[第1回 やんばSKYRUN 参戦記] バーティカルランニング(ダム階段登りレース)に初挑戦


今日はやんばSKYRUNというバーティカルランニング大会に初参加しました。

やんばSKYRUNは、群馬県長野原町にある八ッ場ダム(やんばだむ)のダム階段(高さ79m、316段)を一気に駆け登るタイムトライアルレースです。


上級部門のダブルアタック(2本勝負)にエントリーしましたが、果たしてどのくらいのタイムで駆け上がれるのか?

1. スカイランニング(スカイラン)とバーティカルランニング

スカイランニング(もしくはスカイラン)というのは、標高2000m以上の高所山岳地帯を駆け上がって山頂のゴールを目指すスポーツです。

バーティカルランニングとは、超高層ビルやタワーなどの非常階段を駆け上ってタイムを競うスポーツ、つまり、スカイランニングの都市型種目という位置付けです。

階段垂直マラソンという名前で呼ばれることもあります。

以下はWikiからの引用。

スカイランニングの舞台は垂直方向に延びる高低差のある場所となる。ひとつは山間地における傾斜地であり、もうひとつは都市部における超高層ビル等の人工物である。

元来はアルプス山脈など標高2000mを超える高所山岳におけるチャレンジングなスピード登山から始まったが、競技スポーツとして一般化していく過程で低山の急傾斜地や超高層ビルなどの人工物も含むようになった。

山岳スポーツのひとつであるスカイランニングでは水平距離よりも垂直距離や標高差が重要な要素となる[1]。

国際スカイランニング連盟(ISF)は、スカイランニングを「山を駆け登ること。または標高2000m以上での山岳ランニング」であり傾斜30%を超える部分を含み、登攣難易度Ⅱ級 (※三点支持を要する)を超えない範囲と定義づけている[2]。

前進する補助としてストック、アイゼンや手を使うこともあり、レースによっては競技用手袋や他の装備が必携とされる場合もある。なお、標高2000m未満の低山においても、ISFルールを満たしている登山競技会である場合は、スカイランニング競技と位置づけられる。

国内では長野県や山梨県などの一部の地域を除き2000mの高所での競技会は実現が難しいため、ISFルールの累積標高差や傾斜を満たした登山競技会がスカイランニングの公式戦として位置づけられている。国際的な競技会においてもイギリスや香港など低標高の地域でも開催されている。

2019年現在、日本においても登山やランニング人口の増加によりスカイランニングの競技会や競技人口もある一定水準まで増えた。急傾斜地を駆け上がる「バーティカル」という用語・概念の普及と共に、ランニング形式の快速登山として「スカイランニング」という言葉を使用する登山者やランナーも一部にいるが、トレイルランニングと区別されて認知されていないのが現状である。

(引用おわり)

スカイランニングとトレイルランニングの違い

スカイランニングは「登る(下る)」という垂直方向への移動が基本要素となるのに対して、トレイルランニングは未舗装路を「走る」という水平方向への移動が基本要素となる点が、二つの競技の大きな違いですね。

欧米では、スカイランニングとトレイルランニングだけでなく、Vertical Kilometers®という競技もあるようですが、こちらのサイトによると、Vertical Kilometers®は、5km以内の走行距離で獲得標高1,000m以上を走るスカイランニングの一種という位置づけのようです。

多様なスカイランニング競技

日本スカイランニング協会のホームページを見ると、スカイランニング競技は、【山岳】SKYRUNNING、【雪上】SKYSNOW、【階段】STAIRCLMBING、の3つのカテゴリーに分かれています。


最高峰の頂へ、谷や海から、街や村から、どれだけ短い時間で登ることができるだろうか。登山者であればもつであろう、自然なロジックから生まれた快速登山が「スカイランニング」というスポーツです。

世界最古の記録会は1895年にイギリスのベン・ネビス山で始まりました。日本では1913年に静岡県御殿場市で開催された富士登山競走までさかのぼります。


(引用おわり)

山岳での駆け登りから派生した都市型のスポーツとして、超高層ビルやタワーの階段を駆け登るスポーツが、今回参加したバーティカルランニング(ステアクライミングとも呼ばれる)というわけです。

2. やんばSKYRUN

国内で開催される主要なバーティカルランニング大会は、東京タワー、あべのハルカス(大阪)、中部電力MIRAI TOWER(名古屋)などがあります。

いつかは挑戦してみたいと思っていたバーティカルランニング大会ですが、2023年10月に、八ッ場ダム(群馬・長野原町)でレース初開催というのを知って、今回エントリーしました。



