[超絶コスパの3万円台デスクトップパソコン] ThinkCentre M75q-1 Tinyの基本チューニング

久しぶりに超絶コスパのPCに巡り合いました。
LenovoのThinkCentre M75q-1 Tinyという超小型デスクトップパソコンです。


Lenovoの公式サイトのキャンペーン期間中に購入したのですが、価格.com限定 パフォーマンスモデルが税込47,740円→31,240円からの激安超特価でした。

到着してセットアップを済ませて、使ってみて改めてそのパフォーマンスや拡張性の高さに驚きました。

これはデジタルオーディオ再生向けには理想的なPCかもしれません。

価格.comの売れ筋ランキング1位の製品だけあって、製品レビューのサイトはたくさんあるので、基本セットアップ後のWindowsの環境構築について備忘録を記します。

1. ThinkCentre M75q-1について

ThinkCentre M75q-1の基本スペックは以下のとおりです(価格.comより引用)。


キャンペーンの激安情報は、「激安★超特価商店街」に掲載されていました。以下引用します。

省スペースのコンパクトボディながら、パワフルな性能を持った、高性能超小型デスクトップPC。パワフルなAMD Ryzen Pro プロセッサーとRadeon Vega 11グラフィックス、高速なDDR4メモリとPCIe NVMe/M.2 SSDを搭載し、さまざまなタスクを快適に処理できる。DisplayPort出力やHDMI出力、USB-Cポートと5つのUSBポートなどの多彩なインターフェースも搭載。マルウェアやフィッシングなどのサイバーセキュリティーに対処するAMD GuardMIテクノロジーを搭載。専用チップにより、サイバー脅威に対するハードウェアレベルのセキュリティを提供、機密データを保護することが可能。デスクスペースを有効に活用できる省スペース設計。わずか1リットルのコンパクトなボディで、壁や机の下、モニターの後ろなど、さまざまな場所に安全に設置できる。APUにAMD Ryzen 5 Pro 3400GEプロセッサー(3.30GHz)を搭載、メモリ 8GB、ストレージ 128GB SSDを搭載。GbLAN、DisplayPort出力、HDMI出力、USB-C×1、USB3.1×2、USB2.0×3、モノラルスピーカー内蔵。OSはWindows 10 Home 64bit。

カスタマイズで不要なオプションを削る(M.2 ストレージ・カードを128GBに、キーボードなし、マウスなし、バーティカルスタンドなし、ツールレスなし)必要があるけど、激安で超小型高性能デスクトップが手に入る。筐体はネジ一本で簡単に開けられるので、自分で好みに合わせてメモリやSSDを追加できるのがウレシイ。ただし後付けが厳しいワイヤレスLANとBluetoothは「インテル Wireless-AC 9260 + Bluetooth(+4,400円)」を設定することをおすすめしたい。今回は本体のパフォーマンスがアップする「135W ACアダプタ(+2,200円)」をBTOで選択可能。後からだとこれより安く買えることはないので、パフォーマンスにこだわる人は絶対付けておこう。

(引用おわり)

手のひらサイズながらパワフルな性能と静音性を兼ね備えたPCです。モニターやキーボードなどは付属から外して、ACアダプタは135Wを選択、HDMIポートも追加してBTOでオーダーしました。

注文内容

この組み合わせであっと驚く33,440円!(税込)でした。

ここまでコストパフォーマンスの高いPCって、なかなかありません。。。


製品そのもののレビュー記事はたくさん報告されています。どれも称賛レビューばかりですね。。。
「ThinkCentre M75q-1 Tiny」最安構成をレビュー。ここまでのコスパPCは見たことがない。
【実質3万円以下!?】2020年 コスパ最強のデスクトップパソコン1選!! Lenovo ThinkCentre M75q-1 Tiny
3万円台のPC「ThinkCentre M75q-1 Tiny」届いた!SSD換装と初期設定の仕方を解説!
ThinkCentre M75q-1 Tinyが届いた
ThinkCentre M75q-1 Tinyを増設しやすいようにカスタマイズして購入 & レビュー
私の場合は、ネット注文から10日後に自宅に到着しました。


