【 30歳を過ぎても新しい音楽は楽しめる!?】2019年Billboard洋楽R&B/ヒップホップの衝撃

「人は33歳までに音楽的嗜好が固まり、新しい音楽への出会いを止める傾向がある」

これは、4年前に発表されたSpotifyのリスナーデータをベースにした調査結果です(最近の調査によると、30歳と6カ月とさらに早まっています)。

かくいう私も、50を超えて、かつての音楽に対する熱意も醒め、最近は昔のお気に入りアルバムを聴き返すだけで、最新の音楽に対する興味も熱意もすっかり失せてしまいました。

ところが、ひょんなことで、Spotifyの全米トップ50のプレイリストを毎日繰り返す聴くようになったら、やがて新しい音楽にもハマってしまいました!

新しい音楽を楽しめるのは30歳まで、なんていうのは気持ち次第だということが良く分かりました。


1.NAS音楽ライブラリの消滅

私は自宅のNASサーバーにすべての音楽ライブラリをアーカイブしており、いつでもどこでもどのデバイスからでも(ハイレゾだろうが圧縮ファイルだろうが)好きな音楽が聴けるようにしています。

しかし、音楽を追求する意欲も最近は停滞気味、新しい音楽を聴こうとしても、どうしても馴染めず、昔のお気に入りばかりを繰り返す聴く毎日。。。

そんなある日。

数ヶ月前のことですが、自宅のNASサーバーが突然アクセス不安定になり、そこに保存されていた音楽ライブラリが事実上すべて聴けなくなる事態が発生しました。

音楽ライブラリの大半は、オリジナルの音源(CD/DVD/SACDなど)があるので、再度ライブラリ構築しようと思えばできるのですが、大変な手間と時間がかかります。

そこで、発想をガラッと切り替えて、これは古い音楽との決別の良い機会だろうと、NASサーバーの音楽ライブラリはもう捨てて、更に、iPhoneに入っているお気に入りのライブラリも全て消去してしまいました。

そして、Spotifyの全米トップ50のプレイリストだけを聴く日々が始まりました。。。

2.音楽シーン激変の衝撃

全米トップ50を聴くなんて、一体何十年振りか。。。たぶん90年代前半以来なので、25年振りくらいの事です。

全米トップ50(Spotifyのプレイリスト)

当然、知っている曲もアーティストもほぼ皆無です。

Spotifyの全米トップ50をダウンロードして聴いてみると。。。かつての80年代~90年代の全米トップ50とは似ても似つかない程の音楽シーンの変貌ぶりに唖然としてしまいました。

トップ50のプレイリストを最初聴いたとき、ヒップホップの曲ばかりで、これはプレイリストのオーナーが自分の個人的お気に入りのヒップホップを集めたものだろうと勘違するほどでした。

さらに、かつては全盛だったメロディアスなバラードや歌唱力を売りにしていたシンガーの正統派ポップスはほぼ全滅、代わりに、怪しげにボソボソとつぶやく女性シンガーや、XXX言葉を連発する過激な曲などが取って代わられていました。

例外的にアリアナ・グランデのティーン向けシングルやテイラー・スウィフトの曲がチラホラといった感じでしょうか。。。

しかし、何よりも衝撃的だったのは、ギターソロやドラムのテクニックをフィーチャーしたハードロックやヘヴィメタルといったジャンルがほぼ完全に消滅しており、楽器演奏という概念自体が衰退し、シンセサイザと打ち込みの合成音が主流となっていることでした。

一世を風靡したグランジロックも消滅。R&Bもほぼ消滅。

ベビーフェイスやオールフォーワンに代表されるブラック・コンテンポラリーという耳に心地良いハーモニーサウンドも完全に壊滅。

そして、現在は、まさにボーカルとビート音のみで構成されるヒップホップ全盛の時代。

ヒップホップなんて、80年代はMCハマーやRunDMCが単発でヒットを飛ばす程度、90年代初期でもDr. DREやNaughty by Nature、ラスベガスで銃撃されて死亡したトゥパックくらいしか記憶にありません。

 それが、今やグラミー賞ノミネートにもヒップホップのアーティストがずらり!と勢揃いする時代です。

。。。とまあ、50代のオヤジの感性には限界があるわけでして、それでも、ヒップホップに関しては、これまでの頭の中にガチガチに埋め込まれている「音楽というヤツはかくかくしかじかで。。。」というのを完全に壊さないと、今の音楽シーンは全く受け容れることができないほど、時代の変化は凄まじいものがあります。

