今日は友人の出るコンサートに出かけたのですが、皆さんの素晴らしい演奏にすっかり感化されてしまい、ピアノ熱が再燃して帰ってきました。
プログラムのなかに、2台のピアノによるショパンピアノ協奏曲第2番ヘ短調(Op.21)第1楽章があったのですが、ピアノ協奏曲がオーケストラなしでも弾けるのは本当に素晴らしいと思いました。
また、このピアノ協奏曲第2番は、私がショパンと出会った初期の頃の、格別の思いがある作品でもあります。
そんなわけで、以下にショパンのピアノ曲ベスト10を(独断で)選んでみました。
- ピアノ協奏曲第2番 Op.21
- ピアノ・ソナタ第3番 Op.58
- バラード第1番 Op.23
- 練習曲作品10-3「別れの曲」Op.10-3
- 練習曲作品25-11「木枯らし」Op.25-11
- 練習曲作品10-12「革命」Op.10-12
- アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ Op.22
- 英雄ポロネーズ Op.53
- 幻想即興曲 Op.66
- 夜想曲第2番 Op.9-2
1. ピアノ協奏曲第2番 Op.21
おそらくこの曲を最初に聴いたのは、小学生高学年の頃に祖母の家にあったディヌ・リパッティのレコードだったと思います。
ディヌ・リパッティ
録音は古いですが、ショパンの作品の抒情性を引き出した名演だったと、感受性の高い青年期の私には大きな衝撃でした。
以来、このピアノ協奏曲第2番が、私の心の中のショパンのデフォルトとなりました。
。。。と、ここでいつものように、リパッティ演奏のピアノ協奏曲第2番のYouTubeリンクを貼ろうとしたところ、なんと、第1番はいくらでもあるのに、肝心の第2番が見つからない
では仕方ないのでAmazonのCDリンクを。。。と探したところ、こちらもまさかの第1番のみで、第2番が見つからない
あれほどの名演がなぜこの世から消えてしまっているのか??
あまりに謎なのでChatGPTに訊いてみました
Q:ディヌ・リパッティはショパンのピアノ協奏曲第2番を録音していますか
A:ルーマニアのピアニスト、ディヌ・リパッティは、ショパンの作品の多くを録音していることで有名ですが、ショパンのピアノ協奏曲第2番については、公式な録音が存在していません。
彼の代表的な録音には、ショパンのワルツ集やバラード、ノクターン、前奏曲などが含まれていますが、ショパンのピアノ協奏曲第2番(ヘ短調
Op.
21)の録音は残されていないのが現状です。リパッティの演奏スタイルや解釈は非常に高く評価されていますが、彼の早すぎる死もあって、録音されていない作品が多くあります。
な、なんと。。。
祖母の家で聴いたというのは、ワタシの完全な記憶違いだったのか。。。??
そうなるとルービンシュタインあたりだったのでしょうか。。。
仕方ないので、セカンドベストのアシュケナージの名演奏のリンクを貼っておきます(セカンド・ベストと言っても名演中の名演であることに変わりありません)
Chopin: Piano Concerto No. 2 in F minor, Op. 21 - 1. Maestoso ·
Vladimir Ashkenazy · London Symphony Orchestra · David Zinman
作品の完成度としては、第2番は第1番に劣る(というか、そもそもショパンのオーケストレーションはあまり高い評価を受けていない)というのが通説ですが、個人的には第1番より圧倒的にこの第2番(特に第1楽章)の初々しい旋律が気に入っています。
今日のコンサートで聴いた、2台のピアノによるショパンピアノ協奏曲第2番という楽譜があるのであれば、いつかぜひ私も演奏にチャレンジしたいと思いました。
2. ピアノ・ソナタ第3番 Op.58
ピアノ・ソナタ第3番は、ショパンの膨大なピアノ曲のなかでも、間違いなく最高難易度の曲の一つです。
そんな難曲を自分で弾いてみようなんて夢にも思っていなかったのですが、数年前に、映画「羊と鋼の森」のなかで、主人公の高校生(上白石萌音)が弾いていたのを観たのがトリガーになってしまいました。
バッハコンクールで弾いた「6声のレチェルカーレ」と同じパターンですが、今回も再び天の声が「弾きなさい」と。。。
で、分不相応にも自己流で練習したところ、何とか第4楽章の75小節まで辿り着きました。
下の演奏は、YouTubeにアップした私の演奏です(2021年4月25日 更新)。
ショパン ピアノ・ソナタ第3番 ロ短調 第4楽章(1-75小節)
(注:ヒドイ演奏です)
耳直しの意味も含めて、個人的にベストと思うアシュケナージの演奏を以下に貼りつけておきます
ショパン ピアノ・ソナタ第3番 ロ短調 第4楽章
(演奏:ウラディーミル・アシュケナージ)
3. バラード第1番 Op.23