2. Windows10のセットアップ

届いた製品の基本セットアップは、電源を入れて画面の指示に従えば特に問題はありません。

私がBTOした製品は、背面に2つのHDMI端子があるのですが、デフォルトのHDMI端子からの出力だとモニター表示されないという不思議な現象が起きましたが、オプションのHDMI端子からは問題なく接続できました。

(2020/12/08 追記)

標準のHDMI端子からモニター出力できない原因が、古いHDMIケーブルだったことがわかりました。新しいHDMI2.0のケーブルに交換したら、標準のHDMI端子からモニター出力できるようになりました。

(追記おわり)

そのHDMI出力が出ない状態でセットアップを進めたせいか、初期設定が英語版のWindowsとなってしまい、ひょっとして日本語版はもう選択できないのでは?と焦りましたが、今のWindowsは(以前と違って)マルチ言語対応しているので、どの言語にも切替が可能です。


設定で、言語を英語から日本語に変更したら、無事に日本語版に切り替わりました。

上の写真は無事に基本設定を終えた状態ですが、左上の小さなボックスがM75q-1本体です。

3. PCとしてのパフォーマンス評価

これまで5年前に購入したCore i5のNUCを使っていたのですが、グラフィック能力が問題で、4Kビデオなどはカクカク再生しかできず、HDでも2画面同時再生すると使い物にならなかったのが、すべてスムースに再生するようになりました。

また、Zwiftのバーチャルサイクリングも、起動時間が大幅に短縮しただけでなく、動作が極めて敏感になり、競争相手との間隔の変化がよりリアルに反映されるようになりました。

Rouvyのバーチャルサイクリングでのビデオ再生では、4K動画も全く問題なくスムースに再生でき、文句のつけようがありません。

重い処理でもファンの音は非常に静かです。通常の稼働であれば、筐体直近の騒音は30dB未満、実質的には無音と言ってよいと思います。発熱もほとんどありません。

騒音測定器の結果

驚いたのが、LAN接続しているインターネットのアクセススピードまでもが大幅に向上したことです。

Speedtestの結果

なんと、上り下りでこれまで400Mbps程度だったのが、その2倍の800Mbps以上も出るようになりました。

ネット回線のスピードがPCのスペックが変わるとこれほど改善するとは知りませんでした。。。

こんなハイパフォーマンスPCがたったの3万円チョイで購入できたとは、素晴らしいとしか言いようがありません。

4. オーディオPCとしての活用

ここまでハイコストパフォーマンスだと、リビング環境でのオーディオPCとしての活用を考えたくなりました。

96/24やDSDといったハイレゾ音源の処理であれば、十分すぎるほどのハイスぺックに加え、NASのライブラリ音源からのストリーム再生でも全く問題なし、ホームシアター利用の4K動画処理でさえOKです。

NUC(Next Unit of Computing)を凌ぎ、定番のMac Miniでさえここまでのハイコストパフォーマンスには叶いません。

NUC

最近のオーディオ再生専用のアプリは、foobarだけでなく、audirvanaのWindows版に加え、SonyのMusic Center for PCなど選択も多く、そのほとんどはWASAPIの排他制御対応しているので、かつてのASIOと同じクオリティで再生ができます。

いやはや。。。スゴイ時代になったものです。もはやWindowsやOSを徹底チューニングする必要さえなくなりました。

5. M75q-1の基本チューニング

Windows Updateで最新の状態に更新したうえで、細かい環境設定の留意点についてまとめました。

5. 1 ログオン時のパスワード/PINの省略

自宅で使うPCの場合、毎回ログオン時にパスワードやPINを入力するのは煩雑です。これを避けるためには、netplwizコマンドを使ってユーザーアカウントの設定画面で「ユーザーがこのコンピューターを使うには、ユーザー名とパスワードの入力が必要」のチェックボックスをオフにします。

