[ジョグノート (JogNote) がサービス終了] 代わりになるアプリは何が良いか?

毎日のトレーニングを記録しているSNSアプリのジョグノート (JogNote) が、2020年3月末をもってサービスを終了することが突然発表されました。

ジョグノートは、株式会社ウイングスタイルが2005年12月よりサービスを開始した、ランニング特化型のSNSサービスです。

この手のSNSアプリとしては最も老舗のひとつで、30万人(2017年時点)が利用しています。


私は2007年にジョギングを始めて以来、12年以上にわたりずっとこのジョグノートに記録をつけてきて、2013年からトライアスロンを目指して、ジョギングだけでなく、水泳や自転車の記録もすべてジョグノートに記録してきました。

サービス終了となると、代わりになるアプリを探す必要があるだけでなく、過去のデータ移管の方法も考えなくてはなりません。

しかし、ジョギングやランニングの記録だけならともかく、トライアスロンの3種目に加えて、体重や体脂肪率まで統合的に記録管理できるアプリはなかなかないのです。。。

サービス終了となる3月末までに、果たしてジョグノートの代わりになるアプリを見つけられるのか!?

1. ジョグノートとは

ジョグノートとは、ジョギングやランニングで走った距離やスピードなどトレーニング記録を日記のように記録して、友人とシェアできる無料のSNSサービスです。

今でこそ、このようなスポーツ系のSNSサービスやアプリは多様化していますが、ジョグノートが登場したのは2005年のことで、当時はまだiPhoneをはじめとしたスマートフォンもなければ、SNSもほとんど普及していない状態で、ジョグノートは、ほとんど唯一の選択肢だったのです。

当然ジョグノートも、当時はPC版しかなく、パソコンのサイトにアクセスして、データを手入力で打ち込む必要がありました。

ジョグノート(PC版)

当時は、ランニングの距離と時間を計測するためには、GarminやSuunto, PolarといったGPS内蔵(もしくは外付け)のスポーツウォッチを使うしか方法はなく、当時のジョグノートは、そのようなスポーツウォッチのデータと連携する機能はありませんでした。

しかし、2006年にナイキが発売したNike+iPodというシステムによって、デバイスをランニングシューズの紐(もしくは靴底)に繋げて、iPodにランニング時間と距離が計測できるようになると、ジョグノートもそのデータをインポートして自動的に距離と時間が記録できるようになりました。

Nike+iPod

Nike+iPodとの連携

私はジョギングを始めたのが2007年のことで、それ以来、ずっとジョグノートを愛用してきました。

ジョグノートのスマホ用のアプリが登場したのは、確か2012年ごろだったと思います。スマホのアプリを使って自動的にデータ計測と記録ができるようになりました。

ジョグノート(スマホ版)

初期のジョグノートのスマホアプリは動作が不安定だったので、私はもうひとつのランニングアプリで当時人気のあったRunKeeperと併用して愛用していました。

私は、2013年からトライアスロンを始めましたが、ジョグノートはランニングだけでなく、スイムや自転車も同じように記録・管理できるので、ジョグノートには私の過去13年間のすべてのトレーニング履歴が記録されています。

過去のジョギング履歴(PC版)

PC版では過去のデータがAcrobat Flashで3次元表示されるのですが、なぜか過去10年分しか表示されませんが、スマホ版では過去13年分が(累計距離も含めて)すべて表示されます。

過去のジョギング履歴(スマホ版)

長い期間愛用していたジョグノートですが、昨年の12月に突然、サービス終了のお知らせが掲示されました。


JogNoteサービス終了のお知らせ

2017年5月からは、Yahoo傘下でスポーツナビDoを運営するワイズ・スポーツが事業を譲り受けてサービスを継続していたのですが、どうやら事業継続が困難と判断されてしまったようです。

ワイズ・スポーツが事業継承した際のプレス発表によると、2017年時点では30万人が利用していたようです。

ジョグノートがサービスを開始した2005年から、スマホの普及とともにジョギングをはじめとしたスポーツ系SNSサービスは今やStravaをはじめ各シューズメーカーやスポーツウォッチメーカーも力を入れている環境の変化に呑まれてしまった格好でしょうか。。。