個人的には、音楽というは、その時代の風潮や感性を反映する大衆芸術だと思うので、時代が変わればスタイルも変わるのは当然です。

音楽を楽しむというのは、その時代の変化と、そこに居合わせた自分自身の心境や感性を反映するものだと思うので、ヒップホップミュージックが全盛ということは、彼らの音楽性が最も時代を象徴していることだと思います。

なので、そこにはもはや華麗なギターソロも鳴きのギターも、派手なドラムソロも、超絶技巧のベースも存在しないのです。

極論を言うと、ギターやピアノといった楽器がもはやメジャーな音楽表現の手段ではなくなり、ボーカルと打ち込みサウンドだけが生き残ったのが現在のヒップホップだと思います。

さらに考えを詰めると、若い世代にとっては、かつてのハードロックやヘヴィメタルに象徴される反逆精神が、40~50代の我々の世代の大人になって、すっかり丸くなってしまい、おまけに、現在の混沌とした格差社会、テロが横行する暴力社会を生み出した元凶にしか見えていないのかもしれません。

そんな文化が若い世代に支持されるわけがないので、必然的にハードロックやヘヴィメタルは衰退したというのは考え過ぎでしょうか。。。

健全な恋愛や友情を唄うには、あまりに現代社会は堕落しており、不信や格差が拡がる社会を反映するという意味では、ヒップホップの強烈なエネルギー放射のほうが、ナチュラルだとも思います。

3.2019年前半の洋楽R&B/ヒップホップ10選

以下は個人的に独断で選んだ2019年前半の洋楽R&B/ヒップホップの傑作10選です。

3.1 Kodak Black - ZEZE (feat. Travis Scott & Offset)

コダック・ブラックがオフセットらとコラボした曲。。。といってもナンノコッチャですね。私は当然彼らのことは何も知らないのですが、この曲はビブラフォン(?)の印象的なコードに下劣なラップが重なる記憶に残る曲です。

コダック・ブラックを検索して調べると、数限りない犯罪歴を持つが、才能に溢れた若手アーティストのようです。

私がSpotifyでヒップホップを聴くようになって、一番最初に気に入ってヘビーローテーションになった曲です。

Kodak Black - ZEZE (feat. Travis Scott & Offset)

ビルボードでは最高2位までランクアップした曲のようです。歌詞の一部はこんな感じです。。。

[Chorus: Travis Scott]
ジュエリーが輝く、大西洋を旋回
ファントムで夜を楽しむ遊び人
女どもは騒ぐな
島(ハワイ)へ行って、自宅は浸水
車のルーフを取り外して広々さ
クーペは運転中に立つことだって出来るんだぜ
俺はおっぱいとケツが好きなんだ
この二つを手に入れるってどう思う?
今は自由、だから外へ出て楽しむのさ
お前は俺を捕まえられるか?

[Refrain: Kodak Black]
ダッジ・デイモンを停車
俺はまだ詐欺師に見えるだろ?
ロッドマンと共にプライベート・ジェットでぶっ飛ばす
これがハイチ・シットさ
ダッジ・デイモンを停車
俺はまだ詐欺師に見えるだろ?
ロッドマンと共にプライベート・ジェットでぶっ飛ばす
これがハイチ・シットさ

。。。もう十分卑猥で下劣ですよね。。。

3.2 Meek Mill - Going Bad feat. Drake

ドレイクというアーティストは、Wikiを見ると、「デビューアルバムから8作連続全米1位を記録するなど、名実ともに北米の音楽シーンを代表するアーティストの一人で、「アメリカ史上、最も売れているソロ男性アーティスト」のトップ」だそうです。

こんな超メジャーなアーティストですが、私は当然この曲を聴くようになるまでは彼のことを全く知りませんでした。

ピアノの音色が謎めいた雰囲気を醸し出す印象的な曲です。

PVもかなり金がかかっているようです。

Meek Mill - Going Bad feat. Drake

歌詞はしっかり韻を踏んでいます。以下和訳です。。。

[Verse 1: Drake]
Back home, smokin’ legal (Legal)
家に帰って、合法で吸うんだ (合法だぜ)
(ドレイクの地元カナダ・トロントでは、2018年1o月からマリファナの所持・使用が合法化されています)

I got more slaps than The Beatles (Beatles)
The Beatlesよりもヒットを飛ばしたんだぜ
(2018年の10月、ドレイクの楽曲がビルボートのトップチャート100に12曲ランクインし、ビートルズの1964年の記録を更新しています。再生記録も歴史的な数字です)

Foreign shit runnin’ on diesel, dawg
ディーゼルエンジンで駆動する外車に乗ってんだ、なぁ

Playin’ with my name, that shit is lethal, dawg (Who you say you was?)
俺の名前を使って遊ぶんじゃねえよ、そんなことしたら危ないのはわかるだろ (で、お前なんて名前だっけ?)

