映画『ジャック・サマースビー』:人間の尊厳や本質に迫るヒューマンドラマの傑作

映画『ジャック・サマースビー』は、人間の尊厳や本質に迫るヒューマンドラマの傑作です。



あらすじ:南北戦争終結直後の1860年代後半のアメリカ南部・テネシー州の小さな村。南北戦争に出征していた農園経営者のジャック・サマースビーが6年ぶりに戻ってきた。戦死したと思っていた妻のローレルや村人たちは困惑を隠せない。以前は冷酷な性格で周りから嫌われていたジャックだったが、帰郷後は別人のように周囲との協調を図ったりローレルに深い愛情を注ぐようになる。
これによりジャックは村人から尊敬を集めるようになるが、ジャックのいない間にローレルと恋仲になっていたオーリンだけは彼に疑いの目を向ける。ある日、ジャックが村にやって来た見知らぬ男たちと争うのを目撃したオーリンは、彼が偽物だとの疑いをますます深める。
そんな中、ジャックは喧嘩で人を殺した容疑で逮捕され裁判にかけられるが、ローレルが彼が本物の夫ではないと証言したことで大きな波紋が起こり、裁判の焦点はジャックが本物であるかどうかに移っていく。。。

監督:ジョン・アミエル
出演:リチャード・ギア、ジョディ・フォスター

選出したベスト10のなかで唯一の1990年代の作品です。

この映画も、オールドファッションなラブストーリーか何かだろうと、先入観もなく観たのですが、まさかまさか、そんなヤワな内容とは程遠い、人間の尊厳や本質に迫るヒューマンドラマの傑作でした。

ジャックの妻を演じたジョディ・フォスターの美しさは、特に際立っています。


彼女は単に美しいだけでなく、偽の夫に対する愛が深まってゆく葛藤を見事に演じており、胸を打ちます。

存在が如何にも偽物っぽいリチャード・ギアもハマリ役です。彼は『アメリカン・ジゴロ』や『プリティ・ウーマン』の役柄のように、浮世離れしたチャラ男を演じるのが非常に上手い。

脇役も名優揃い、音楽も撮影も素晴らしい。

名誉を選んで死を迎えるテーマは、後の映画『クルーシブル』に影響を与えたに違いありません。


ちなみに、映画『クルーシブル』も見事な傑作です(主演の二人が素晴らしい)。

こんな名作が埋もれていたとは。。。!

『ジャック・サマースビー』は、私が2020年に観た100本の映画のベスト10のひとつです。

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