[小坂緑地~世田谷エリアのこだわり紅葉スポット] 瀬田四丁目の旧小坂緑地/旧小坂邸を訪問しました


瀬田四丁目旧小坂緑地の紅葉が見頃を迎えています。


旧小坂緑地は、世田谷区瀬田四丁目の国分寺崖線の斜面樹林にひっそりと佇む、紅葉と竹林が美しい庭園です。

その庭園内にある旧小坂邸は、区指定有形文化財の旧小坂家住宅で、この地域に建てられた別邸の中で唯一現存した貴重な歴史建築物です。

今日はちょうど秋晴れの日和にも恵まれて、紅葉の見頃を迎えた庭園の散策と、邸宅の内部を拝見することができました。

1. 瀬田四丁目旧小坂緑地

瀬田四丁目旧小坂緑地は、世田谷区の緑の生命線である国分寺崖線の斜面樹林の一部であり、園内には区指定有形文化財「旧小坂家住宅」と、紅葉と竹林が美しい湧水の流れる庭園があります。

ここは、かつて衆議院議員などを歴任した小坂順造氏の別邸として利用されていました。多摩川が近く、国分寺崖線の緑が多いこの地域一帯には、明治から昭和にかけて建てられた別邸が多くありました。都心から玉川電車で往来できるこの辺りは、当時の財界人達の週末住宅として絶好の立地でもありました。

(以上、世田谷区のホームページより引用)


田園都市線、大井町線二子玉川駅下車徒歩20分

東急/小田急バス(二子玉川駅~成城学園前駅)「吉沢」下車 徒歩8分東急バス(千歳船橋~田園調布駅)「玉川病院入口」下車徒歩7分東急バス(二子玉川駅~成育医療研究センター)「玉川病院」下車 徒歩2分

開門時間:9:30 - 16:30
休園日:月曜日

最寄り駅からのアクセスが遠く、国分寺崖線の斜面に位置することから、世田谷区内屈指の観光名所であるにもかかわらず、混雑とは無縁です。

この庭園は年間を通して素晴らしいのですが、12月初旬の紅葉の時期は格別です。

以前このブログでも紹介しました。

[世田谷エリアのこだわり紅葉スポット4選] 弦巻の実相院、豪徳寺、瀬田の小坂緑地、岡本公園民家園

今日は秋晴れの快晴だったので、昼休みの時間を利用してぶらっと散策してきました。

庭園案内図

入口は「表門」「裏門」「東門」と3か所あります。

今回は馬坂の上(玉川病院の隣)の表門から入りました。

表門



門を入って真っ直ぐ進むとオレンジに染まったカエデの紅葉が


さらに奥に進むと、見事なまでに朱色に染まった紅葉が目を惹きます


近づくと


旧小坂邸の正門が見えてきました。


京都の古寺のような佇まい、ここは本当に都内なのか。。。

回廊式庭園の入り口(中門)はその脇に


国分寺崖線に沿って坂を下るように庭園を散策します


とにかくどこを撮っても絵になります


紅葉と青空と新緑、そして黄色のコントラストが素晴らしい


枕木の階段を下ります


抜けるような青空


平日の昼間だからか、園内は誰もいませんでした


庭園散策を独り占め


庚申塔



裏門に到着



以下は庭園を正門から裏門方面に散策したときの映像です

瀬田四丁目旧小坂緑地の回遊式庭園(正門から裏門)

園内は鳥たちのさえずる声が絶えません

茂みからは何やらカサカサと動いている気配も。。。

今度は裏門から正門に向かって園内を上ってみました


園内のルートはところどころ分岐しており、さまざまな景観を楽しめます



見事な竹林



竹林と紅葉のコントラスト




東門からは馬坂の途中に出ます


東門からは坂下に静嘉堂の入り口が見えます


馬坂を下ると


静嘉堂内の紅葉も見事


再び東門に戻り庭園散策を再開




立派な大木


以下は庭園を裏門から正門方面に散策したときの映像です

瀬田四丁目旧小坂緑地の回遊式庭園(裏門から正門)

2. 旧小坂邸

瀬田四丁目旧小坂緑地内の旧小坂邸は、長野出身の実業家・政治家である元衆議院議員の小坂順造氏の別邸として使われていたものです。1937(昭和12)年に建設されました。

世田谷区の国分寺崖線周辺地域は、明治後期から昭和初期にかけて、政治家、実業家などの別荘や邸宅が、数多く建てられていました。

しかし、現存するのは旧小坂邸たった一つです。

この小坂邸も、小坂順造氏の別邸として利用されていましたが、小坂順造氏が亡くなったあとは、ご家族が昭和50年くらいまで住んでいらっしゃったようです。


開館時間:午前9時30分~午後4時30分まで(休園日:毎週月曜日、但し月曜が祝日の場合は次の平日)



靴を脱いで邸宅内に上がりました



茶室



英国の山小屋をモデルにした洋室(書斎)




小坂善次郎氏(次男)



小坂順造氏は、電源開発の総裁もつとめていらしたのですね


当時を偲ばせる写真



窓の外には紅葉が



縁側


茶の間と居間





鉄製扉の部屋には、戦時中に骨董品や文化財を保管していたそうです


2階は非公開



年代物のミシン


室内から富士山を臨めました





洒落た洋室(寝室)






玄関は、長野県の民家のものを移設したそうです



説明員の方に邸宅内を非常に丁寧に案内していただきました。有難うございます。


玄関を入ったところには、手作りクッキーが1袋100円で販売されており、パッケージには「岡本福祉作業ホーム玉堤分場」とあります。


地元の障害福祉サービスを応援する意味もあり、購入させていただきました。クッキーはパリッとした食感でとても美味しかったです。

せたがやトラストでは、旧小坂邸の「風のコラム」というパンフレットを年2回刊行しています。


「風のコラム」のホームページはこちらです。

翌日の土曜日はお茶室でお茶会体験が開催されるようでした。


庭園を散策したり、邸内を拝見すると、かつての政治家は、政治活動だけでなく、このような文化継承や啓蒙にも精力的に力を注いでいたことが伺えました。

また、日本がまだ国際的な地位を確立途上の時代には、このような素晴らしい邸宅や庭園で海外の賓客を持てなして外交努力を行っていたことも感慨深いものがあります。

世田谷区は行政が「世田谷みどり33」という活動をはじめ、積極的に自然保護に力を入れています。

旧小坂緑地は、1996年(平成8年)に世田谷区が緑地保護の公園用地として土地を購入し、建物の方は小坂家から寄贈されたとのこと、行政のおかげで現存されているのですね。

旧小坂緑地/旧小坂邸の詳細は世田谷散策記をご参照ください。

瀬田四丁目旧小坂緑地は、紅葉を堪能するだけでなく、世田谷区の歴史にも触れることができる唯一無二の貴重な場所だと感じました。

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