[フルマラソン撃沈記] 25km過ぎで突然の異変、12年ぶりのフル出走でまさかの途中リタイア


これは現実か、それとも夢か。。。


今日は、久しぶりにフルマラソンに挑戦してきましたが、まさかの途中リタイアに終わってしまいました。



自己ベストを更新するどころか、完走さえできなかったという最悪の結果に、茫然自失しています。。。


厳しい展開になるだろうと覚悟はしていたものの、まさか30kmでリタイアすることになるとは正直夢にも思っていませんでした。


しかし、事前の30km試走でゾンビ状態だったことや、最近20kmを超える距離をほとんど走っていなかったこともあり、冷静に考えてみると、今回の結果は起きるべくして起きた想定外でも何でもなかったのかもしれません。


以下、反省を含めて撃沈記です。

1. 第2回 東京・葛飾ウルトラマラソン&フル 

参加したのは、2021年3月27日(土)に開催された、第2回 東京・葛飾ウルトラマラソン&フル という大会です。



大会のメインは60kmと80kmのウルトラマラソンですが、42.195kmのフルマラソンも同時開催されました。


フルマラソンのコースは、荒川沿いの堀切水辺公園をスタートして、河川敷のフラットなコースを10周回します。


コースマップ


私はこれまでに2回しかフルマラソン大会に出場したことがありません。


初フルマラソンは、今から13年前の第3回湘南国際マラソン(2008年11月16日)でした。


初フルでサブフォー達成を狙ったものの、35km地点で失速、その後は悶絶しながらの苦行となってしまい、ゴール直後に39度近くの悪寒で動けなくなり、近くの病院に搬送され、点滴を受けるという悲惨なデビューでした(ネット4時間12分29秒)。


2回目は、その翌年、1000km走り込んでサブフォーに再挑戦した2009年の第29回つくばマラソン(2009年11月22日)、今から12年前のことです。


つくばマラソンでは、30km地点までキロ5分20秒台のペースで貯金を貯め、最後は失速したものの完走タイムは3時間56分06秒(ネット)、目標のサブフォーを達成しました。


つくばマラソンでも、ラスト10kmは地獄のような苦しみを味わい、すっかりフルマラソン嫌いになってしまいました。


ハーフマラソン、フルマラソン、そしてウルトラマラソン

フルマラソンは大の苦手です。


ここ何年も大会には出ませんでしたが、普段の早朝ランはずっと継続しており、累計では10,000km以上走っています。


昨年始めたZWIFTのトレーニング効果なのか、最近、早朝ランのタイムが良くなってきて、10kmをキロ4分台で普通に走れるスピードがついてきました。


そこで、苦手のフルマラソンに再挑戦するなら今しかないと出場を決めたのです。

2. 30km試走

フルマラソンの準備として、レースペースでの30kmの試走を本番3週間前までに経験しておくのが良いと、「フルマラソン1ヶ月前からの練習について考える」という記事で読んだので、レース本番の3週間前に試走を行いました。

事前に30kmを試走


30kmの試走くらい余裕だろうと甘く見ていたのですが、スタートから12kmくらいで、早速両脚の膝に違和感が。。。


15km地点で、脚の違和感は痛みに変わってしまい、25km以降はキロ6分までペースが落ちてしまい完全にゾンビ状態でした。


30km試走の結果では、本番のフルマラソンはサブフォーどころか、完走できるかどうかさえ怪しい状態でした。

3. 本番に向けての対策

30km試走の不甲斐ない結果を踏まえて、レース本番に向けて対策を練りました。

3.1 トレーニングプラン

まず、今さらジタバタしても仕方ないので、直前3週間は極力トレーニングを控えることにしました。

レース前の3週間はトレーニングを控えて疲労抜きをする時期と、「フルマラソン1ヶ月前からの練習について考える」にも書いてあります。

3月に入ってからは、以下のトレーニングカレンダーのとおり、日常のトレーニング(ラン、バイク、スイム)を大幅に減らしました。

3月のトレーニングカレンダー

また、友人がGoogle Spreadsheetで自作した素晴らしいCTL/ATL/TSBの管理表を利用して、体調を管理しつつ、コンディションの調整を行いました。

