DVムービーを動画編集してブルーレイディスクを作成

前回のブログでDVテープのバックアップについて書きました。

miniDVビデオを撮影日時ごとにファイル分割してDV-AVIで保存する

今回は、そのバックアップしたものから、編集作業をしてブルーレイに書き出すまでを紹介します。


10年前の当時、DVテープの内容をパソコンを使って編集作業をするというのは敷居が高く、またその方法もよく知りませんでした。

当時は、パソコンではなく、HDDレコーダーにビデオカメラを接続してビデオを転送していたのです。そしてHDDレコーダーで簡単な編集作業をしたものを、DVDに出力して、DVDディスクを作成していました。

HDDレコーダーにビデオカメラを接続

その後、技術が進歩して、DVDディスクからブルーレイディスクになり、解像度もフルハイビジョン(1920x1080)になりました。

BluRayレコーダーにビデオカメラを接続してビデオを転送することもできるのですが、メニュータイトルの作成や細かい編集作業のことを考えると、マウスやキーボードを使えるパソコンでやったほうが遥かに便利です。

今回は、バックアップした10年前の素材を使ってパソコンでビデオ編集をやり直して、ブルーレイディスクを作ってみることにします。昔の懐かしいホームビデオをリマスタリングしてより高解像度なものにして甦らせようというねらいです。

パオコンソフトは、ビデオの取り込み作業に使ったのと同じSonyのPlayMemoriesを試してみました。

PlayMemoriesのビデオの編集/変換画面

AVIはビデオの結合には非対応

シーンのカットは問題なくできるのですが、残念ながらAVIファイルの結合には非対応ということで、PlayMemoriesは諦めて市販ソフトのVideoStudio X8を使うことにしました。

VideoStudio X8の編集画面

「取り込み」から「編集」タブに切り替えて、取り込みで作成されたメディアファイル(約1時間、13GB)をタイムラインに挿入します。

後述するように、VideoStudio X8は原因不明なエラーでソフトが停止してしまったり、とにかく不安定なソフトなのですが、使い方のコツをつかんでしまえば実用面では問題はありません。

1. ビデオの複数カット

タイムライン上で右クリックして、「ビデオの複数カット」を選択します。するとビデオ編集の別ウィンドウが開き、細かいカット作業ができるようになります。カットしたいシーンの頭にマークイン、最後にマークアウトを指定します。複数カットができるので、必要に応じて同じ操作を繰り返します。

ビデオの複数カット

カットするシーンはフレーム単位で微調整ができます。フレーム単位のボタンを押し続けると、再生スピードが可変にできるのでとても便利です。

こうしてカットするシーンを決めたら、OKボタンを押していったん元の画面に戻り、「完了」タブを押します。すると出力画面に切り替わりますので、ここではファイル出力(一番上のアイコン)を選び、AVIの4:3もしくは16:9を選択します。

古いビデオカメラで撮ったものであれば、4:3を選択、ワイドモード機能を使った比較的新しいビデオカメラで撮った者であれば、16:9を選択します。

こうすることによって、オリジナルのテープからバックアップしたファイルから一切の画質劣化なしにシーンの切り出しができます。

必要に応じてこの操作を繰り返します。ビデオの複数カットを使って一気に1時間のテープの編集をひとつのファイルにまとめることもできますが、後々のことを考えると、1シーン1ファイルで分けると便利です。

ここで注意が必要なのは、異なるビデオフォーマットの混在をできる限り避けることです。スペック的には混在していても問題ないはずなのですが、経験上、スマホで撮ったMP4が入っていると最終の出力の段階で何時間もエンコード処理の末エラーとなる場合が多いです。

また、HDVファイル(mpeg2)の場合は、書き出しのデフォルトがmpeg2であっても、なぜか720x480に固定されてしまうので、MPEGオプティマイザーを使って必ずmpeg2のプロファイルを1440x1080にしてやることが必要です。これをうっかり忘れてしまうと、全部やり直しになってしまいます。