5.2 スクリーンキャプチャの自動保存

この機能は非常に便利なので、必ず設定しておくのですが、デフォルトでは保存先がOneDriveになっています。

それでも良いのですが、OneDriveへの保存だと、なぜか、画面全体のスクリーンキャプチャしか保存できず、Ctrl + Alt + PrintScreenのアクティブウィンドウだけのキャプチャができません。

そこで、OneDriveではなく、Dropboxを使います。


Dropboxであれば、全画面もアクティブウィンドウだけも、どちらのスクリーンキャプチャも保存されます。また、処理速度もOneDriveよりもはるかに速いです。

Dropboxの留意点は、無料版では、同期できる端末はPCやスマホを含めて合計3台の制限があることです。

また、OneDriveよりも容量制限が厳しい(無料版では2GB)ので、大きなファイルの保存には向いていません。

私の環境では、最初OneDriveを設定して、その後にDropboxを設定したところ、全画面キャプチャはOneDriveに、アクティブウィンドウのキャプチャはDropboxにそれぞれ保存されるようになってしまい、片方のサービスでどちらも保存ができなくなってしまいました。

そこで、OneDriveのPC起動時の自動開始をオフに変更したところ、無事にDropboxに全画面もアクティブウィンドウもキャプチャが保存されるように治りました。

5.3 スタンバイと休止状態の時間設定

デフォルトの電源設定がパフォーマンス設定になっていると、スタンバイまでが5分で、休止状態が20分と、非常に使い勝手が悪いので、スタンバイも休止状態までも自動移行しないように設定するほうが良いです。


ディスプレイ技術の進歩で、以前と違ってスクリーンへの焼き込みもほとんど起こらないのですが、もし心配な場合は、スクリーンセーバーの設定をしておけば良いでしょう。

5.4 プロキシスクリプトの設定変更

デフォルトのブラウザーが何であれ、サイトへのアクセス時に「プロキシスクリプトをダウンロードしています」という状態でアクセスが非常に遅くなることが結構な頻度で発生します。

サイトへのアクセスのたびにじーっと我慢するのも耐えられないので、これは、プロキシスクリプトの設定を変更することで解消できます。

Windowsは、デフォルトが、プロキシを自動的に探しに行く設定になっているのが原因なので、この設定をオフにします。

具体的にはLANの設定で、「設定を自動的に検出する」のチェックボックスを外します。


職場での利用ではプロキシを経由することも多いと思いますが、家庭用ではプロキシは全く不要ですね。

5.5 ネットワークドライブ(NAS)への接続

同じネットワーク上にありながら、Windows10からNASにアクセスできないことがあります。

これは、NASの多くが(新製品も含む)、SMB3.1をサポートしていないことによります。

SMBは、古いバージョンの1.0が、セキュリティ上の問題があるということで、Windows10ではデフォルトでサポートしない設定になったのが原因です。

そこで、この設定(コントロールパネルのアプリケーション)を有効化すると、NASにアクセスすることができるようになります(変更後は再起動が必要)。


5.6 ネットワークドライブへの再起動後の自動接続

NASなどの外部記憶装置をネットワークドライブの割り当てをすると便利ですが、資格情報を記憶させているにも関わらず、PCの再起動後にパスワード入力を求められる場合があります。

これは、NAS側の設定を変更することでしか根本的な解決ができません。

NASの設定画面で、SMB設定などの、セキュリティレベルを下げます。これはNASごとにいろいろなパターンがあります。


拙宅のBuffalo Link Station LS210の場合は、ファイル共有の「共有フォルダ」設定で、ローカルユーザー向きのアクセス制限の設定を「無効」にして問題解決しました(外部からのセキュリティ上は問題ありません)。

5.7 USBポートの種類

M75q-1は、背面に3つ、前面に1つの合計4つのUSBポートがありますが、USB3.0をサポートしているのは、前面のポートと、背面のポートのうちHDMI端子の両隣のポートの2つ(下の写真の3と4)となります。

