【ワールドビジネスサテライト】グラフとチャートで振り返る令和元年の日本経済

ワールドビジネスサテライト(毎週月曜日~金曜日夜11時~)は、テレビ東京が誇る人気の経済ニュース番組です。

毎回、日常生活に関連の深いニュースや、新しい商品やサービスの紹介を、わかりやすく説明してくれます。なかでも私が特に気に入っているのは、番組で良く使われるグラフやチャートです。

今年の放送のなかから、気になるグラフやチャートを10点ほど選んで、令和元年を振り返ってみました。


私は毎日ワールドビジネスサテライトを録画したものをiPhoneに転送し、翌朝の出勤中に2倍早送りで観るのが習慣化しているのですが、気になるグラフやチャートはメモ代わりにスクリーンショットを撮って残しています(投稿したショットは敢えて画質を落としています)。

ディーガに録画した番組をiPhoneに転送して外出先で見る

1. いまの不動産は過熱気味?


いまの不動産は過熱気味?(3月19日)

国土交通省の平成31年の地価が公示されたときのニュースでした。

東京オリンピックを2020年に控えて不動産価格が過熱しているという内容だったと思います。

公式発表は、

「全国平均では、全用途平均・商業地は4年連続、住宅地は2年連続の上昇となり、いずれも上昇基調を強めています。東京・大阪・名古屋の三大都市圏において上昇基調を強めるとともに、地方圏においても住宅地が平成4年以来27年ぶりに上昇に転じるなど、地価の回復傾向が全国的に広がっています」

というものでした。

私も自宅周辺の公示地価を調べてみました。

すると、確かにリーマンショック直前の最高値に迫る勢いで、ここ5~6年は堅調に地価が高騰していることがわかりました。


公示地価平均(過去の推移

東証REIT指数も調べてみました(「J-REIT市場の現状と⾒通し」(大和投資信託)を参照)。

REITは国債との利回り差が指標となっていますが、11月に国内外の⻑期⾦利が短期間で上昇した影響で、下落基調に転じていました。


レポートによると、今後のJ-REIT市況については、⾦利動向が落ち着きを取り戻せば、堅調さを取り戻すと予想しています。

東証REIT指数の好調ぶりは、最近の公示時価の堅調さを反映しているものと思われます。

懸念は、東京オリンピック後の景気後退ですね。。。

2. 公的年金 何歳からもらうのが得?

公的年金 何歳からもらうのが得?(4月24日)


年金法改正のニュースだったと思います。

個人的にはこのようなニュースに注目する年齢になってきてしまいました。。。

年金法改正で、公的年金の受給開始を75歳まで繰り下げることが可能となり、老後生活の選択肢の一つになるのですが、何歳から受給を受けるのが最も正しいのかは、個人の余命と密接に関わってきます。

普通に65歳から受給を受けてしまうと、70歳から受給された場合と比較して、81歳まで長生きすると年金総額は減ってしまいます。

しかし、これは単純な累積額との比較なので、経済学の常識である「早い金ほど価値がある」を配慮していません。

繰り下げ受給に関しては、また、定年退職後の収入を70歳まで維持するという、いわゆる「生涯現役」の考え方に基づいているので、よほど貯蓄に余裕があり、70歳まで仕事を続けることのできる恵まれた環境の人にしか恩恵はないような気がしてなりません。。。

年金受給年齢の延期という「痛みを伴う」変更を見送る代わりに、75歳まで受給開始年齢を遅らせるという選択肢を与えた国の方針は、評価されるべきと個人的には思います。

後は、我々国民おのおのが、どのようなライフプランを描いて選択するのかにかかってきます。

3. 老後2,000万円必要問題

老後2,000万円必要問題(6月11日)