八ッ場ダムを駆け上れ 高低差79mの点検用階段で特別レース

八ッ場ダム(群馬県長野原町)を駆け上れ――。316段の「点検用フーチング階段」を上る競技大会「第1回やんばスカイラン」(合同会社スカイランニングジャパン主催)が8日に開催される。招待選手を含む約190人が、特別開放されるダムの階段に集う。

 競技は、高層ビルやタワーなどの非常階段を駆け上るタイムを競う「ステアクライミング」で、ダム(高さ116m)の両側にある階段のうち向かって右側の階段(高低差79メートル)を使用する。年齢別の体験部門「シングルアタック」と、上級者が2本の合計タイムを競う「ダブルアタック」があり、国内サーキットに出場するエリート選手もゲスト参戦する。

競技に使われるフーチング階段

(引用おわり)

エントリーはいつものSportsEntryから。

ダムに登れ!
第1回 やんばSKYRUN-八ッ場ダム階段登りレース-

開催日: 2023年10月8日(日)開催
※雨天決行
申込期間: 2023年8月5日(土) ~2023年9月24日(日)
開催場所: 群馬県長野原町 八ッ場ダム(やんば資料館付近)

群馬県長野原町の新たなシンボルである八ッ場ダム(高さ116m)が舞台。参加者だけに特別開放されたダム階段(高さ79m、316段)を一気に駆け登るタイムトライアルレース。八ッ場ダムと真正面から勝負!!

公認大会 One Way 近くに温泉あり 観光名所あり 子供参加OK!

定員 200名(先着順)※定員になり次第、締切り

【部門(男女別)】

■シングルアタック(体験部門:1本勝負)
(1)小学生低学年 ※18歳以上の保護者の同伴が必須
(2)小学生中学年
(3)小学生高学年
(4)中学生
(5)10・20代 ※高校生以上
(6)30代
(7)40代
(8)50代
(9)60代以上
※小学生低学年の児童が階段を昇降する際は安全のため18歳以上の保護者の同伴が必須条件です

■ダブルアタック(上級部門:2本勝負=2本の合計タイム)
(10)総合女子
(11)総合男子
※中学生以上(スカイランニング群馬シリーズ第4戦)

【参加費】
■シングルアタック
(通常料金)4000円
(小中学生)2000円
■ダブルアタック
(通常料金)6000円
(中学生)3000円

バーティカルランニングは初参戦ですが、どうせやるならガチ勝負で!ということで、何の予備知識もないまま上級部門のダブルアタックにエントリー 笑


結局、バーティカルランニングについてちゃんと調べたのは、大会前日の夜でした。。。

YouTubeで「階段スポーツ・バーティカルランニングを徹底解剖!」(YAMAさん)というとてもわかりやすい解説動画を発見。


1段抜かし、2段抜かしもOK
手すりの使用もOK
抜かすときに声をかける

フムフム。。。とても参考になります!

階段の登り方のコツはこちらの動画が参考になりました(「階段王」の渡辺選手も出演)


東京タワーの非常階段を使って普段からトレーニングができると知ったのも既に時遅し 笑

しかも、脚の故障からトレーニング不足がたたって、体重は67kgとここ数年でもっとも増量してしまっています。

まあ何とかなるだろうと、いつものように楽観視して大会に臨むことにしました。

3. 大会当日

大会前日の土曜日、午前6時に都内を家用車で出発。

自宅から八ッ場ダムまでは、関越自動車道を経由して約150kmの距離です。


当日の現地受付は9:30から12:00までということで、時間に余裕があるので、途中の四万湖でSUPをやることに。

レース当日の朝にSUPをやっている選手なんて他にいないと思いますが、良いウォームアップになりました!