ドレイクの楽曲がビートルズの記録を破っていたとは驚きですが、それをシャアシャアと曲の中で自慢するところが今風ですね。

音楽業界の不況で、ビートルズの記録なんて金輪際破られることなんかないというのは全くの見当違いでした。。。

3.3 Billie Eilish - bury a friend

この女性ボーカリストの陰鬱さ、救いようのない暗さは格別です。ほとんど囁いているようにしか聞こえない弱弱しいハスキーボイスに、歌詞の内容は絶望的で救いようがありません。

曲の題名が「友人を葬り去る」で、歌詞では、I wanna end me (死にたい)と何度も囁きます。

80年代、90年代にここまで陰鬱な女性アーティストがいたでしょうか??

印象としては、スザンヌ・ヴェガを思いっきり暗くしたようなイメージ、しかし、このビリー・アイリッシュという歌手には強烈に惹きつけられるものがあります。

Billie Eilish - bury a friend

この曲は彼女のデビュー作からですが、デビューアルバム「When We All Fall Asleep, Where Do We Go?」は、全世界でセンセーショナルな大ヒット、米国・英国を含むヨーロッパ各国チャートでNo.1を獲得しています。

bury a friend以外にも、bad guyというシングルが現在はヒットしていますが、ビリー・アイリッシュの曲の独創性はズバ抜けていると思います。

Billie Eilish - bad guy

こんな曲風のアーティストはそうそういるものではありません。

3.4 Post Malone - "Wow." 

ポスト・マローンは、Wikiによると「ポスト・マローンの音楽は「カントリー、グランジ、ヒップホップ、そしてR&Bのるつぼ」と表現されて」いるそうです。

さらにWikiを読むと。。。

ポスト・マローンの「Rockstar」はビルボード・ミュージック・アワード2018でトップラップソングに選出された。『Stoney』は、2018年8月11日付の米ビルボード・トップ・R&B/ヒップホップ・アルバム・チャートで9位になり、計77週TOP10にチャートインしたことで、マイケル・ジャクソンの『スリラー』が1983から1984年にかけて達成した76週の歴代最多週数記録を更新した。

とあります。

あのマイケル・ジャクソンの記録まで塗り替えていたのですね。。。天国のマイケルジャクソンもさぞかしビックリしていることでしょう。

私は、ポスト・マローンという名前だけは知っていましたが、曲を聴くのは初めてでした。

この"Wow"は日本でも結構ヒットしていたのか、街でも良くかかっていました。

Post Malone - "Wow."

ジャンルはヒップホップで間違いないのですが、典型的なヒップホップとは異なり、様々なジャンルの境界にいるような、不思議な魅力のアーティストです。

3.5 Post Malone, Swae Lee - Sunflower (Spider-Man: Into the Spider-Verse)

ポスト・マローンの曲は他にもチャート・インしているものがあり、なかでも映画「スパイダーマン:スパイダーバース」で使われたスウェイ・リーとコラボしたSunflowerは、親しみやすいメロディの名曲です。

Post Malone, Swae Lee - Sunflower (Spider-Man: Into the Spider-Verse)

ポスト・マローンの歌声はさすがに貫禄十分で、このSunflowerはBillboard年間ヒットベスト10に入るのではないでしょうか。

3.6 Julia Michaels, Trippie Redd - Jump

ジュリア・マイケルズ。。。日本ではほとんど無名に近いのでは思います。彼女のアルバムはAmazonでさえほとんど扱っていない程です(この曲も扱っていない)。

米国での人気がどの程度がも不明ですが、この曲は個人的にはベストオブベストと言っても良いほど気に入っています。

PVやフォトを見る限り、色気を全面に押し出しているようですが、その妖艶なボーカルの表現力は虜になるほど強烈です。

とにかくこの曲は是非聴いてみてください!