6月に発表されて騒然となった、金融庁の審議会 「市場ワーキング・グループ」の報告書に書かれていた「老後は2,000万円が必要」のニュースです。

正式な報告書としては受け取らないという麻生財務大臣の発言で幕引きとなりましたが、この報告書は、いろいろな意味で示唆に富んでいるものだと思いました。

高齢夫婦無職世帯の収支として、

収入:20万9,198円
支出:26万3,717円

で試算されています。

これはあくまでも平均的な高齢夫婦無職世帯のケースです。

収入の大部分を占める年金支給額をはじめ、多くの試算額は個人によって異なるので、この試算を個人に当てはめて計算し直す必要があります。

例えば、収入を20万円ではなく例えば28万円として計算すると、毎年20万円の黒字収支になります。

人によっては高齢者になっても住宅ローンを抱えている人、個人資産は少ないけれど遺産相続が見込める人、早期退職した人など、事情はさまざまです。

重要なのは、このようなモデルケースの数値に過剰に反応するのではなく、しっかりと時間と労力をかけて個人のライフプランをシミュレーションすることです。

個人のライフプランのシミュレーションは、できればファイナンシャルプランナーなどプロにお願いしたほうが良いでしょう。いろいろ探せば、無料で個人のライフプランをシミュレーションしてくれるようなファイナンシャルプランナーを見つけることは、実はそれほど難しくはありません。

最近では、通信回線の契約業者が、契約継続のために無料ファイナンシャルプランナーのサービスを提供しているようなケースもあります。

4. 金融リテラシーのある成人の割合

金融リテラシーのある成人の割合(8月15日)

老後2000万円問題が炎上して、6月にはついに都内で「年金払え」デモに2000人が集まる騒ぎとなりました。

そのときのニュースに関連して、番組で取り上げられたのが、この比較グラフです。

端的に言ってしまえば、日本人は先進国のなかでも、金融に対する一般知識がかなり低いという情けない結果です(日本より低いG7の国はイタリアのみ)。

個人的にも、「年金払え」デモには非常に違和感を感じていたので、「やはり。。。」という印象です。


なかには、「年金返せ!」と声を高らかに叫んでいる人もいたようですが、そのような人たちは、年金制度というものが如何に低リスクで高リターンな金融商品であるかを理解していません。

年金の直近10年(2009年~2018年)の運用利回りは、年率5.05%もあるのです(GPIFのサイトより)。こんな運用実績が高くてリスクの低い金融商品は他にはありません。

政府はその気になれば、「年金返せ!」と叫ぶ人たちには、「ではこれまでお支払いした総額を返金しましょう」と喜んで応えるでしょう。そのほうが資金運用機関にとっては有利だからです。

日本人の「宵越の金は持たねえ」という昔気質のせいなのか、貯蓄など金勘定に関して真面目に考えることは「卑しいこと」という風潮があるような気がします。

これも、日本の教育制度に「金融の仕組み」に関する実践的なプログラムが欠如していることや、サラリーマンが確定申告をしなくても税金が自動的に給与天引きされるシステムの弊害などが原因ではないでしょうか。

また、これだけ政府がキャッシュレスを推進しても、未だに国民の多くが「現金払い主義」であることも気になります。

果たして国民のどれだけが、DCF(Discounted Cash Flow: 割引現在価値法)について理解しているでしょう??

小学校にパソコンを生徒一人に一台などという施策を考えるくらいなら、小学生全員に、株式投資を実践させるための予算を組むほうが余程マシのような気もします。

5. 中国GDP成長率過去最低

中国GDP成長率過去最低(7月16日)

トランプ政権の米国との貿易戦争の影響で、中国が過去25年間で最悪のGDP成長率(6.2%)に落ち込んでしまったというニュースです。

ワールドビジネスサテライトに限らないのですが、日本のマスメディアは中国を叩くのが大好きなようで、このようなネガティブなニュースはいち早く話題にしますね。

では日本はどうなんでしょうか??

日本のGDP(「日本の経済成長率をグラフ化してみる」から引用)

過去25年間、中国の最低記録の6.2%を超えたことは一度もないどころか、25年間平均でみると、なんとGDP成長率は0%なんですよね。

25年間経済成長がゼロの日本が、中国のGDP成長率が過去最低だ、中国の成長はもう終わったと騒いでいるのは、実に滑稽です。

しかも、中国の成長率低下は、トランプ政権との貿易戦争という要因が大きく、国内の需要が停滞したとか、国際競争力が低下したというものとは別なんです。

このブログでも再三書いていますが、日本人の中国に対する偏見は相当根が深いものがあり、そのような世論を作ったのはマスメディアに大きな責任があると思います。

ワールドビジネスサテライトは比較的マシになりましたが、以前は中国を見下すようなニュースや特集をたくさんやっていました(出生率の低下、やらせオークションなど)。

6. スキー・スノボ人口

スキー・スノボ人口(7月18日)

