【ブログ初心者のための】Googleアナリティクスの使い方① - 直帰率と平均ページ滞在時間

Googleアナリティクスを導入して3か月が経過しました。


Googleアナリティクス(以下アナリティクス)は様々なデータ分析ができる半面、高機能過ぎて初心者にはとっつきにくい面もあります。

市販のアナリティクス解説書を読んでも、ツールを活用したアフィリエイト広告収益を伸ばす方法については懇切丁寧に書かれているのですが、そもそもアナリティクスの役割そのものがピンと来ません。


アナリティクスだけ理解しても、後述するサーチコンソールや、タグマネージャ、アドセンス広告などとの関連も併せて理解しないと意味がありません。

そこで、個人ブロガーとしてGoogleアナリティクスを活用する上で重要なポイントを、アナリティクス素人の私が【下から目線で】整理してみました。

Google アナリティクス(Page 1)

Google アナリティクス(Page 2)


0.なぜアナリティクスが必要なのか


私はアナリティクスを導入する前は、ブログ(GoogleのBlogger)の「統計」メニューをよくチェックしていました。

Bloggerの「統計」メニュー

統計メニューからは、ページビュー(PV)の遷移や、アクセスの多いページのランキング、トラフィックソースなどの主要な指標は得られます。

しかし、ユーザーがどのような検索キーワードで訪問してきたのか、どのようなページ遷移で離脱したのか、具体的にページにどの程度時間を費やしてくれたのかなど、詳しい指標を得るためにはアナリティクスを導入しなければなりません。

アナリティクスで得られる、訪問ユーザーの詳細なプロファイルや、具体的な行動を分析することが、個人ブログの品質アップ、ひいてはアクセス数の増加に繋がるのです。

1.重要な指標


1.1 ページ/セッション


訪問者が何ページを閲覧しているかの平均値です。ここでいうページとは、ブログの記事1個(特定のURL)に相当します。画面をスクロールして見ても同じURLであれば1ページとなります。

ページ/セッションは回遊率を表すので、多いほうが訪問者がブログサイト内のいろいろなページを訪問している良い状況です。

PVを増やすために、ブログの更新を頻繁に行って記事を増やすのは大変ですが、ページ/セッションを増やす工夫をすると、記事数を増やすことなく効率的にPVを増やすことができます。

1.2 直帰率


直帰率とは、ユーザーがサイトを訪れたとき、最初にたどり着いたページだけを見てそのサイトを去ってしまった割合のことです。「あなたのサイトの直帰率、平均より高い?低い?」の記事に詳しく紹介されています。

直帰率=そのページからの離脱数÷そのページから始まったセッション数×100

という計算方法で導き出されます。


離脱というのは、以下のいずれかが発生した場合を指します。

a. ブラウザの「戻る」で前の ページ(サイト外)に戻ること
b. サイト内に貼られた別サイトのリンクを踏んで別の ページに行くこと
c. ブラウザを閉じること
d. あるぺージで何もしないまま30分間経過すること
e. セッション中に午前0時を迎えること

直帰率の計算では、「そのページで始まったセッション」だけが計算の対象になる点がポイントです。

直帰率というのは

「せっかくサイトに訪問したにもかかわらず他のぺージを見ることなく離脱した セッションの割合」

と考えることができます。

直帰率が高い原因としては、以下が考えられます。

a. リンク内容とリンク先のファーストビュー(一番最初に見える内容)との整合性が低く、ユーザーが求めるコンテンツと相違している
b. 「誤字、脱字、意味不明な内容の文章」や、「冗長なテキスト文章で装飾が無いメリハリに欠ける文章」などの見ずらくわかりづらい

一方、そのページ内容に満足したあとに、広告経由で離脱するケースもあるので、一概に直帰率が高い=ページが悪いとも言えません。

「直帰率」は[ユーザー]>[サマリー]レポートで確認できます。下の例(3/12~3/25)では、、直帰率は82.45%です。

直帰率(82.45%)

商用ブログの直帰率の平均は、おおよそ50%程度のようです。
(出典:Brafton 2017 Context Marketing Benchmark Report)

個人ブログの場合は、直帰率50%以下程度であれば上出来のようです。

1.3 平均ページ滞在時間


平均ページ滞在時間というのは、ユーザーがウェブサイトを見ている時間の平均なのですが、離脱ページに関してはセッション時間は計測されない点は注意が必要です。具体的には、いくつかのページを見たあとに最後のページに10分滞在して、そこから離脱した場合、最後のページに要した10分は計測されません。