2. 見やすく使いやすい機能

私が、2007年から13年間もジョグノートを使い続けていたのは、他のアプリやサービスにはない独自の便利な機能やがたくさんあったからです。

ジョグノートのSNS機能は、多くのジョグノートユーザーにとって恩恵が大きかったと思うのですが、私自身は、ジョグノートのSNS機能はほとんど使っていませんでした。

以下、私が便利だと思った機能を紹介します。

2.1 トライアスロン3種目をカレンダーで一覧表示

トライアスロンのトレーニングを記録する私にとっては、何と言ってもこの機能が一番便利でした。

2020年1月のカレンダー表示

上のカレンダーは2020年1月のトレーニング記録です。

ランニングはブルーのアイコン、スイムはライトブルー、そして自転車はグリーンのアイコンでトレーニングした日に距離とともに表示されています。

カレンダー上部には、3種目ごとの合計距離も表示されていて非常に便利です。

2020年1月のトレーニング記録は

ラン 123km
スイム 6.8km
バイク 230km

と一目瞭然に1ヶ月のトレーニング状況を俯瞰することができるだけでなく、1ヶ月間にだいたいどこくらい休息日を取っているのかなども一目瞭然にわかるのです!

カレンダーのスクリーンショットを保存してコラージュアプリFotoJetを使って2019年1年間の全トレーニングを一括表示することさえできてしまいます。

2019年のトレーニング全記録

上の2019年の表を俯瞰すると、エクステラジャパンに出場を決めた5月からトレーニング量が増えて、6月と7月はかなりのトレーニング量を積んだものの、8月は暑さのせいで激減、その後10月から12月までは再び増加したことが良くわかります。

ジョギングだけに特化したアプリはRunKeeperやRuntastic, Nike Run Clubなどたくさんあるのですが、トライアスロンの3種目を体系的に記録でき、なおかつカレンダー表示できるアプリはほとんどありません。

2.2 週間/月間/年間/生涯累計距離の表示

自分が走った距離の週間/月間/年間累計距離とペース比較ができるだけでなく、記録をつけてからの生涯の累計距離とペースがわかります。

週間/月間/年間/生涯累計距離とペースの表示

これを見れば、あと何キロ走れば生涯で10,000km到達するかとか、昨年と比較して今年の走行距離やペースはどの程度なのかなど、マクロ的に知りたいデータがすぐにわかります。

私自身のデータを例にとると、昨年(2019年)での年間走行距離は1371kmで、過去13年間では最も長い距離だったこと、ただしぺースは平均キロ6分6秒で、これは過去最高だった5分21秒(2009年)よりも45秒も遅くなっていること、生涯累計走行距離は11092km(平均ペースは5分57秒)など、いろいろと分析することができます。

生涯累計走行距離とペース

3.3 からだ管理

ジョグノートは、トレーニング記録だけでなく、体重、体脂肪率、摂取カロリー、体年齢、腹囲、心拍数、最高/最低血圧など、実にさまざまな身体に関するデータを記録保存させることができます。

からだ管理入力画面

もちろん、入力した数値は、トレーニング記録と同じように、履歴やグラフで表示(週間/月間/年間/生涯)することができます。

体重と体脂肪率の変化(年間)

私は必ずジョギングのあとに体重と体脂肪率を同じ条件で測定して記録をつけていたので、過去13年間の体重と体脂肪率の変遷がすべて記録として残っています。

レースに向けて減量に励んだり、体重や体脂肪率の増加傾向をチェックしたりするのに非常に役に立ちました。

3. ジョグノートの代わりになるアプリは?