バラード第1番は、今から30年以上前(ニューヨーク在住時代)に夢中になった作品です。
当時、電子ピアノを購入して猛練習したところ、最後まで弾けるようになりました。
ショパン バラード 第1番 Op.23
(注:ヒドイ演奏です)
終盤の盛り上がるところ(右手が大変)がこの作品のハイライトで、ベートーヴェンの「熱情」にも通じるドラマチックなところが魅力です。
この作品もベストはアシュケナージの演奏です
ショパン バラード 第1番 Op.23
アシュケナージは身長170cmにも満たない小柄な体格で、指も長くないのにこの技巧的に難曲をいとも簡単にスラスラ弾いてしまうのはホントにスゴイです。
4. 練習曲作品10-3「別れの曲」Op.10-3
通っていた小学校の下校の時間に流れていた名曲中の名曲。
自分で弾いてみようと思ったのは、ニューヨーク在住を終えて日本に帰国した時期でした。
ショパン 練習曲作品10-3「別れの曲」
(注:ヒドイ演奏です)
テンポは緩めなので技巧的にはさほど。。。と思っていざ弾いてみると、後半はメチャクチャ難しいんですよね。。。
ショパンの24の練習曲のなかで、唯一弾くことができるようになった曲でもあります。
こちらもアシュケナージの演奏でどうぞ
ショパン 練習曲作品10-3「別れの曲」
5. 練習曲作品25-11「木枯らし」Op.25-11
映画『戦場のピアニスト』で効果的に使われていた曲です。
自分で弾いてみようと何度も試みましたが、あまりの技巧的な難しさに挫折しました。。。
こちらもアシュケナージの演奏でどうぞ
ショパン 練習曲作品25-11「木枯らし」
6. 練習曲作品10-12「革命」Op.10-12
こちらも非常に有名で、数々のドラマでも使われていました(古い記憶では、堀ちえみの「スチュワーデス物語」で、片平なぎさが義手の手袋を口で脱ぐときに流れていました)。
この曲も自分で弾いてみようと何度も試みましたが、あまりの技巧的な難しさに挫折しました。。。
こちらもアシュケナージの演奏でどうぞ
ショパン 練習曲作品10-12「革命」
7. アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ Op.22
恐れ多くも、高校生1年生のときのピアノ発表会で弾いた曲でした。
この曲を長時間練習したせいで肘が腱鞘炎になってしまったことを覚えています。それほど腕力で強引に弾いていた証拠なのですが。。。
ショパン アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ
(注:ヒドイ演奏です)
前半部のピアノソロと、後半部はオーケストラの伴奏がつく場合もあるのですが、高校生の当時は、「いつかオーケストラ伴奏で弾いてみたいもんだ」などと偉そうに夢想していました
笑
作品としてはやや煌びやか過ぎてショパンの抒情性には欠けるのですが、個人的には思い出深い曲です。
こちらはツィメルマンの演奏でどうぞ
ショパン アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ
8. 英雄ポロネーズ Op.53
ショパンの作品のなかで、「弾けたらカッコイイ」曲ナンバーワンです。
勿論、私は弾けません(途中までで挫折したファイルが発見されたので貼りつけておきます)笑
ショパン 英雄ポロネーズ
(注:超ヒドイ演奏です)
英雄ポロネーズは弾けませんが、軍隊ポロネーズは弾けるようになりました。
ショパン 軍隊ポロネーズ
(注:ヒドイ演奏です)
こちらはホロヴィッツの演奏(84歳!ミスタッチも堂々)でどうぞ
ショパン 英雄ポロネーズ
こちらは同じホロヴィッツの56歳のときの演奏(超絶技巧すぎ)
ショパン 英雄ポロネーズ
9. 幻想即興曲 Op.66
ショパンの作品のなかで、「弾けたらカッコイイ」曲ナンバーツーです。
私はニューヨーク在住時代、バラード1番と合わせて何とか弾けるようになりました。
ショパン 幻想即興曲
(注:ヒドイ演奏です)
昔、ネスカフェのCMで中村紘子の演奏で使われていました。
凄すぎる! TV出演 全盛期の中村紘子『幻想即興曲』 ピアノ解析
10. 夜想曲第2番 Op.9-2
ベスト10の最後ですが、もっともショパンらしい曲のひとつ
個人的な思い出で恐縮ですが、この曲は、新宿の京王線乗り場近くにあった書店でよく流れていて、その書店ではSF小説の『デューン/砂の惑星』をよく立ち読みしていたんで、記憶に残っているんです。
こちらもアシュケナージの演奏でどうぞ
夜想曲第2番 Op.9-2
以上、ショパンのピアノ曲ベスト10でした。
こうして振り返ってみると、10曲中5曲は何とか自分で弾けるようになったのは(全てボロボロの演奏ではあるものの)我ながら良くやったのでは。。。と思います。
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