確か、白馬スキー場の夏場の経営についての新しい試みという特集だったと思います。

私は学生時代にスキー人気絶頂期だったこともあり、このグラフは衝撃的でした。

人口減少どころか、90年代のピークの3分の1くらいまで激減しているんですね。。。

個人的には、スキーもスノボも大好きで、家族で毎年のように冬スキーや春スキーに行くので、このままではまともに国内のスキー場経営はできなくなるのではと心配してしまいます。

以前ブログで湯沢高原エリアのスキー場について紹介したのですが、スキー場は冬だけでなく、夏場も含めてオールシーズン楽しめる場所です!

【トスラブ湯沢に行こう】オールシーズン楽しめる関東ITソフトウェア健康保険組合のイチオシ保養施設

是非ともみなさん冬場だけでなく夏場もスキー場に遊びに行きましょう!!

全く関係ない話で恐縮ですが、私は今シーズンはsnowfeetという全く新しいスキー用具を試します!

snowfeet

snowfeetとは、クラウドファンディングで募集していた、どんなブーツでも、その上からカンジキのように装着することで、雪上を滑ることができる新しいスポーツです。

今から冬スキーに行くのが楽しみです。

7. ラグビー 今動き出すプロ化構想

ラグビー 今動きだすプロ化構想(10月22日)

ラグビーワールドサッカーでの日本チームの大躍進には国中が沸きましたね!私も日本チームの団結力と低力には感動して、何でも信じればできる!との喝をもらいました。

しかし、喜んでばかりもいられません。

上の年間収益のグラフを見ると、日本のラグビーの収益力は世界レベルで見ると最低レベルなのが良く分かります。

厳しいプロスポーツの世界は、ビジネスの世界と同じです。収益が上がらない市場において世界に通用する強いチームは決して育ちません。

逆にこのような環境のなか、よくぞ日本のナショナルチームは強豪を下して決勝ラウンドまで進出できたと改めて感動してしまいました。

南アフリカのデクラーク選手。小柄な金髪の9番スクラムハーフの選手。日本戦でも大活躍して散々苦しめられました。

デクラークの年俸は推定4000~5000万円(「きになるの杜」より)。そのほかに企業スポンサーからの収入など含めると軽く1億円は下らないでしょう。

もちろん、日本のラグビー選手で、こんな高給の選手は現在も過去も一人もいません。

日本のスポーツでプロ化しているのは野球、サッカー、バスケットボール(2年前にBリーグ設立)くらいでしょうか。。。

スポーツのプロリーグ化は容易でないことは、Jリーグの設立を思い出します。

Jリーグが設立された1993年当初は、多くのチームが設立され、選手の層が薄かったこともあり、プロの試合には程遠い草チームの試合を観ているようで悲惨な状況でした。しかも観客もろくにサッカーの事を知らないにわかファンばかり。。。何だか今の状況に似ている気がします。

8. 東京モーターショーが変貌 テーマパークに!?

東京モーターショーが変貌 テーマパークに!?(10月23日)

この記事タイトルからして、もはや日本は自動車業界では完全にアウェーとなってしまった悲しい現状が伝わってきます。

東京モーターショーといえば、かつては国内の業界イベントの最高峰の一つとして、新車発表会やドイツのメルセデスベンツ、アウディ、BMWといった外国高級車が一同に観れる展示会ということで、私自身も何度か訪れたことがあります。

しかし、東京モーターショーの入場者数は、1991年をピークに、50%以下まで落ち込んでおり、2019年には、輸入車がわずか3社(ルノー、メルセデス・ベンツ、スマート、アルピナの4ブランド)しかないという惨憺たる状況です。

国内の自動車市場が縮小しているのが大きな原因とされていますが、それだけでなく、自動運転や次世代の自動車開発において、日本のメーカーは完全に後れを取っていることも、あまり報道されていない事実です。