ジョグノートのサービス終了のお知らせが届いた昨年12月時点で、私はジョグノート以外にもRunKeeperとStravaの合計3つのアプリを使っていました。

ジョギングや自転車のときは、StravaとRunKeeperを同時に起動させて、どちらかのアプリが何らかの理由で停止してしまっても、あとでTCX/GPXファイルをインポートして復旧できるようにとの考えからです。

前述したとおり、ジョグノートのスマホアプロは安定性に欠けるので、トレーニングを記録するために使ったことはありません。

RunKeeperは無料版を2010年から利用しているので、こちらも10年間使っていることになります。

Stravaは2年前くらいから利用を始めました。RunKeeperはもちろん、GarminやSuuntoのサービスと連携させることにより、ほとんどあらゆるデバイスからのデータを自動取り込みしてくれるのは絶大に便利なことと、Stravaの参加コミュニティが非常に大きいため、友人とSNS的につながることができるのが大きなメリットです。

Stravaのデメリットは、トレーニングログの表示形式が独特のものしかなく、ジョグノートのような3種目を統合したカレンダー表示機能がないのが非常に残念です。

Stravaの月間トレーニングログ表示

RunKeeperには、トレーニングログの一覧表示機能さえないようです(有料版は別かもしれませんが)。

RunKeeperの月間トレーニングログ表示

では果たしてジョグノートの代わりになるアプリはあるのでしょうか??

結果を先に述べると、残念ながら、現時点でジョグノートのような使いやすい機能を兼ね備えたアプリやサービスはどこにも見当たらないようです。。。

ネットで検索しても、「JogNote(ジョグノート)終了、代わりにオススメしたいランニング記録・計測サービスやアプリ」を見ても、ジョギングのみの機能に特化したものに限定しており、有望なアプリは見つかりませんでした。


トライアスロンの3種目データの管理となると、トライアスロン専用の情報サイトLuminaが提供するBlue OceansというSNSアプリがあります。

Blue Oceans

無料提供なので大変ありがたいのですが、計測記録はすべてマニュアルでエントリーかつ、カレンダー表示もサポートされていないようなので、このアプリだけでジョグノートの代わりは厳しいことがわかりました。

4. JogNote難民救済サイト「ジョグの」

そんななか、「JogNote難民救済サイト」(ジョグのねっとわーく、通称「ジョグの」)というサイトを発見しました!


サイトの説明を読むと、「個人的に似たようなシステムをサービス終了までに開発してしまえ!と勝手にプロジェクトを立ち上げた」とあります。

これはスゴイです!

サイトを立ち上げて約2ヵ月で、閲覧者は約37,000ビュー。5,100名ものユーザーがメッセージ送信したとのことで、ジョグノート終了で私同様に途方に暮れているランナーが如何に多いかよくわかりました。

運営者の方はすべてボランティア精神で開発を進めていらっしゃるようで、本当に素晴らしい、頭が下がります。。。

(3月31日時点では、データ入力はできますが、過去のジョグノートデータのエクスポートは開発中のようです)。

5. Joggfile(ジョッグ・ファイル)

「ジョグの」と同様に、JogNoteからの移行を前提にしたもう一つのサイトがJoggFILE(ジョッグ・ファイル)です。こちらはサイト開設予定が4月15日で現在準備中、月額100円の有料会員の予定です。


公式ホームページは準備中のようですが、YouTubeに紹介ビデオがアップされていました。

JoggFILE(ジョッグ・ファイル)

プレスリリース文を読むと、ジョッグ・ファイル開発プロジェクトは老舗ランニングSNSサイト「ジョグノート」のサービス終了がアナウンスされた直後(2019年12月3日)に立ち上がったそうです。

「ランニング愛好家のためのSNSコミュニティ・サイト「JoggFILE(ジョッグ・ファイル)」2020年4月15日リリース決定!!」

会員登録後の30日間は無料お試し期間ということなので、リリースされたら早速試してみたいですね。

ジョグノートが来月末で終了してしまうのは本当に残念なことですが、これまでのサービス提供に感謝しつつ、「JogNote難民救済サイト」「ジョグの」と、JoggFILE(ジョッグ・ファイル)の今後の成り行きに注目したいと思います。。。
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