平均ページ滞在時間が0秒というページがありますが、これは、ユーザーが閲覧0秒で離脱したわけではなく、訪問ユーザーの全員が直帰したページは、実際の滞在時間に関わらず平均滞在時間が0秒になってしまうからです。

平均ページ滞在時間を改善する策は、「知ってた?サイトの「滞在時間」がいかに重要か」に詳しく紹介されています。

「平均ページ滞在時間」は[行動]>[サイトコンテンツ]>[すべてのページ]レポートで確認できます。下の例(3/12~3/25)では、平均ページ滞在時間は3分59秒です。

平均ページ滞在時間(3分59秒)

「滞在時間の短い記事をリライトする」のはセッション時間の改善に繋がり、「 記事内で内部リンクをうまく使う」や「記事下に関連記事を表示させる」のは直帰率(後述)の改善に繋がります。

個人ブログの場合は、直帰率よりも、平均ページ滞在時間を改善したほうが効果が高いと言われているので、過去に自分が投稿した記事へのリンク(ブログカード)を挿入したり、ブログの末尾に関連記事のリンクを掲載したりするのが効果的です。

人がブログ記事を読む速度はどの程度でしょうか?

「読書測定システム」という計測サイトで測ってみたところ、私の場合は、854文字/分でした。

読書速度計測結果

「ブログ記事2000文字が最適って本当?長くても最後まで読んでもらえるコツをまとめました」のサイトによると、

「小説などの文芸作品の場合、日本人の平均読了文字数は400~600文字/分と言われていますが、本を読み慣れている人であれば1000文字以上/分、難関大学に合格するような方であれば1500文字以上/分だそうです」

だそうです。

また、一般的なブログ記事の長さは2,000文字が望ましい「ブログでは「直帰率」を気にする必要はない【滞在時間を見るべき話】」による)から、

2,000文字のブログ記事を最後まで読み通してもらえると、ページ滞在時間は2分~3分ということになります。これより、

平均ページ滞在時間の目標値は、2,000文字で2分~3分です。


1.4 平均セッション時間



「平均ページ滞在時間」に似た指標に、「平均セッション時間」があります。

「まだGAの「滞在時間」を信用してるの?」のサイトによると、Googleアナリティクスの平均ページ滞在時間は正確性が低いということです。

「平均セッション時間」が「平均ページ滞在時間」と異なる点は、「平均ページ滞在時間」は、実際の滞在時間が計測できない最後のページ訪問は「なかった」ことになるのに対して、「平均セッション時間」では、「0秒」も集計に組み込まれます。

結果として、「平均セッション時間」のほうが、「平均ページ滞在時間」よりも短くなります。

平均セッション時間 < 平均ページ滞在時間

繰り返しになりますが、最後に訪問したページの滞在時間はGoogleアナリティクスが測定できないので注意が必要です。

「平均セッション時間」は[ユーザー]>[サマリー]レポートで確認できます。下の例(3/12~3/25)では、平均セッション時間は1分31秒です。

平均セッション時間(1分31秒)

平均セッション時間は、平均ページ滞在時間と相違点がありますが、どちらか一方の指標を軸に考えれば良いと思います。

1.5 離脱率


「直帰率」と似たものに「離脱率」があります。これは、そのページが開かれた回数のうち、どのくらいの割合で「離脱」されたかを表すものです。

離脱率=そのページの離脱数÷そのページのPV数×100

という計算になります。

「離脱率」は[行動]>[サイトコンテンツ]>[すべてのページ]レポートで確認できます。下の例(3/12~3/25)では、離脱率は72.75%です。

離脱率(72.75%)

離脱率の計算では、ユーザーがそのサイト内で何番目にそのページを訪れたかにかかわらず、そのページを最後に離脱した割合を導き出します。

ページ全体の離脱率は、あまり意味がありません、というのも、ユーザーはいずれどこかのページで必ず離脱するからです。

重要なのは、離脱してほしくないページ(例えば、その次のページでコンバージョンする場合など)で離脱率が高い場合は、改善の必要があります。

以下のような問題は、直帰率と離脱率のどちらも高くなる傾向があります。

a. サイト内の他ページへのリンク(内部リンク)が少ない、もしくは無く、ユーザーが続けて読み進める関連コンテンツへの動線が無い
b. 求める内容がコンテンツに記載されており、ユーザーがその1ページで問題解決でき満足した

