[核実験博物館: ラスベガスの知られざる観光スポット] 長崎に投下されたファットマン、暗号解読のエニグマの実機など


ラスベガスの中心地から少し離れた場所にある、核実験博物館(Atomic Museum)に行ってきました。


市内から車で10分ほどの距離にある隠れた観光スポット、路線バスで行くこともできます。

1. 核実験博物館

Googleでキーワード「ラスベガス ちょっと離れた観光地」で検索すると、以下のような観光地リストが出てきます。

約 328,000 件 (0.33 秒)
レッド ロック キャニオン国立保護区 26,437. 国立公園 ...
ザ モブ ミュージアム 9,984. ...
ネオン博物館 5,407. ...
ピンボール ホール オブ フェーム 3,063. ...
シェルビー アメリカン株式会社 1,547. ...
マウント チャールストン 1,490. ...
核実験博物館 1,636. ...
Dig This. 3,646.

検索結果のトップに出てくるレッドロックキャニオンについては、先日ブログで紹介しました。

今回は、検索結果の下位に出てきた核実験博物館を紹介します。

以下Wikiからの引用です。

核実験博物館(かくじっけんはくぶつかん Atomic Testing Museum)はアメリカ合衆国ネバダ州ラスベガスにある博物館。非営利団体であるネバダ核実験場歴史財団(Nevada Test Site Historical Foundation)の運営であり、核実験とネバダ核実験場の歴史を主に展示している。2005年3月に開館した。なお、スミソニアン協会にも加盟している。

展示物としては、核爆弾の発達に関するものやリトルボーイとファットマンの模型、B53核爆弾、地下核実験場のためのボーリング装置、大気圏内核実験の閃光・轟音・強風を模擬体験できるミニシアターがある。

(引用おわり)

展示内容については、「楽しいだけが観光じゃない!ラスベガスのAtomic Museum(核実験博物館)」というブログに詳しく紹介されています。

個人的な見どころは、長崎に投下された原爆ファットマン(Fat Man)の実物大模型と、ドイツの暗号機エニグマの実物展示です。

Atomic Museum (正式名称は National Atomic Testing Museum)

ラスベガス, アメリカ合衆国 ネバダ州
所在地: 755 E Flamingo Rd, Las Vegas, NV 89119 アメリカ合衆国
営業時間: 9:00 - 17:00 定休日なし
設立: 2005年
電話番号: +1 702-409-7366
料金:大人$29、子供(7~17歳)$15、6歳以下 無料

2. 行き方

核実験博物館は、ストリップ通りから車で約10分(距離は2km)徒歩で30分ほどの場所にあります。

フラミンゴ通りを走る路線バス(202)を利用するのも良いかもしれません。


私は、宿泊したホテルから片道約30分かけてジョギングで行きました。


博物館はフラミンゴ通り沿いで、ストリップ方面からだと右手にあります(ネバダ大学ラスベガス校 University of Nevada, Las Vegasの少し手前)。



建物の正面に ATOMIC MUSEUMと看板が出ているので、迷うことはないと思います。

3. ファットマン

ファットマンとは、長崎に投下された原子爆弾の名称で、広島に投下された原子爆弾のリトルボーイと並んで有名になりました。

そのファットマンの実物大模型が、博物館の受付エリアには展示されており、入場料を払わなくても見れるようになっています。


高さは人の背と同じくらいです


外部を覆う鉄板で爆発で中心部のプルトニウムを圧縮し、核融合を起こす仕組みですね


この形状と同じ原子爆弾が長崎に投下されて無数の人々の命を奪ったと思うと、やるせない気持ちになります


模型のすぐ左では6分ほどのファットマンの説明ビデオが流れていますが、これがかなり衝撃的かつ精巧に制作されていて傑作だと思いました


YouTubeで検索したら、同じものが見つかりました。

HOW FAT MAN WORKS ? | Nuclear Bomb ON Nagasaki | WORLD'S BIGGEST NUCLEAR BOMB | Learn from the base.

テニアン島から飛び立ったB-52爆撃機に搭載されており、当初の投下目的地だった小倉が厚い雲に覆われていたため、長崎に変更。

この天候の影響が、何十万もの市民の生死の運命を左右したと思うと、またまたやるせない気持ちに。。。

ファットマンは、投下されたあと地上500mの地点で距離センサーによって爆破装置が起動される仕掛けになっていたんですね。

地上に衝突して爆発させるよりも、地上500mで爆発させたほうが、核爆発による威力が遥かに遠方まで及ぶという悪魔の設計。。。

いずれも、オッペンハイマー率いるロスアラモス国立研究所がマンハッタン計画で開発したものです。


オッペンハイマーと言えば、ちょうど同名の映画(アカデミー賞6部門受賞)が封切りされている最中ですね。

【本予告】『オッペンハイマー』3月29日(金)、全国ロードショー

オッペンンハイマー本人には戦争責任はないかもしれませんが、このような大量殺戮兵器を開発したテクノロジーが人類に与えた影響は計り知れないものがあります。

放射線が人体に与える影響の恐ろしさについては、東海村の臨界事故(1999年)ほど衝撃的な事件はありません。

死者2名を出したこの事故について、その犠牲者のひとり大内久さんの被爆から死亡までの83日のドキュメンタリーでつづった『朽ちていった命』には、核が如何に人体を破壊するかが克明に描かれています。