Julia Michaels, Trippie Redd - Jump

歌詞の内容は、たわいもない恋愛関係を切実に歌ったものですが、この表現力には恐れ入りました。

Jumpというと、Van Halenの名曲や、Pointer Sistersの名曲を連想しますが、この曲では愛する男性の懐に飛び込みたいという切ない想いを歌っています。

しかし彼女は一体何者なのか。。。

この曲もデュエットで、トリッピー・レッドという現在の若手ヒップホップ・シーンを代表するラッパーとの競演なのですが、とにかく今のヒットチャートにはデュエット曲オンパレード状態です。。。まあ曲が良ければ問題ないのですが。

3.7 Cardi B & Bruno Mars - Please Me

この曲も、ブルーノ・マーズとカーディ・Bのデュエットです。

ブルーノ・マーズ。。。ようやく私でも知っているアーティストの登場です。と言っても、数年前のNFLスーパーボウルのハーフタイムショーに出演したから知っているだけですが。

そして、カーディ・Bという女性のラッパー。。。彼女はドミニカ共和国出身の元ストリッパーなのですが、女性ラッパーとしては、ローリン・ヒル以来約19年ぶりにビルボードで首位を獲得という快挙を成し遂げた超大物アーティストです。

カーディ・Bの下品さは、私は決して好きではないのですが、彼女のソロの作品を聴いてみると、抗し難い不思議な魅力があります。。。

しかしこのPlease Meというこの曲。。。とにかく超ストレートにエロを歌ったそれだけの低俗極まりない曲です。PV観ても、これティーンエイジャーが観て良いのかと心配するくらい剥き出しの性欲バリバリの内容です。

しかしこの曲も全米で大ヒット。

聴けば聴くほど、麻薬のようにハマってしまうこの曲の魔力は一体何なんでしょうか。。??

Cardi B & Bruno Mars - Please Me

3.8 Lady Gaga, Bradley Cooper - Shallow

前のPlease Meとはガラッと180度変わって、こちらは超正統派の50代の私でもスンナリと受け容れられる名曲です。

映画「アリー/スター誕生」のテーマ曲ですが、この映画はホント素晴らしかったです!!

個人的には、同時期に公開されていた、あの「ボヘミアン・ラプソディー」より遥かに感動しました(と、余計なことを言うとまた炎上するか。。)

正統派の曲と書きましたが、ここ数ヶ月のビルボードのトップ50の曲のなかで、ほぼ唯一、80年代に青春を過ごした世代として、安心して聴ける曲でもあります。

Lady Gaga, Bradley Cooper - Shallow

それにしても、レディー・ガガというアーティストは本当にスゴイ人だと思います。映画を観て演技力と歌唱力に圧倒されましたが、グラミー賞受賞式でも、「これまで死ぬほど努力してきた甲斐がありました!皆さん本当に有難う!」と、この人は才能だけでなく人並外れて努力家でもあるのだなと感銘を受けました。

曲の作りやコード進行はあまりにオーソドックスで、若い世代には古臭いと感じられるかもしれませんが、(控えめですが)鳴きのギターも聴けるし、何と言ってもレディー・ガガの心の叫びが感動を誘う名曲です。

あと、これは全くの余談ですが、映画のなかで、レディー・ガガ演じるアリーが着ていたTシャツが、プログレバンドのYESのトーマト・ツアーのものであることを私は見逃しませんでした!


ひょっとしてレディー・ガガはYESの熱烈なファンなのでしょうか!?

3.9 21 Savage - a lot ft. J. Cole

21 Savageというラッパーの履歴も強烈です。
  • 幼少期 学校に銃を持ち込み、スクールメイトに発砲しかけた。それがきっかけで21は学校を追放され、少年刑務所に収監された。
  • ナイフのフェイスタトゥーは銃殺された自分の兄弟への追悼。
  • 21SavageのMCネームの由来。21がちょうど21歳の誕生日にギャングバングで銃弾を6発浴び、1発は喉を貫きかけ、21は命を落としかけた。1年かけて傷を癒した21Savageはラッパーになって成り上がることを決意する。21は21歳の誕生日に死にかけた記念。
当然歌詞も過激で、

How much money you got? (A lot)
How many problems you got? (A lot)
How many people done doubted you? (A lot)
Left you out to rot? (A lot)
How many pray that you flop? (A lot)
How many lawyers you got? (A lot)
How many times you got shot? (A lot)
How many niggas you shot? (A lot)
How many times did you ride? (A lot)
How many niggas done died? (A lot)