また、アフィリエイト目的のブログの場合は、広告クリックに誘導するのが目的なので、直帰率や離脱率が高くても問題はありません。

一般的には、離脱率が高いからといって、すぐに何か改善しなければならないということにはならず、離脱率よりも直帰率を重視してサイトの改善を図るほうが効果的なようです。

2.アナリティクスレポート


以下では、Googleアナリティクスレポートの画面で確認すべき主要な指標について紹介します。

2.1 ホーム


アナリティクスレポートのデフォルトの「ホーム」で表示される、「ユーザー」「セッション」「直帰率」「セッション継続時間」の4つの指標で、ブログの全体の俯瞰ができます。

アナリティクスのホーム

ホームでチェックすべき指標は、直帰率と、セッション継続時間です。

Googleアナリティクスの基本として、必ず理解しておくべきことが2つあります。

1つ目は、アナリティクスの項目は、「ユーザー」「集客」「行動」の3つが軸に構成されているということです。

2つ目は、アナリティクスのデータは「ディメンション」「指標」の2種類があるということ、そしてその概念が、アナリティクスというデータ分析の根幹となっているということです。

詳しくは、「分析をはじめる前に把握するGoogle アナリティクスの3原則」を参照ください。

この2つは非常に重要なのですが、実際に使ってみないとピンと来ないと思います。

2.2 ユーザーサマリー


「ユーザー」>「概要」で表示される「ユーザーサマリー」では、上記の4指標に加え、「新規ユーザー」「ユーザーあたりのセッション数」「ページビュー数」「ページ/セッション」の4指標の計8指標が表示されます(「平均セッション時間」は、ホーム画面の「セッション継続時間」と同じ)。

ユーザーサマリー

ユーザーサマリーでチェックすべき指標は、ページビュー(PV)と、ページ/セッションです。いずれも(絶対値ではなく)目標値に対してどの程度改善しているかをチェックします。

2.3 集客サマリー


「集客」>「概要」で表示される「集客サマリー」では、ユーザーがどのチャネル経由でウェブを訪問したか分析できます。

集客サマリー

集客サマリーには、以下のカテゴリーごとの集客チャネルが表示されます。
  • Organic Search=YahooやGoogleなどの自然検索からのセッション
  • Direct=ブックマークなどの直接のセッション
  • Referral=個人ブログなどの他サイトからのセッション
  • Social=TwitterやFacebookからのセッション
有料広告やメールなど集客の設定によっては以下のカテゴリーも追加されます。
  • Email=メールマガジンからのセッション
  • Paid Search=検索連動型広告からのセッション
  • Display=YDNやAdWordsのディスプレイ広告からのセッション
検索連動型広告とディスプレイ広告を合わせて一般的にはリスティング広告と呼ばれています。個人ブログでリスティング広告を利用していない場合は、この2つは表示されません。

TwitterやFacebookなどのSocialからのセッションについては、Google検索エンジンの評価には一切影響しないことは要注意です。

集客サマリーではチャネルの情報のほかに、コンバージョンが確認できます。コンバージョンは、デフォルトでは何も設定されておらず、何か特定の目標(広告のクリック、申込み完了など)を設定した場合に表示されます。

2.4 行動サマリー


「行動」>「概要」で表示される「行動サマリー」では、ページごとのPVなど詳細な情報が分析できます。

行動サマリー

右下の「レポート全体を見る」を選択すると、ページ一覧ごとの詳細なリスト表示に切り替わります。表示する行数のデフォルトは10行なので、25や50などに増やすことにより、対象ページを増やすことができます。

行動サマリーの「レポート全体」(ページURL)

ただし、デフォルト表示だとページ表記がURLで、具体的に何の記事であるかわかりずらいです。プライマリディメンションを「ページ」から「ページタイトル」に変更すると、記事のタイトル名ごとの表示に変更され、ぐっと見やすくなります。

行動サマリーの「レポート全体」(ページタイトル)

指標の項目名をクリックすることで、その指標値の昇順/降順でソートができるので、例えば「平均ページ滞在時間が短い」項目名をクリックして、再びクリックすると、「平均ページ滞在時間が短い=改善の必要があるページ」順に並べ直すことができます。

この「レポート全体」の表はページ毎の重要な指標が網羅されているので非常に有用です。

行動サマリーの「レポート全体」(ページタイトル)は、「行動」>「サイトコンテンツ」>「すべてのページ」でも同じものが表示されます。

行動サマリー(すべてのページ)では、ページごとの重要指標が比較分析できます。PVのランキングだけでなく、平均ページ滞在時間や、直帰率のランキングなどもわかるので、改善余地のあるページを抽出することができます。

