[元野鳥のパラちゃんが手乗り!] ワカケホンセイインコとの信頼関係づくり

我が家は2羽のインコをお世話しています。

昨年末にカラスに襲われていたところを保護したワカケホンセイインコ(パラちゃん)と、最近お迎えをした幼鳥のセキセイインコ(スイちゃん)です。

スイちゃんは、幼鳥からお世話をしているのでとても人なつこいのですが、元野鳥のパラちゃんは、最初から一切誰にもなつくことがありませんでした。

次女がインコたちのお世話を熱心にするようになってから、パラちゃんはスケールの上に乗ったり、手から餌を食べたりするにようになりましたが、ちょっとでも不用意に近づこうものなら、「ギャー!!」というダミ声と鋭いクチバシで威嚇してきます。

ところが。。。!!

そのパラちゃんが、なんと、突然、腕に乗ったり肩に乗ったりできるようになったのです!


じっくりと長い期間をかけて付き合えば、いつかはきっと気持ちが通じるはず。。。と淡い希望を抱いていましたが、パラちゃんの突然の変化に家族全員でビックリです。

スイちゃんが次女と仲良くしているのをじっと観察していたのかもしれません。

次女だけでなく、なんと一番嫌っていた私自身にも同じようになついてくれたのでホント感動です。


パラちゃんありがとう。。。!

以下、インコのお世話をしている方の何かの参考になれば幸いです。

1. それはある日突然のことでした

ワカケホンセイインコのパラちゃんとの出会いは、まったくの偶然でした。

昨年12月のある寒い朝、私はいつものように早朝ジョギングに出かけたところ、自宅近くの住宅街の路地で、カラスがインコを襲っている場面に出くわしたのです。

ビックリしたカラスが飛び立ったあとの地面に、何やら緑色のものが。。。私が両手で拾い上げたときは、動くことができないほど衰弱しており、頭には大きな傷があるインコだったのです。

やがてインコは大きな声で「ギャーギャー」と鳴きわめき出したのですが、両手でしっかりと抑えて、そのまま走って家に連れて帰りました。


幸い、インコは良心的な動物病院で治療を受けることができ、怪我も治ったのですが、上腕骨の開放骨折のせいで二度と飛べない体になってしまいました。

保護したインコは、野生化したワカケホンセイインコでした。

外来種の野鳥は保護した本人がお世話をするしかないということで、覚悟を決めて家で飼育を始めました(インコの英語名Parakeet:パラキートからパラちゃんと名前をつけました)。


鳥のお世話をするのは初めてで悪戦苦闘でしたが、数か月経ってなんとか慣れてきました。

最初は怖がって近寄ろうともしなかった次女(小学6年生)が、5月の連休あたりから、パラちゃんのお世話を熱心にするようになったのです。

そして、すっかりインコにハマった次女は、手乗りするインコもどうしても欲しいということで、パラちゃんと一緒に一生面倒を見ることを条件に、6月にセキセイインコのスイちゃんをお迎えしました。

こうして我が家には、ワカケホンセイインコ(パラちゃん)と、セキセイインコ(スイちゃん)の2羽のインコが家族に加わったのです。

パラちゃん(左)とスイちゃん(右)

2. パラちゃんの性格

パラちゃんは、とても用心深い性格で、自分が知らないものには一切近寄ろうともしません。


小さなボールやお手玉などオモチャをあげても全く興味を示さないだけでなく、ケージの中にセットしたかじり木やわらで作った寝床などにも警戒心を怠らず、自分から手を出すことはありませんでした。

特に私に対しては、カラスに襲われたのを助けたとき以来、(お世話のたびに)捕まえたりしたので一番警戒心が強く、私がケージの近くを通り過ぎただけで、ケージの壁に張り付いて距離を置くことを決して怠らないほど嫌わています。