といった具合で、これが淡々と流れるバックコーラスに乗って繰り返されます。

21 Savage - a lot ft. J. Cole

こちらもJ.Coleというアーティストとのコラボです。しかしどこもかしこもコラボやデュエットばっかり。。。

3.10 Eminem - Homicide [ft. Logic] 

傑作10選のラストは、ヒップホップの極致、あのエミネムの最新曲です。

例によってWikiより引用します。

「エミネムは全世界で2億2000万以上のアルバム&シングルを販売した、「世界史上最も売れたアーティスト」にてラッパー史上世界で最も売れている人物。グラミー賞15回受賞(44回ノミネート)」彼は9枚のアルバムをビルボード 200 で連続してナンバーワンでデビューさせた、唯一のアーティストでもある。

白人でありながら、ラッパー史上最も成功したアーティストであるエミネム。活動時期も長いので、私は彼のアルバムは何枚か聴いたことがありました。

弾丸の如く超早口でまくしたてるこのラップ曲に、音楽性は無いと言っても過言ではありません。

Eminem - Homicide [ft. Logic] 

メロディはひたすら同じパターンを繰り返し、楽器という存在は一切なし。あるのはただひたすら(何を言っているのか意味は全くわからないが)攻撃的なメッセージのみ。

音楽というより、言葉の戯れといったほうが正しいとも思えます。

しかし、これこそが、まぎれもなく現代を反映した音楽であるのは間違いありません。

この曲に参加しているLogicという混血ラッパーも強烈なキャリアの持ち主です。ルックスは完全に白人、コカイン中毒の父親と売人の兄という環境で育ち、人種差別者の母親からはニガーと罵られたそうです。

とにかく米国のヒップホップアーティストは生い立ちが強烈過ぎです。。。


以上、個人的に独断で選んだ2019年前半の洋楽R&B/ヒップホップの傑作10選でした。

ノリの良い曲が中心ですが、現代社会を反映してか、単純なロックンロールや正統派バラードなどは皆無です。

NASの故障がなければ、こんな曲やアーティストと出会うこともなかったと思うと、壊れてむしろ良かったと思えるほどです。

最後に付け加えて、このシングル曲を聴いて、それが収録されているアルバムを聴いてみたのですが、気に入ったものはほとんどありませんでした。

唯一ともいえる例外が、3.2で紹介したMeek Millの4枚目のアルバム『Championships』です。

Meek Millのアルバム『Championships』

このアルバムに収録されている「On Me」というテンションの高い曲は、Please Meでブルーノ・マーズとデュエットしていたカーディ・BとMeek Millのデュエット曲です。

On Me

ここでもカーディ・Bが存在感を示しています。

カーディ・B。。。個人的には苦手なアーティストと思っているのですが、彼女のパワフルでかつ刺激的な歌声はなぜか耳から離れません。。。

さらに、このアルバムには3.1で紹介したKodak Blackとのデュオ曲「Tic Tac Toe」も収録されていて、これがまたサイレンのような音が鳴りっ放しの張り詰めた雰囲気でカッコイイ曲なのです!