「Corel Video Studioは動作を停止しました」もしくは「変換ステップで問題が発生しました」と出てしまいます。

「Corel Video Studioは動作を停止しました」

変換ステップで問題が発生しました」

MP4のファイルはできるだけH.264に変換して他のファイルと揃えてからプロジェクトに追加するのが無難です。

こうしていくつかのシーンごとのファイルが出来上がったら、いよいよディスク作成の作業に入ります。

念のためVideoStudioを再起動させて、「設定」-「プロジェクトのプロパティ」で16:9のプロパティになっているか確認します(ここで4:3になっていると、画像は16:9でもレターボックス仕様の縮小版になってしまいます)。

次に、あらかじめ複数カットなどで作成しておいたビデオ素材をまとめてタイムラインに挿入します(まとめてドラッグアンドドロップできます)。しばらく時間がかかります。

次に、「完了」タブを押して、出力画面に切り替えます。今度は出力先をファイルではなく、ディスクにします。「プロジェクトをディスクに保存」と表示されるので、Blu-rayを選択します。

するとディスク作成のウィンドウが開きます。

ちなみにSP3のパッチを充てていると、このディスク作成のウィンドウが開くところで突然動作を停止してしまいます。要注意です。

2. チャプターポイントの追加

まず始めに、チャプターポイントを追加します。これをしないとディスク再生時に、リモコンの左右スキップボタンが使えなくなってしまいます。

チャプターは自動検出を選べば、勝手にチャプターを振ってくれます。

チャプターポイントの追加

1シーン1ファイルでカット編集してあれば、チャプターポイントの数はファイルの総数と同じになると思います。

3. トランジションの追加

チャプターを追加したら、次にトランジションを指定します。トランジションとは、あるシーンから次のシーンへ移るときの効果のことです。VideoStudioには100を超えるトランジション効果が準備されていて正直多すぎるほどですが、通常はCrossFadeという自然に遷移するトランジションを使えば無難だと思います。

いったん編集画面に戻り、トランジションを選択したら「ビデオトラックに現在の効果を適用」のボタンを押すと、タイムライン上のすべてのチャプターポイントの直前にトランジション効果が挿入されます。

4. メニューの作成

トランジション効果を挿入したら、再びメニュー作成画面を表示します。メニューなしでビデオ画面だけ再生するディスクでよければこの手順は不要ですが、せっかくのブルーレイディスクなので、最低限のメインメニューだけでも作っておきましょう。

メニュー作成にチェックマークをつけて「次へ」を押すと、メニュー画面を選択することができます。気に入った画面がなければ、編集を押すと、自分のオリジナルメニューが作れます。

テンプレートはVideoStudioの通常のインストールでは3種類しかないのですが、コンテンツパックという別のディスクを予めインストールしておくと種類が増えます。

テンプレートの選択

私がオススメするのは以下の設定です。

BGM 「なし」
モーションメニュー 10秒
背景画 Background/HD Basic/BG11_1920.jpg
移動パス メニューイン/メニューアウト「すべて無効」

テンプレートを選択して、フォントやオブジェクトなどのカスタマイズを行うこともできるのですが、DELやBSなどのキーは使えず独特の編集方法なので初めは戸惑うかもしれません。コツとしては、変更をかけたい部分にカーソルを合わせて右クリックするといくつか選択肢が出てくるので、それを使うとうまくいくことが多いと思います。

たとえばテンプレートにある不要なオブジェクトを削除したい場合には、選択してDELキーを押しても削除できませんというメッセージが出てしまいますので、右クリックで「オブジェクトの透明度を指定」を選び、透明度を99に変更すると、削除することができます。

ここらへんは非常に使い辛いのですが、バージョンを重ねても一向に改善する兆しもないので諦めてコツをつかみましょう。

メニューの編集

さらにカスタマイズボタンを押すと、フレーム、ナビゲーションボタン、レイアウトが選べます。

メニューのカスタマイズ

レイアウトはフレームが8つのものを選択すると、メインメニューで8つのチャプターの動画サムネイルが同時に見れるというなかなか見栄えの良いものにすることができます。

ここでもちょっと注意点。サムネイルに番号をつけると、本来であれば1から8まで連番でつくはずなのですが、1,2,2,2,2,2,2,2とついてしまうことがあります。バグだと思われますが、回避するためには、メニューのカスタマイズに戻り、いったんフレームの数を2に減らしてOKを押して、もう一度フレームの数を8に増やすと1から8まで連番でつくようになります。