3.「モニオの部屋」の分析


以下は本ブログ「モニオの部屋」のアナリティクスデータです。

2019年3月12日~25日のページ/セッションは1.37と、平均的な値です。

平均ページ滞在時間は3分59秒と、こちらはなかなか高いです。これは記事の文字数が全体的に多い(平均で5000文字程度)ためと思われます。

集客チャネルは、Organic Searchが83.6%と大半を占めています。なかでもGoogleからの検索がYahooの3倍以上あります。

検索トラフィックの上昇(アナリティクス)

検索トラフィックの上昇(サーチコンソール)

上のグラフからわかるように、2月22日ごろから検索パフォーマンス(表示数、クリック数とも)が急激に増加しています。増加要因のほとんどはOrganic Search (Google)なので、何らかの原因でGoogle検索の評価が上がったものと想定されます。

検索パフォーマンスの低下については、ネットでも多くの事例や情報があるのですが、上昇(改善)の原因についてはあまり情報がありません。

直帰率は82.45%とかなり高いです。ただし、平均ページ滞在時間が長いのと、集客チャネルがオーガニックが82.4%と高いので、多くのユーザーは検索キーワードで引っ掛かった目的の記事を読み終わり次第、直帰しているものと推測できます。

離脱率は72.75%です。ビューの平均の離脱率はあまり意味がないので、個別のページの離脱率をフィルタ機能を利用して調べてみます。以下では、ページビューが50以上というフィルタで、離脱率の高い順にソートした結果です。

ページごとの離脱率

結果を見ると、「ディーガに録画した番組を。。」のページは、315PVとアクセスが一番多いにも関わらず、離脱率が89.84%と非常に高いことがわかります。

「ディーガに録画した番組を。。」のページは、


一方、「Kodi 18.0。。。」のページは、85PVに対して、離脱率が68.24%と低い(望ましい)数字です。これは、関連ページ(人気投稿ベスト5の「KODI。。」のページをクリックしているユーザーが44クリック



また、「トラフィックの25.11%が参照チャネルから来ています」とのメッセージがホーム画面にインサイト情報として表示されます。


チャネルレポート

チャネルレポートのReferalの詳細を確認すると、トラフィックの参照元のリストが出てきます。

トラフィックの参照元のリスト

Philewebのコミュニティ(オーディオマニアのコミュニティサイト)と価格.comの書き込みからのアクセスが大半を占めており、平均セッション時間も長いことがわかります。

行動サマリーを分析すると、最新記事よりも、2015年や2017年の比較的古い記事が良く訪問されています。

当ブログ「モニオの部屋」は、平均ページ滞在時間を4分前後を維持しつつ、直帰率を下げるために、関連記事への導線を改善することが目標となります。


4.まとめ



Googleアナリティクスを使うことによって、これまでのように漠然とブログを書いて投稿することから、一歩踏み込んで、訪問するユーザーの求めているものは何か、読みやすい記事はどうあるべきかなど、問題意識を持つようになりました。

Googleアナリティクスの世界は非常に奥深いので、まだまだ足りない部分も多いかと思いますが、アナリティクスの指標を漠然と見るのではなく、はっきりとした目標を設定して追跡することで、ブログの品質を向上させることが大切です。

また、アクセスの多い記事に特化して、ブログカードの挿入や、ブログの末尾に関連記事のリンクを掲載するのも効果的です。

ブログカードの挿入やブログの末尾に関連記事のリンクを掲載する方法は、以下の記事を参照ください。

ブログが累計50万PVに到達、これまでのサイト構築の経緯を振り返りました
アナリティクスの重要指標のなかでも、「直帰率」と「平均ページ滞在時間」の組み合わせは、ページの良し悪しを判断するための最も重要な指標です。

a. 直帰率が低い & 滞在時間が長い → 非常に良いページ
b. 直帰率が高い & 滞在時間が長い → 普通(検索結果に沿った内容を提供)
c. 直帰率が低い & 滞在時間が短い → 普通(ブログ内の誘導に成功している)
d. 直帰率が高い & 滞在時間が短い → 改善を要するページ

当ブログ「モニオの部屋」は、上記のbです。

【ブログ初心者向け】Googleアナリティクスの使い方。。。以下のとおり順次連載記事にしています。

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