1時間ほどSUPを楽しんだあとに、八ッ場ダムに向けて出発。


会場に着いたのは11:30くらい


温井沢桜公園隣接の参加者駐車場に車を止めて会場に向かいます


徒歩で10分くらい歩きます、結構遠い


八ッ場大橋


レース会場の八ッ場ダムが見えてきた


やんば資料館



受付を完了


建物の裏手に出ると


八ッ場ダムが



ゴールゲート


選手や関係者に混じって普通の観光客も多い


ダムから下を見下ろすと


競技に使われるフーチング階段が



目が眩む。。。


吾妻峡が近くてなかなかの景観


エレベータでダムの下に



下からダムを見上げる



スタートのゲート


12時までの試走時間ギリギリに間に合いました


段差が普通の階段の1.5倍くらい高い


27cmのシューズとだいたい同じ


これを駆け上がるのか


体力温存でゆっくり登ります


下を見下ろす



手すりは使えそう


途中から石段になります



ほぼ登り切ったところ


最後の階段を登って


ラストスパートの場所


ゴールゲート


コース概要は良くわかりました


ゴール近くのキッチンカー



途中のコンビニで買った弁当を食します


12:30から開会式


しかし選手のみなさん贅肉をそぎ落としたスリムな体型の方ばかり。。。笑

そして、小学生や中学生、高校生といった若い選手がたくさん参加しているのにビックリ!

大会参加のエリート選手たち


世界ランキング第3位の「階段王」こと渡辺良治選手も参戦、そしてあのYouTuberのYAMAさんの姿も。

渡辺選手からは「速い人なら2分かからない短い時間」とのコメント、そんなに速いのか!

スタートの時間まで1時間あるので、資料館の2階から展望



スタート30分前、エレベータではなく下り専用階段で降りました






体力温存でゆっくりと降ります






再びダムを見上げる


なかなかの迫力だ~


これが下りてきた階段


赤い橋を渡って


スタート地点でスタンバイ


スタートは30秒ごとのウェーブスタートです

ダブルアタックはいかにもツヨツヨそうな選手がいっぱい


優勝候補の「階段王」渡辺選手がスタート


上の映像だとペースを抑えているように見えますが、実際は猛烈なハイペースです

4. 1本目

そして。。。いよいよ順番が回ってきた 笑

カウントダウン「5, 4, 3, 2, 1, スタート!」

手元のスマホのStravaの計測スタート


YouTubeのアドバイス通り、最初はペースを抑えて入ります


階段の手すりで、脚だけでなく腕の力も積極的に利用


階段と階段の間の通路は頑張って力走


スタートして1分で息が上がってきた

ムリせずにペースを抑えて歩きながら階段を一段一段とクリア

が、スタートから階段の段数を数えながら上るのを忘れていたため、どのくらい登ったのかがわからない。。。

途中にカメラマンの写真撮影スポット


余裕で走っているように見えますが。。。モザイク処理した顔は苦痛に歪んでいます 笑


終盤で、2つ後からスタートした選手に道を譲りました

その選手のハイペースに喰らい付きましたが、やがて千切られた

以下はスタートからの映像です(途中2分のところでなぜか切れてしまった)


階段を登り切って、ゴールゲートまでは全力疾走

そしてゴール!

スマホを取り出しストップを押して、手元のタイムでは。。。3分41秒でした

速いのか遅いのか全然わからない

それでも、途中でバテて大幅なペースダウンもなく余力を残してゴールできました!

以下はIntervalsの結果です


平均心拍数170、最大心拍数185

終わったときは、キツさよりも、想像していた以上に楽しかったという実感が 笑

余力を残してのゴールだったので、2本目ではタイム短縮を狙います!

5. 休憩

1本目と2本目の間は、2時間近くの休憩タイムがあります。

休憩の間に駐車場に戻って、自家用車で八ッ場大橋を渡って反対側に行ってみました。


橋を渡ると川原湯温泉の入り口です


展望広場に向かいます


やんばダム右岸展望台に到着


あがつま湖の反対側からダムを臨む



会場はダムの向こう側ですが、MCのアナウンスは良く聞こえてきました

会場のやんば資料館に戻って、資料館の見学


ダム建設計画(1949年)から運用開始(2019年)まで紆余曲折を経て70年もかかったいわくつきのダムなんですね。。。


そういえば、令和元年の台風19号のときに、やんばダムがたまたま実験貯水段階でほとんど空だったおかげで、大きな治水効果を発揮したのを思い出しました。
2本目の時間の30分前、エレベータでダムの下に降りました


スタートまで時間があったので、アガッタン駅の方向を散歩




アガッタンという、旧来の鉄道線路の上を電動チャリを連結した乗り物で進むアトラクションの始発駅でした


後ろを振り返るとダムが


吾妻渓らしい切り立った岸壁


そろそろ時間。。。会場に戻りました


しかしダムはデカい



1本目のタイムを上回るぞ~


アクションカメラは外して1mgでも軽く 笑


さすがに2時間休んだので1本目のダメージはそれほど残っていない

後ろの速い選手に聞いてみたところ、これだけ間隔が空けば2本目のほうが一般的には速いタイムになるだろうと。

今回は序盤からハイペースで突っ込んで、今回は階段を数えるのを忘れずに、250段(残り66段)くらいからスパートをかける作戦です


完全に付け焼き刃な作戦ですが、果たして上手く行くのか? 笑

6. 2本目

スタート直前なのにスマホで記念撮影


さて行くぞ~


(アクションカメラないので映像ありません)

