってますね


樹木の下は、葉っぱがたくさん落ちています。


その広場から、道を挟んで小杉神社というこじんまりとした神社があり、そこからも鳴き声が聞こえてきました。

小杉神社

下の動画は、小杉神社から広場の樹木のインコを撮影したものです。


どうやらインコたちは、小杉神社と広場の間を行き来している様子。


次に、等々力緑地の中央を貫く通り沿いに、レストハウス近辺まで行ってみると、ここにもたくさんのワカケホンセイインコたちを発見。


広場に戻って、インコが止まっている木を観察していたそのとき。。。突然インコの群れが、夕陽の沈む西に向かって飛び立ちました!


時刻は日の入りの午後4時36分ごろ


しばらくするとまた別の群れが同じ方向に


ひっきりなしにインコの群れが次々と飛び立ちました。これは壮観。。。


ひょっとして、インコたちが飛んでいく先に大きなねぐらがあるのでは?

そこで、インコの行き先を追ってみました。


子供の遊び場というテニスコート横の小さな公園に辿り着きました。正面にはコンクリートの建物。


この建物、TVのニュースの画面の左側に映っていた丸いコンクリート壁の建物と同じですね。

「スーパーJチャンネル」TV

どうやらここがニュースでも紹介されていたワカケホンセイインコのねぐらの場所で間違いないようです。


しかしインコの鳴き声が凄まじい!!


360度サラウンドでけたたましいワカケの鳴き声に囲まれる感じですね。。。


公園で遊んでいる子供たちはあまり気にしていない様子。。。


わざわざ人通りが多い公園の脇の樹木をねぐらにするのは、カラスなどの猛禽類に狙われにくいからだそうです。ワカケホンセイインコは聡明ですね。


樹木の下はインコの糞だらけ。。。


どうやらワカケホンセイインコは、世田谷区から多摩川を超えて南下して、等々力緑地で一旦レストハウス近辺などの樹木に集まり、日没の時間になると、そこから再びねぐらに向けて集団で集まってくるようです。


インコたちはなぜねぐらの樹木に直行せずに、一度近くの樹木に立ち寄るでしょうか。。。

何となく、順番待ちをしているようにも思えます。一斉に戻ってしまうと、ねぐらの場所取りで混乱するので、何らかの集団ルールに従っているような気がします。

以下の動画は、翌日に撮影したものですが、レストハウス近辺から子供の遊び場に波状攻撃のごとく次々に群れが飛んでくるのが良くわかると思います。

ワカケホンセイインコの大群(等々力緑地)

そして、不思議なことに、ねぐらの場所であれほどギャーギャー大騒ぎしていたインコたちは、30分もすると、すっかり静かになってしまいました。

ギャーギャー鳴いているのは、ひょっとしたら、ねぐらの樹木のなかで自分の寝る場所を自己主張してたのではないでしょうか。。。?

皆場所取りで自己主張して、それが解決したらさっさと寝る、みたいな?

詳しいことはわからないのですが、そんな気がしました。

これほど大群のワカケホンセイインコが集まると壮観としか言いようがありません。

ひょっとしたら住民の方は大変な迷惑を受けているのかもしれませんが、等々力緑地内の広場なので、近隣に住宅はない場所。。。

しかし、インコばかり外来種扱いされて、フン害や騒音だから嫌だ、駆除してしまえという安易な意見には違和感を感じてしまいます。

インコたちと人間との共存はなかなか大変だと思いますが、パラちゃんと生活していると、私たちはもっと野生の生き物たちから学ぶことがたくさんあるような気がします。

3. その他

同じ日に出会った他の鳥たちもついでに紹介します。


多摩川サイクリングロード沿いを自転車で走っていると、スズメの大群に出会いました。


等々力緑地のつり池では、シロサギやアオサギが優雅に上空を舞っていて幻想的な雰囲気。


こちらは鳴き声もなく、羽ばたくこともなく静寂の世界で、ワカケホンセイインコのねぐらとは対照的 笑

多摩川沿いや等々力緑地の周辺は、散策するとたくさんの自然に出会えるので、素晴らしいですね。

(2021年11月17日 追記)
早朝の公園に行ってみたところ、ねぐらから飛び立つワカケホンセイインコに遭遇しました。


(2022年2月13日 追記)


木々の剪定は定期的に行われていますが、作業件名に「インコ対策」という文字があり、行政によるワカケホンセイインコの対応と見られます。

現地に行ってみると。。。


確かにイチョウの木が剪定されていました。


先日も都心で雪が降りましたが、この厳寒のなか、ねぐらを突然奪われてたワカケたちは何処へ行ったのでしょうか。。。

「ワカケホンセイインコ野生化問題について研究者・阿部仁美先生へインタビューで解説」という記事では、ねぐらを失ったワカケホンセイインコの生息域拡大が懸念されるという話です。

(2022年9月29日 追記)
イチョウの木が剪定されたあと、現地は今どうなっているのか、早朝5時過ぎの等々力緑地を訪れてみました。





写真のとおり、低く剪定されたイチョウの木は、もはやワカケのねぐらの役割は果たせなくなったようで、ワカケの姿もワカケの糞の跡もすっかり消えていました。

ワカケはねぐらの場所を奪われてしまったようです。

(2023年11月18日 追記)
2年ぶりに現場を訪れました。イチョウの木は剪定されて低くなっており、夕暮れ時でもワカケたちの姿は皆無でした。



[ワカケホンセイインコ育成] まとめ記事一覧

コメント

  1. その通り!🎌日本人社会は「誰か」が「何か」を叫び、
    騒ぎ出すと、吊られて異口同音に叫び📣
    騒ぎ出す😬傾向が顕著で有る🙅

    その事柄に何ら見識さえ無いのに↷浅薄で頭の悪い
    集団ヒステリー🌀😱を発症する💨格好悪いねぇ┅

    🌏生態系環境破壊の責任は、凡て人間の方に在る☝

    発生する問題に於いて拙速で幼稚な発想と行動から早く脱却して事に当たり、弱い立場の動物を憐れみ
    愛情と正常な感性・感覚・行動で解決を見い出す。

    此の考えは直面する問題の平穏な対処法を見い出す同時に、子供への計り知れぬ程の善い影響を与える

    必ず道が拓ける事実を認識する必要が有る!

    全能者から人間に与えられた叡知を疑うべからず☝

    返信削除

コメントを投稿