背面のインタフェース

LANの左隣の2つの端子はどちらもUSB 2.0となっています。

外部ハードディスクをつないで大量のデータ転送をするなど、USB3.0での接続をする場合は、該当するポートに接続しないと本来のパフォーマンスが出ないので注意が必要です。

5.8 Bluetoothアダプタの相性問題

私はコスト削減で内蔵Bluetoothではなく、USB接続のBluetoothアダプタを利用しているのですが、相性問題があるようで、必ずBluetoothデバイスが有効に動作しているかを確認する必要があります。

オーディオ機器は問題なくBluetooth接続できるのに、他のプロトコル接続をするデバイスは繋がらないという事象が発生しました(のちに自然解決)。

コントロールパネルの「デバイスとプリンター」でBluetoothのアイコンが確認できるので、問題の有無をチェックすることができます。


また、コントロールパネルの「ネットワークとインターネット」>「ネットワーク接続」でも、Bluetoothネットワーク接続のアイコンの状態が確認できますが、ここはBluetooth経由のインターネット接続のときに限って接続状態になるので、1:1の機器接続の場合にはこれが「接続されていません」でも問題はありません。


一部の古い製品では、BluetoothのドライバがWindows Updateで古いバージョンに書き換えられてしまって不具合を起こすケースがあるようなので、ドライバが正しく動作しているかは、デバイスマネージャでチェックするのが良いです。

6. M75q-1のパワーアップ

M75q-1のメモリとSSDを増量してパワーアップしました。

6.1 メモリ増量(8MB -> 16MB)

私が購入したカスタムモデルは8MBメモリだったので、Amazonで追加の8MBメモリ(PC4-21300 DDR4-2666 8GB×1枚 1.2V対応 260pin)を購入(2,767円)して増量しました。



効果は抜群で、Windows10の立ち上がりが速くなっただけでなく、グラフィック描写もスムースになりました。

メモリ増設の方法は、本体背面のプラスねじを1本外すだけでとても簡単です。


メモリは裏面なので、上面ケースを外したあとに、裏面のケースも外します。


メモリスロットは2つあるので、空いているスロットに増設しました。


下の写真のように接点側を差し込みます。


そのあとカチッと音がするまで押し込みます。


これで完成。とても簡単です。

6.2 SSD増量(128GB -> 128GB+512GB)

私が購入したSSDは2.5インチサイズSATA内蔵用の512GBです。

ひかりTVショッピングでセール品(実質2,703円)を購入しました。



価格.comでも売れ筋ランキング5位の商品です。


ThinkCentre M75q-1は、SATA以外でもM.2インターフェースにも対応しており、M.2のSSDのほうがパフォーマンスは良いのですが、コストではSATA接続の従来のもののほうが安いです。


SSDの増設の方法は、メモリ増設と同様、本体背面のプラスねじを1本外すだけでとても簡単です。


内部には、2.5インチ用のブラケット(マウンタ)とコネクターが標準で付いています。


ブラケットを外して、SSDを装着します。以前と違い、ネジは一切使わず、ネジ穴にブラケットの突起した部分をカチッと装着するワンタッチ方式でとてもラクです。


ボードに接続されているコネクターをSSDに差し込みます。


その状態で、ブラケットを元に戻せば完成、ドライバーもネジも一切不要です。


あとは、Windowsであれば、管理画面からドライブを指定(Dなど)して、SSDのフォーマット(NTFS)を行えば、使えるようになります。


以上、ThinkCentre M75q-1 Tinyのレビューでした。

正直なところ、セール中にもう1台買っておけば良かったと思うほどです。

今回の激安は期間限定で既に終了していますが、レノボジャパンではこのような破格のセールをたびたび行うので、今後も要チェックです。

(2020年9月5日追記)

レノボが再び週末特化でセールをやっています。9月7日(月)朝6時までの週末特価で再び税込49,720円→32,120円からの激安超特価です(送料無料)。


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