スタートとともにダッシュ、最初の階段からかなりガチで駆け上りました

階段2つ目、3つ目。。。

そして、4つ目で早くも疲弊

階段の駆け上りって、日常生活でも体験することは多いですが、せいぜい駅のホームくらいの短い時間なんですよね

ダムの階段のように長い距離をガンガン駆け上がると、ほぼ確実に途中で息が上がってしまい同じペースで走れなくなります。

これは、筋肉に急激に乳酸が溜まるからです。

というのは、わかっちゃいるが。。。

で、まだ100段も登っていない序盤から早くも息が上がってしまいました

しかし、何としても1本目より速く登ると決めた覚悟を貫徹させるため、苦しみながらも脚を止めずに先を進みます

写真撮影ポイントを通過


手すりをフル活用して重い身体を引き上げる


モザイク処理の背後には、1本目よりもさらに苦痛に顔を歪めた悶絶の表情が 笑


いいねサインなんか出して余裕に見えますが、ほぼゾンビ状態


ところでレース中に階段の段数を数えるのはムリがありました

それでも、だいたい250段くらいのところから、計画通りペースアップを敢行

キツイ身体に鞭打つのは、日頃からZWIFTのTinyレースで慣れているぞ 笑

2つ後ろからスタートした速い選手が迫ってきました(ちなみにこの選手はダブルアタック部門で総合6位のツヨツヨ選手でした)

応援が「後ろから来てる!」「後ろから来てる!」と

最後の階段に突入する前に走るのを止めて、この選手が通過するまで踊り場で待機

ラストは余力を振り絞って駆け上り、ゴールゲートまで全力疾走

そしてゴール!

あまりの短時間高強度に、呼吸が苦しい。。。

ようやくスマホを取り出しストップを押したところ、手元のタイムでは。。。3分30秒でした

1本目の3分41秒より速いが、ストップを押したタイミングが違うので何ともわからない

完走証(完登証)をもらいました


以下はIntervalsの結果です


平均心拍数175、最大心拍数183(1本目は平均心拍数170、最大心拍数185)

キツかったが、完全に出し切った


こうしてダブルアタックを無事に完走、お疲れさまでした!


表彰式に少しだけ顔を出しました


速報、男子ダブルアタックの優勝者は2'10", 2'09"で合計4'19"というタイムでした。


帰りの関越自動車道はかなりの渋滞(花園IC地点で練馬まで120分の表示)


結局4時間30分かかって帰宅

7. リザルト

大会のホームページでリザルトが公開されました。

結果は。。。

1本目 3分42秒
2本目 3分22秒
合計 7分04秒

2本目のほうが20秒も速かった!

ダブルアタック部門では、30人中25位。。。またまたモニオそかった 涙


予想以上に悪い成績でガックシ

まあ、それでもダブルアタック部門の完走者30人のなかで最年長(57歳)で頑張ったし、2本目が1本目より20秒も速かったのは全参加者のなかでトップだったので、大波賞ゲットだ 笑

以上、やんばSKYRUN 参戦記でした。

レース自体はあっという間でしたが、バーティカルランニングは想像以上に楽しかったのと、短いながらも奥の深いレースを満喫することができました。

短時間高強度のレースは、個人的には意外に好みなのかも知れません(心臓には相当の負担ですが)。。。

バーティカルランニングで使う筋肉は、マラソンやロードバイクの筋肉とは違うようですが、大腿四頭筋をフルに酷使するとあっという間に枯渇するというのは同じでした。

いずれにせよ、練習ゼロでバーティカルランニングに挑んだのは、ちょっと無謀だったかもしれません。

このような素晴らしい大会を実現してくださった運営関係の皆さま、応援してくださった地元の皆さま、本当にありがとうございました。

今回のやんばSKYRUN参戦で、マラソン、トライアスロン、自転車レースほか持久系/耐久系スポーツ(勝手に決めた)全23種目中18種目に参戦したことになりました。


残るはあと5種目、来週は19種目目のサイクルロードレースに挑戦の予定です。

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