CTL/ATL/TSB(レース前

十分な休養のおかげで、レース直前にTSB(疲労度)が23.1と大幅に改善しています。

3.2 30kmの壁対策

試走でも30kmの壁を痛感したこともあり、「30kmの壁について考える」という記事を参考にして、今回のレースプランを考えました。


今までのほとんどのレースでは、前半飛ばして貯金を貯めて、後半の失速を補うというパターンでした。


しかし、今回は、「フルマラソン30km以降の失速を防ぐコツ」を参考に、


「30kmまでは一切頑張らない」


「30kmまでは、ただの「移動」。何も考えず、寝るようにして走る」


を心掛けることにしました。


30kmまではキロ5分40秒のイーブンペースで貯金ゼロで進み、30km以降に余力があればネガティブスプリット狙い、あわよくば自己ベスト(2時間56分6秒)の更新を狙うことにしました。

3.3. 新兵器の投入

レース中の補給戦略として、上の「フルマラソン30km以降の失速を防ぐコツ」の記事にあった、マルチポケットのランニングパンツをAmazonで購入しました。



このパンツなら、ポケットにアミノバイタルを数本携行できます。


実際にポケットにアミノバイタルを入れて試走してみましたが、伸縮するポケットがしっかりとアミノバイタルをホールドしてくれるので、違和感は全くありません。

私は普段スマホ(iPhone SE)も携帯して走るのですが、このランニングパンツならスマホも背中側のポケットに収納することができます。

マルチポケットのランニングパンツは本当におススメです。

そして。。。レース当日に向けて、ジョギングシューズを新調しました!

ADIDASのNMD R1というモデルのシューズです。


数日前に家族で御殿場プレミアムアウトレットに行ったときに見つけたセール品です。


オンラインショップで30,965円が、アウトレットでは4,999円のセール品でした。一体どんだけ暴利の価格設定なのか(笑)


レース当日に履きなれないシューズを新調するのは、最もやってはならない「禁じ手」なのはマラソンを走っている皆さんご存知だと思います。

しかし、30km試走をしたときに、後半の失速時に、履いていたボロボロのシューズがどうも重く感じてしまい、それが原因ではないかと疑っていたのです。

実際に、スケールでシューズの重さを測ったところ、古いシューズが355gに対して、新しいシューズは330gと若干軽い値が出ました(どちらもインナーソール含む)。

古いシューズ

新しいシューズ

ここはリスクを承知で、新しいシューズを試そうと、レース前々日に、このシューズで5kmほど試走してみたところ、とても軽いし、足にフィットして特に問題もなさそうでした。

とは言うものの、いきなり新しいシューズに代えるのはあまりにリスクが高いので、インナーソールだけは、普段履いているシューズのものを取り外して新しいシューズに装着しました。

さて、この「危険な賭け」は正しかったかどうかは。。。

4. レース当日

4.1. 事前準備

フルマラソンの42.195kmとなると、普段の10kmや20kmのジョギングとは準備が全く変わってきます。

スポーツウォッチは、ずっと前に購入したSUUNTOのQUESTというモデルです。


このモデルは、心拍計とGPSポッドとペアリングして使う、一世代前のものです。

そして、ウェアは、なんとdhbのサイクリングジャージ(笑)


なぜかというと、サイクリングジャージは、フロントにジッパーが付いていたり、バックポケットが付いていたりと、機能性抜群なんです。

もちろん、ウェアの生地も、サラッとした早乾タイプのもので、着心地も抜群です。

他に忘れてはならないアイテムは、
  • 摩擦防止のためのシャモアクリーム
  • 痛み止め錠剤(ボルタレンやロキソニン)
  • 塩タブレット
  • 出走前の補給食(バナナ、カステラなど)
などでしょうか。

4.2 レース当日の朝

フルマラソンのスタートは午前9時。当日は朝5時30分に起床して、ガッツリとエネルギーを補給しました。

朝食

そしていよいよ戦いの舞台(大袈裟)である葛飾区の水辺の森公園へ!

4.3 レース

天気は晴れ、風は弱く、最高気温予報は19度とやや暑くなりそうですが、絶好のマラソン日和です。

日焼け止めクリームを持ってくれば良かった。。。


60kmと80kmのウルトラマラソンはすでに早い時間にスタートしていました。

ものまねアスリート芸人のM高史さんが、MCで場を盛り上げてくれます。M高史さん、川内優輝選手にそっくり(笑)


今日の大会は、NHKのランスマと雑誌のクリールが取材に来ているそうです。

フルマラソンの参加者は100人くらいでしょうか。


カウントダウンが始まりました。


ブロガーの性で、カウントダウンをビデオ撮影しているうちに、肝心のランニングウォッチとStravaのスタートボタンを押し忘れるという(笑)

あわてて30秒遅れくらいでスタートボタンを押しました。

スタート直後は、足が軽く感じます。

これはひょっとして今日は行けるんでは!?