さらに悪いことに、パラちゃんが放鳥中に防鳥ネットに絡まってしまったとき、助けるためにパラちゃんを羽交い締めにして、ハサミで体中に絡まったネットを切断してあげたのですが、パラちゃんからすれば自分を抑えつけてハサミを体に押し付けてくる私の存在は恐怖の対象でしかなかったと思います。

そんなことが続いて以来、いつも私の一挙手一投足をじっーーと観察して警戒しているのです。

幸い、飛べなくなった現実はすんなり受け入れたようで、バルコニーで放鳥してもケージから逃げ出そうとしたり、どこかに隠れようという試みはしなくなりました。

パラちゃんは、物凄い大きな鳴き声を発します。下の動画は、日光浴を終えて鳥かごに戻そうとしたときの様子です。

ワカケホンセイインコの鳴き声(ダミ声)

神経を逆撫でするような強烈なダミ声ですよね。。。これが野生化したワカケホンセイインコの群れの騒音問題になっています。

しかし、鳥かごをバルコニーに出して日光浴させているときには、全く別の鳴き声で鳴くのですが、こちらはとても透き通った「ピヨピヨ」という耳に心地良い鳴き声です。

ワカケホンセイインコの鳴き声(透き通った声)

この声で鳴いているときは仲間を呼んでいるのでしょう。

春先にはバルコニーに野生のワカケホンセイインコのお仲間が驚くほどたくさん遊びに来るようになりました。

野生のお仲間たち

野生のお仲間とも、いろいろな鳴き声でコミュニケーションを取っているようですが、他のインコがケージに近づいただけで、威嚇して追い払ってしまいます。

どうやら自分のケージに対する縄張り意識が強いようで、ケージのなかに手を入れたりすると、激しく威嚇します。

そんなパラちゃんの行動に変化が生まれたのは、次女が熱心にお世話を始めてからです。

今までは餌やりもできなかったのですが、次女がクリッカーを使って餌やり(と体重測定)をするようになってから、餌を手渡しで食べるようになったのです。


ヒマワリの種などのおやつをあげるときは、指にはさんで口の前にそっと差し出すと、器用にクチバシでつまんで食べるようになりました。

8月に入って、トウモロコシの皮を干したものをパラちゃんがかじって遊ぶようになりました。

そのトウモロコシの皮で、パラちゃんの頭を撫でてみたところ、嫌がることもなく気持ちよさそうにしたのにはビックリでした。

トウモロコシの皮で頭を撫でる

パラちゃんと徐々に親密なコミュニケーションが取れるようになったのは、スイちゃんの存在が大きかったと思います。

パラちゃんも、スイちゃんが手乗りをしたり、オモチャと遊んだり、人間を怖がらないのをじーーっと観察していたのでしょう。

それでも、ちょっとでも気に障るようなことがあれば、ギャー!という鳴き声と鋭いクチバシで威嚇してきます。。。

パラちゃんの威嚇

ワカケホンセイインコのクチバシは鋭く、噛まれたら大変なことになります。

私は、カラスから助けて家に持ち帰ったときに、指を噛まれて結構出血したので、クチバシの鋭さは身をもって体験しています。

パラちゃんがペットのインコのように、人間になつくようになるにはまだまだ先が長いと思っていました。

3. いきなり次女の背中に!

そんなある日、家のなかでパラちゃんを放鳥していたとき、パラちゃんがいきなり次女の背中に乗ってきたのです!


これはそのときに妻がスマホで撮影したものです。まさかの事態に次女もビックリ!

そして、そのまま次女の膝に乗って落ち着いています。。。

あれほど人間を怖がっていたパラちゃんが。。。信じ難いです。

12月に家にやってきてから8か月、ついに元野鳥のパラちゃんが人間に心を開いてくれた瞬間でした。

次女もビックリして、Tシャツ1枚ではパラちゃんが怖いので、上着を羽織って再びトライしたところ、ついに肩に乗ってくれました!