チェレンコフの光から発生した中性子線を20シーベルトも浴びてしまうと、致死率は100%。それも被爆直後はほとんど何ともない状態から、じわじわと死に至る過程は恐怖そのもの。

染色体がばらばらに破壊され、新しい細胞を作ることができなくなり、また体内のリンパ球や白血球も生成されないので、免疫不全となるのです。


回復の望みがほぼない患者に必死に治療を施すことが、逆に患者の苦しみを引き延ばすだけという究極のジレンマも伴い、本著はとてつもない難題を読者に問いかけてきます。。。

4. ATOMIC LOUNGE & GALLERY

こちらのコーナーも無料で見学できます。


あの有名なエニグマ暗号機の実物が展示、これは必見です


エニグマとは、第2次世界大戦でナチス・ドイツが利用した暗号化装置です。


大戦中の1939年に、イギリスはアラン・チューリングらによってエニグマの解読に成功したが、その事実は徹底して極秘事項とされ、ドイツ軍は終戦までエニグマを使用し続けた(Wikiより引用)。


映画『イミテーション・ゲーム』や『エニグマ』で知っている人も多いと思います。


私はサイモン・シンのベストセラー『暗号解読』でエニグマのことを知って以来、非常に興味を持っていたので、実物を見ることができて感無量でした。


ナチス・ドイツの敗戦にも大きな影響を与えた歴史的機械ということで、見れば見るほど灌漑深いものが


エニグマを奪取するためにドイツの潜水艦を乗っ取るという映画『U-571』は傑作でした


史実としては、エニグマの解読は実際のエニグマなくても達成されたんですよね


室内にはエニグマ以外にも、007で使われた機械や、ロシアで核兵器開発に利用されたコンピュータなどの歴史的に貴重なものが展示されています

5. 博物館内

ここからはいよいよ博物館内の有料エリアに入ります。


展示の多くは、アメリカ国内での核開発実験(ビキニ環礁での実験から、ネバダ州の砂漠での実験、地下での実験など)の変遷についてでした。






ネバダ州の核実験場エリアは南北に2つあったのですね


核実験ができるほどの広大な土地を持つ強国米国、それに宣戦布告した日本。。。


終戦の年(1945年)にネバダ州で実施された核実験により、アメリカ政府は核兵器開発を世界に先んじて成功させました


当時の開発現場の再現


核実験に関連するさまざまな文献や日常品の展示


リトルボーイ(広島)とファットマン(長崎)、現在の米国市民はこの2つの原爆投下をどう捉えているのか。。。




ビキニ環礁の地図



そして、この鉄の扉の奥は、Ground Zero Theater


核爆発時の爆風と爆音を生で体験できる施設です


シアター内部


音圧だけでなく振動も再現されていてリアルでした(15分おきに開催)

Underground Testing Gallery - この先は地下核実験に関する展示が充実しています



核兵器の威力を実証実験で確認するためのマネキンなど


ビフォーアフターの写真(精細度が低くてイマイチわかりませんでした)




地下核実験のための掘削機











核実験結果を記録する動画カメラ



地下核実験によって地表面が陥没する過程を図で説明


核ミサイルB61の模型







B-53 核兵器は冷戦時代に350発製造されましたが、その後は解体が進みました



多くの爆発起動装置が取り付けられています

6. エリア51関係

核実験とは関係ないのですが、同じ砂漠ネタということで、エリア51関連の展示もありました(私は見ませんでした)

7. まとめ

核開発が第二次世界大戦の時期に重なったのは歴史の偶然でしょうか。。。

展示品を見ながら感じたのは、技術開発が猛スピードで加速しており、人間の英知の結晶と、狂気の沙汰というのは、本当に紙一重ということでした。

核実験博物館は、核兵器を開発したアメリカからの視点がどのようなものか知る上でも、唯一の原爆被爆国である日本の国民として、ぜひとも訪れてほしい施設です。

ラスベガスでカジノやショーの合間にでも、是非とも核実験博物館も訪問してみてください。

(2024年5月6日 追記)
ラスベガス滞在中にアメリカの物価の高さには驚きましたが、こちらの記事を見つけました。

円安がさらに進んでもはやラーメン1杯3000円どころではありませんね。。。

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