有難いことに、4時間のペースランナーの方が2名もいらっしゃって、帽子に目印の黄色い風船を付けています。


30kmまではイーブンペースで行くつもりだったので、渡りに舟とばかりにペースランナーの集団に付いて行くことにしました。

ペースランナー集団は10人くらいでしょうか。

5分39秒ペースなので、遅く感じるはずなのが、体感的には速く感じてしまい、この先が思いやられます。。。

あっという間に5km地点を通過。




心拍がやや高いのが気になります。


シューズのほうは。。。なんとなく違和感はあるのものの、大丈夫そうです。

周回コースなので、給水場の場所は頻繁に通るので、そのたびにこまめな給水を心掛けました。


10km地点を通過、心拍数がさらに上がって170と高い。先行きに一抹の不安を感じます。


「30kmまでは一切頑張らない」


「30kmまでは、ただの「移動」。何も考えず、寝るようにして走る」


今日のスローガンに忠実に、とにかくマシーンになった気持ちで心頭滅却してただただ脚を先に出します。


「寝るようにして走る」を文字通り受け取って、走りながら眼を閉じて自分は寝ているのだと暗示にかけました。


しかし。。。


5分39秒ペースは、「一切頑張らない」で走るには、ちょっと速すぎで、「寝るようにして走る」のは至難の業です(笑)



15km地点を通過、心拍数は170で高止まりしていますが、「30kmまでは一切頑張らない」わけには行きそうもありません。

ペースランナーの集団は、黙々と進みます。。。


極力両脚に負担がかからないように、腕の振りは最小限にして、短いピッチ走法でスタスタと走ることを心掛けました。



20km地点を通過、心拍数が177と大きく上昇。ペースもキロ5分を切って少し速すぎなんでない??

ペースランナー集団に付いて行くのはラクではありませんが、何とか大丈夫。

こうして、無事にフルマラソンを走って、過去の自分と勝負できることを有難いと感じるほど余裕がありました、この時は。。。

ポケットのアミノバイタル(パーフェクトエネルギー)を摂取しながら、給水所でドリンクを補給します。


ペースランナー集団も人数が徐々に減って、7人くらいでしょうか。

そして。。。ハーフマラソンの距離である21.1km地点を通過。タイムは1時間58分32秒なので、ちょうどサブフォーペースです。



「一切頑張らない」30kmまであと9kmとなりましたが、体力はまだ大丈夫そうです。

ここで心拍数を確認して愕然。

なんと、心拍数が181と相当に高くヤバい!

初めてハーフマラソンを走ったときに、疲労困憊したときのことを思い出しました。

それと同時に、フルマラソンでサブフォー走ったときは、ハーフマラソンの距離は1時間50分で楽勝でクリアしたことも思い出しました。

心拍数が180台と知った精神的ダメージも手伝ってか、足腰がいよいよ重く感じてきました。


そして、25km地点を通過、脚が急にヤバくなってきた!

まだ30km地点にも到達していないのに、足が前に出せなくなってきて、この苦しさでは、最後まで身体が持つとは思えません。

自己ベスト更新なんて夢のまた夢、ネガティブスプリットしないとサブフォーさえできないですが、このままではサブフォーは極めて厳しい状況に。


折り返し直後の給水ポイントが見えてきました。再びポケットからアミノバイタルを取り出して摂取。

なんとか調子が戻って心拍数も下がってくれないかと。。。


折り返し地点を通過、給水の準備をします。

ところが。。。

コップから飲むときに気管に入れてしまい、大きくむせ返ってしまいました。給水大失敗。

そのダメージもあって、ペースランナー集団から大きく遅れを取ってしまいました!

しかも脚が動かない。。。


最大のピンチですが、しっかりと撮影だけは忘れません(笑)

とにかく、無我夢中で追いかけますが、ここまで距離が離れてしまうとそう簡単には追い付けません。。。

が、ド根性だけでようやく追いつきました!