この状況は、東京モーターショーだけでなく、CEATEC(国際家電見本市)など他業種のイベントでも似た傾向ですね。東京ビックサイトの規模は世界では68位なので仕方ないのですが。。。

一方、中国での展示イベントは盛り上がっているようで、上海モーターショー、広州モーターショーなど世界最大規模、大手自動車メーカーの最先端の発表会の披露場となっています。

9. 新聞の発行部数

新聞の発行部数(12月10日)

新聞の発行部数は年々減少傾向にあるのですが、どのくらい減少しているかというと、グラフのとおり、なんとこの8年間で20%近くも減少しているのです。

番組では、地元に詳しい新聞配達員が、家事代行やメルカリ代理出品など、サービスの幅を拡げているという内容でした。

新聞というメディアの衰退は、音楽業界のレコードやCDといった固体メディアの衰退と似ている点が多いです。

どちらも、過去の慣例に胡坐をかいて、消費者のスタイルの変遷に追い付くことができなかった業界です。

新聞の購読層が高齢化しているという点に着目して、家事代行やメルカリ代理出品など高齢者にとって役に立つサービスを展開しているというのは素晴らしい変換だと思います。

新聞=権力を監視する中立性 なんて構図と信頼は、とっくのとうに崩れ去っているのですから、フェイクニュース満載の新聞社も広告収入やアクセスを稼ぐことに腐心するより、このような消費者のメリットを軸にしたビジネスに基軸を変えるのが正しいと思います。

10. 低学歴化するニッポン

低学歴化するニッポン(12月15日)

今年のノーベル化学賞に、リチウムイオン電池の生みの親である吉野彰氏が選出されたことは、日本人として非常に誇りに思える嬉しいニュースでした。

が!

実は、日本は国際的に見ると、高学歴の労働者にとっては住み心地の悪い国であり、博士号の取得者数はなんと減少しており、優秀な人材は海外に流出しているという状況なのです。

上のグラフは、左が中国、中央が日本、右が米国です。

中国や米国がこの10年間で博士号の取得者数がそれぞれ61%と29%も増加しているのに対して、日本は博士号の絶対数も少ないだけでなく、取得者数が13%減少しているのです。

理由は明快で、本来博士号の人材を受け入れる企業側が、博士号を必要としていない企業体質だからです。

旧世代の終身雇用制度では、博士号取得者は単なる扱いにくく、年を取っただけの扱いの厄介な人材と扱われていました。

博士号取得者の30歳前後の年収の国際比較が以下のグラフです。


左が日本(学卒418万円、院卒524万円)に対して、右が米国(学卒545万円、院卒915万円)と日本が如何に高学歴が収入に繋がらないかがわかります。

番組では、博士号を取得してポストドクターとして大学機関で働いている30代の男性のインタビューを紹介していましたが、年収400万円でいつでも契約満了で仕事がなくなるかもしれない状況を嘆いていました。

以下は別の日の特集で紹介されていた、日本と米国のIT人材の年収の差のグラフです。

日米のIT人材の平均年収(4月10日)

ITにおける国際競争力の低下の原因は、こんなところにあるのではないでしょうか?

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以上、ワールドビジネスサテライトのグラフとチャートで振り返る令和元年でした。

日本の将来にとっては不安になるニュースばかりが目立ちましたが、重要なのは、自分にとって都合の悪い(知りたくない)現状に向き合うことと、それを踏まえてしっかりと将来に向けて対策を取ることです。

台風被害のボランティア活動のニュース(11月10日)では、いつも冷静沈着な大江アナが、珍しく放送中に声を詰まらせて涙ぐんだシーンがありました。

大江アナの涙(11月10日)

日本の台風被災地に、台湾からボランティアが駆けつけてきてくれて、その理由を「台湾は昔日本に助けてもらった、その恩返しに当然と思ってきた、日本は家族だ」というインタビューでした。

大江アナあなたは素晴らしい人だ!!

このシーンが、昨年のワールドビジネスサテライトの個人的なハイライトでした。

来年も引き続き日本には厳しい局面が続きますが。。。頑張ってまいりましょう!!

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