メニュー画面の一例

5. ディスクへの書き込み

こうして完成したプロジェクトファイルを、最後にブルーレイディスクに書き込みます。直接ディスクに書き込んでも良いのですが、VideoStudioではISOファイルのみの出力もサポートしていますので、ISOで出力することにします(ISOファイルからブルーレイディスクへの書き出しは後から可能です)。

ここでの注意点は、ブルーレイディスクのコーデックを何を選ぶかということです。ブルーレイではMPEG2とH.264というコーデックがサポートされています(正確にはもうひとつVC-1というコーデックもサポートされていますが現在ほとんど使われていません)。

コーデックの選択

MPEG2よりH.264のほうが遥かに圧縮率が高い(サイズが小さくできる)のですが、よりオリジナルに忠実な画質を求めるならば、MPEG2のほうが優れているという議論もありますが、素人がわかるレベルでは全く同じと言って良いでしょう(事実、ハリウッド映画のブルーレイはほぼ100%H.264が使われています)。

VideoStudioではブルーレイは4つのプロファイルが選択できますが、H.264 1920x1080を選べば無難だと思います。

書き込み最終画面

ここで注意するのは、プロジェクトの作業用ディスクスペースというのが結構必要だということです。上の例だと100GB近くのディスクスペースが要求されます。

あとは画面右下の書き込みボタンを押せば、プロジェクトの書き込みが始まります。動作環境によりますが、25GBのファイルサイズであれば8時間くらいはかかると思います。

H.264はMPEG2と比較して圧縮率が高いのですが、より高度な処理を行うため時間はもっとかかると思います。

ISOファイルをimgburnなどのライティングソフトでブルーレイディスクに書き込めば、出来上がりです。

10年前にHDDレコーダーを使って作成したDVDディスクと比較すると、画質の鮮度は一目瞭然!さすがはブルーレイディスクです。

6. 撮影日時情報について

ちなみにAVIには、撮影日時の情報も含まれているはずなのですが、Video Studio X8ではどのように表示するのかわかりませんでした。いろいろ調べてみてもわかりません。撮影日時の表示などは重要な機能なのですが、なぜか検索しても情報がありません。

CyberlinkのPowerDirector11のマニュアルを調べてみると、時間情報の表示の方法が書いてありました。

時間情報
DV テープ カムコーダーからキャプチャーした DV-AVI のビデオ クリップまたは EXIF 画像をタイムラインに追加すると、[時間情報] ボタンが表示されます。[時間情報] ボタンをクリックすると、キャプチャー元 (カムコーダーやデジタル カメラ) の日付またはタイム スタンプ (画像として表示) が有効になります。必要に応じて、動画や画像にテキスト注釈を追加することもできます。
注:動画ファイル上に、ムービーの再生時間は記録されません。

Cyberlink PowerDirector 11

ネットのこの書き込みによると、PowerDirectorで表示できるDV-AVIは、PowerDirectorでキャプチャしたものに限るとあります。

そうなると、果たしてVideoStudioでキャプチャしたDV-AVIには時間情報は含まれていないのか心配になりました。

時間情報が含まれているか確認するのにちょうど良いRecDateTimeというフリーソフトを見つけました(ダウンロードはこちら)。これを使ってみたところ、VideoStudioでキャプチャしたDV-AVIにもちゃんと時間情報が含まれていることが確認できたのでひと安心です。


RecDateTimeでの撮影日時表示

RecDateTimeがあれば、とりあえずはDVIの撮影日時がわかるので便利です。

また、時間情報を簡単に書き込むソフトとしてはフリーウェアのArea61というものがあります。以前試したことがありますが、時間情報を動画にオーバーレイするため、どうしても画質劣化してしまい、エンコードもすべてやり直しとなり時間もかかるため、あまり使い勝手の良いものではありませんでした。

理想的にはパソコンで再生したときに、字幕のON/OFFで撮影日時の情報が見れるようなs再生プレーヤーがあれば便利だと思うのですが、そんなソフトはないものでしょうか。

(おわり)

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