しかし。。。キロ5分01秒で心拍数は184と、もはや限界を超えました。



あとで確認したら、心拍数はずっと180台で高止まりしていて、このとき最高心拍数189を記録していました。。。

ロウソクの炎が消える直前にフっと明るくなるのと同じですね。

ペースランナー集団に追い付く余力はもはや残っていませんでした。

無念ですが、ここからは一人旅。


誰もいないコースを、絶望しながら進みます。。。


スタートから2時間40分が経過。

前回(12年前)のつくばフルマラソンでは、2時間40分で、30km地点を通過していました。

今回は28kmにさえ届かない始末。

脚が全く動かない。

まるで動かない。

一体どうしたというのか?

いやホント、足腰がまるで言うことを聞かず、ノロノロ走りさえもできない程に見事なまでに脚が動かなくなってしまいました。

こんな事は10年以上走っていて初めてです。

いや、もはやヨタヨタと歩くことさえままならない状態。

とにかく何としてでも30km地点までは走ろうとしますが、足を踏み出すたびに両脚のすべての箇所が一斉に抗議をしてくるような状態です。

特に、脚の付け根外側の股関節あたり(大腿筋膜張筋)の痛みが凄まじく、前に踏み出すたびに激痛が走ります。

無理して走ろうとすると、両脚と腰が同時多発的に攣りそうな感覚です。

27.95kmから30.0kmまでのたった2kmの距離を、立ち止まったり走ったりを繰り返しながら、文字通り悶絶しながら進みました。


2kmの距離を20分もかけて、よーーーーうやく30km地点を通過。


丸いベンチに座りこんで、ここでDNFを決意しました。

しばらく休んだあとにトボトボと歩いてゴールゲートを目指します。


DNFを告げて、記録証を発行してもらいました(もちろん完走メダルは貰えません)。


まさかの途中リタイア。

しかし、この足腰の状態では、残り12.195kmを走ることは到底ムリでした。。。


まだコースでは頑張っている選手たちを後目に、足腰の痛みに耐えながら、最寄りの駅までトボトボと帰宅の途に就きました。

帰宅途中で担々麺を摂取。塩味が胃に染み入って美味しかった。


帰宅すると、家族が出迎えてくれました。

次女からは、久しぶりに手作りメダルを貰いましたが、裏を見てみると。。。(笑)


ゆっくり風呂に入って休養しましたが、足腰の痛みは取れず、家のなかを移動するのも容易ではありません。

5. 考察

いつかはDNFする日が来ると覚悟していましたが。。。

自画自賛ですが、私はこれまでに出走した持久系スポーツのレースでDNFしたことは一度もありませんでした。

マラソンやトレラン、自転車レース、トライアスロン含めておそらく30レースくらい出場しましたが、制限時間ギリギリであってもすべて完走でした(ZWIFTのバーチャルレースを除く)。

なので、今日のDNFは、精神的には相当凹んでいます。

以下Stravaの記録です。


Stravaによると、相対的エフォートは史上最高値(261)だったようです。


ペース分析を見ると、25km以降に急速に落ち込んでいるのがわかります。



心拍数は終始高く、25km以降では最大心拍数189をマークしていますが、こんな高い心拍数は近年記憶にありません。


以下1kmごとのスプリットです。


今回のレースは一体何が失敗だったのでしょうか?

事前の食事はしっかり摂っていたし、休養も十分でした。

原因として考えられるのは、やはり、日常のトレーニングで20km以上の長距離をほとんど走らなかったことだと思います。

しかし、脚が完全に止まるほどやられてしまったのは、なぜなのか?

大腿筋膜張筋をはじめ、膝、腰、ハムストリング、足底筋、腸脛靭帯に至るまで、あらゆる箇所がやられました。

新調したシューズがまずかったのか、それとも別の原因か?

シューズが変わって違和感を感じたのは事実ですが。。。

18℃という比較的暑い気温で走ったのも初めてだったので、暑さにやられたのか?

心拍数が異様に高かったのはどうしてか?

レース前のTSBが23.1とあまりに疲労を抜き過ぎたせいか?

それとも、前々日の腹痛が原因か?

体重と体脂肪率の絞り込みが足りなかったのか?

いつの間にかフォームが崩れてきたのか?

家族の応援がなかったから?

あるいは単に歳を取ったということか?

。。。明確な答えは見つかっていません。

7年前にウルトラで90km走ったり、アイアンマンで42.195km完走できた脚力は一体何処へ消えてしまったのか。。。

いやしかし、この12年間の朝ランの積み重ねは一体何だったのか。。。(泣)

過去の自分に勝つのは容易ではありませんね。

(2021年4月19日 追記)

3週間後にリベンジで再びフルマラソン挑戦しましたが。。。


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