Tic Tac Toe

この曲の和訳サイトがありました。

tic-tac-toeは日本語でいう〇✕ゲーム(3×3のマスに○×を書いて縦横斜めのいずれかを一列取れば勝ちという遊び)のことです。

上記和訳サイトから引用させてもらいます。

[Verse 1: Meek Mill]
I did a Saks Fifth run (Yeah)
俺はサックスフィフスアベニューで顔が広い男さ *

*Saks Fifthは言わずと知れたNY5番街、高級な店が立ち並ぶエリアです。

I did a bad bitch run, uh
バッドビッチは俺のいいなりだ

I just bought a new AP (AP)
ちょうど新しいオーデマピゲを手に入れたところ

'Bout to get the bad bitch one (Yeah)
そしてこれからバッド・ビッチを調達するところさ

Nigga like the new Jay-Z (Woo)
俺は新世代のJay Zだぜ

Pockets on fat, Big Pun (Big bag)
ポケットは金でパンパンに太ってる、まるでBig Punさ *

*言わずと知れたレジェンド、Big Punですが多分太っていたので、
パンパンのポケットの比喩として使っています。

I be goin' too crazy (Crazy)
このままだと俺はイカレすぎちまう

Hit a famous ho, which one? Yeah
有名なオンナとヤるんだ、どの女にしようか

Ain't no stopping me
俺を止めるものなんてないぜ

Talk on the 'net, don't apply to me
インターネット上でぺちゃくちゃ言ってろ。俺には関係ないこと。

I can't be with these rap niggas
俺はあのラップしてるやつらとはツルめないな

I know my dawgs gon' slide for me
俺の仲間たちは俺の為に集まってくれる

All that talk, that's cap, nigga
あいつらの言ってることなんて、全部嘘っぱちだよ

Y'all be soundin' like cops to me
お前らはまるで警察みたいに聴こえるんだよ

Layin' on the jet with a MAC, nigga
MACをもってプライベートジェットで寝転んでる *

*apple社のMAC?自信ないです。。
Bust down, ain't no robbin' me
高級時計やネックレスをを身に着けてる。俺からは奪えやしないぜ

I don’t want my old bitch back (I don't wanna her)
俺は昔の女とよりを戻したいなんて思わない(あの女はもういらない)*

*これはNicki Minajのことでしょう、恐らく。
Shit, damn, but I still wanna fuck, uh (Yeah)
クソッタレ、でも今でもファックはしたいぜ

I be overload with the drip (Drip)
ドリップしすぎてオーバーロードしそうだ *

*Dripはメチャクチャかっこいいってことです。アツすぎて燃えてドリップ(汗が滴るような感じ)してしまうと。
Shit might spill in my cup, uh
(ドリップしすぎて)コップから溢れちまうぜ

I can't fuck with these niggas (Fuck 'em)
あいつらとは仲良くできねえよ

But I still send 'em my love (Yeah)
それでも未だに俺はあいつらにラブを送るんだ

I ain't gotta trap no more (No)
もう罠にハマったりはしないんだ

I'ma just give 'em my plug (Yeah)
俺はあいつらにマリファナを配るだけ ←自信なし無し。

New bitch ass too fat (Ass too fat)
俺の新しいビッチのケツはデカいぜ(メチャクチャでかい)

Put a price tag on that (Price tag)
そのケツに値札をつけてやる

No, I'm not cuffin' these thots (No)
いや、俺はそんなヤリマンとは付き合わねぇ

You ain't gotta ask me that (No)
俺にそういうことを質問するんじゃない

I be tryna run up this guap (Run it up)
俺はこの大金をガンガン増やそうとしてるんだ

Nigga, you can have 'em back (Yeah)
おい、金を取り戻そう、やれるぜ!

Two big boy Rolls Royces (What?)
2人の大物がロールスロイスに乗ってる *

*Meek MillとKodak Blackのこと?自信なし

And we goin' back to back, huh
そして俺たちが次から次へと立て続けに行くぜ *

なんとも過激で品のない歌詞のオンパレード。

これが現在のありのままのアメリカの音楽シーンなのですね。

しかし、デュエットが本当に多い。。。

もはやコンセプトアルバムという時代ではないと思いますが、Spotify/YouTubeに象徴されるように、時代はアルバムという作品を求めていないということを痛感しました。

Meek Millのこのアルバム『Championships』は、ビルボードのNo.1になっていますが、Amazonのレビューを見てビックリ!なんとレビューが52ついているのですが、すべて英語で日本語のレビューはゼロ。。。日本では全く人気がないのですね。。。日本語Wikiでもこの4枚目アルバムの記述がされていないほどです。


 さらに驚くべきことに、HMVではこのCDは扱いさえありません。。。

というか、今の日本人の若い人たちで米国のBillboardのチャートを追いかけているような人があまりに少ないのかもしれませんね。。。

米国音楽シーンの豹変ぶりには唖然としましたが、音楽とは生き物のようなものであり、博物館に飾る絵画のような芸術作品ではありません。

昔好きだった音楽を久し振りに聴き返すと、当時の想い出が鮮烈に蘇る経験をした人は多いと思いますが、音楽とは元来そういうものだと思います。

ビートルズ、マイケルジャクソン、マドンナ、イーグルス。。。これらのビッグネームはもはや過去の遺産であり、ナマモノである音楽は、現在も続々と登場し続けて、ビッグネームの不朽と思われた記録を塗り替えてゆくのでしょう。

まあ、ノスタルジーに浸っても無意味なので、今後もしばらくは過去のお気に入り楽曲は封印し、新しい曲を貪欲に消費していこうと思います。

誰かが言ってましたが、「音楽は常に私たちの生活の一部であり、人生におけるサウンドトラックとなっている」のですから。

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