次女の肩に

まだまだパラちゃんもおそるおそる。。。という感じで、ちょっとでも変に動くと飛び降りてしまいますが、どうやら信頼関係は築けたようです。

次女が日頃から一生懸命お世話をした気持ちが、パラちゃんに伝わったような気がします。

一番の嫌われ者の私も、チャレンジしてみたところ、ちゃんと手に乗り移ってくれました!
じっくり時間をかけて優しく接すれば、パラちゃんも信頼してくれるようになったのです。


初めて直接肌に触れるパラちゃんからは、インコの体の暖かさが伝わってきました。

それでも、肩に乗せているときは、クチバシで耳のなかを探ってきたり、眼球の目前までクチバシで迫ってきたり、生きた心地がしません。。。(笑)


しかし、こちらがそっとしていれば、パラちゃんも変に威嚇したり攻撃してくることはありません。


お互い信頼関係が大切です。。。

毎日じっくりと飼い主の様子や態度を見極めているインコって本当に賢いですね。

まだまだ簡単に体に乗っかってくる状態には程遠いですが、パラちゃんとのふれあいに大きな一歩を踏み出せたような気がします。

いつかはワカケダンスを踊ったり、物真似までしてくれるようになる。。。?イヤイヤ、手や肩に乗ってくれるようになっただけでも、パラちゃんとの心が通じたような幸せな気持ちで一杯です。

パラちゃんありがとう。。。

[ワカケホンセイインコ育成] まとめ記事一覧

コメント

  1. いい話ですね…勉強になりました。モニオさんやご家族の人柄が伝わって来ました。

    返信削除
    返信
    1. Dai Ganさん、ありがとうございます。我が家はすっかりインコにハマってしまいました。

      削除
  2. いつも楽しみにブログ拝見しております。
    野生のインコがここまで慣れるとは…驚きです。
    次女さんや、ご家族の想いが伝わったんですね。感動しました。
    これからも更新楽しみにしております。

    返信削除
    返信
    1. ぽむさん、ありがとうございます。励みになります。
      野生の本能で何事にも警戒心を持ってしまうのですが、少しづつ今の環境に慣れてくれたら。。。と思います。これからもどうぞよろしくお願いします。

      削除
  3. はじめまして。今日の夕方、外で羽が折れて猫に襲われていたワカケホンセイインコらしき鳥をなんとか保護して近所の動物病院が閉まる直前、駆け込んで診てもらいましたが、
    今日一旦連れて帰って、餌をあげて食べるようなら明日、折れた羽の固定をするから、と言われて、連れて帰って家で保護しています。
    段ボールの中にペットシートを引いて、バナナ、ひまわりの種、入れ物に水を入れて置いてありますが、口にしません。
    我が家でも猫を飼っているので(襲ったのとは別ですが)
    落ち着かないのか、もう夜なので眠いのか、疲れているのか、はじめての事でどうにもよく分からず、こちらのブログに辿り着きました。。
    回復して、里親探しまでは頑張りたいです。

    返信削除
    返信
    1. roroさんはじめまして。
      ワカケホンセイインコを保護していただき私も感謝します!
      一般の動物病院は、野鳥を受付けないのですが、ご近所の病院は受け入れていただいたようで何よりです。
      エサを口にしないのは心配ないと思いますが、猫に襲われたときの怪我での出血はないでしょうか?インコは身体が小さいので少量の出血であっても至急止血が必要です。
      あとは、温度でしょうか。野鳥のワカケホンセイインコであれば心配ないのですが、衰弱しているようだと、暖かい場所(22~24度くらい)で、静かな場所で、できれば真っ暗にしてあげると良いと思います。
      はじめての事で大変かと思いますが、私も同様でした。宜しければ、私のブログの以下の記事をご参照ください。
      https://www.monionoheya.com/2019/12/parakeet.html
      また、ほかに疑問点などありましたら、このブログのContacからメッセージを送っていただければ、個別にご回答できます。
      保護していただいたワカケホンセイインコが、無事に快復して、里親が見つかりますように、心からお祈り申し上げます。

      削除

コメントを投稿