[大学院で宇宙物理学を学ぶ] 特殊/一般相対性理論、量子力学、超大質量ブラックホールほか


大学院の授業が始まって早くも3か月が経ちました。


修士課程では、専攻の宇宙物理学で特殊/一般相対性理論と量子力学の基礎を学び、修士論文は「超大質量ブラックホールの形成起源と成長過程について」が研究テーマです。

以下に、大学院の履修状況と、宇宙物理学に関する活動内容をまとめました。

1. 宇宙物理学を学ぶ

2026年の4月から大学院(科学研究科修士課程)に入学し、少年時代からの夢であり憧れだった宇宙物理学を学び始めました。

[2025年の総括] 大学院合格、沖縄 (旅行/トライアスロン)、イタリア家族旅行、富士山登頂など
大学院では相対性理論や量子力学の基礎を習得し、超巨大質量ブラックホールの形成起源と成長過程をシミュレーション解析する計画です。

超大質量ブラックホールの不可思議な存在には、ずっと以前から強烈に惹かれていました

以下は出願時に提出した修士論文の研究計画書です。

研究題目
超大質量ブラックホールの形成起源と成長過程について


研究計画
超巨大質量ブラックホール(SMBH: Supermassive Black Hole)の形成起源と成長過程は未解明であり、天文学の大きな未解決問題の一つです。初期宇宙にすでに数億太陽質量規模のブラックホールが存在していたことが観測されており、その短期間での急速成長を説明する理論的理解が求められています。

 本研究では、その解明に向けた基礎的アプローチとして、ブラックホール周囲における光の伝搬をコンピュータ・シミュレーションで再現し、理論モデル間の特徴を比較・整理することを目的とします。

 研究方法としては、一般相対性理論に基づく光線追跡(ray-tracing)アルゴリズムを実装し、ブラックホール重力場における光の軌跡を数値的に計算します。特に、降着円盤や周囲ガスから放射された光がどのように曲げられ、観測者にどのような像を結ぶかを再現します。まずは既存の単純化されたモデル(球対称降着、単純な円盤構造など)を対象に計算し、各形成シナリオに特徴的な放射像や影の違いを整理することを目指します。

 研究の目標は、観測との直接比較ではなく、複数の形成シナリオをシミュレーションし、その基礎的な違いを定量的に示すことに置きます。具体的には、①原始ガス雲からの直接崩壊、②第一世代星残骸からの成長、③中間質量ブラックホール合体といったシナリオごとに、想定される降着構造をモデル化し、光伝搬シミュレーションを行い、放射像の傾向を整理します。

 修士課程という限られた期間では、基本アルゴリズムの構築と検証、単純条件下でのシミュレーションを中心課題とします。その上で余裕があれば磁場や乱流といった追加要素の導入を試みます。この段階的アプローチにより、確実に研究を進展させます。

 本研究はブラックホール形成の全貌を直接解明するものではありませんが、シミュレーションを通じて各形成モデルの特徴を整理し、今後の理論的・観測的研究の基盤となることを目指します。修士課程における研究成果として、SMBH形成問題に対する基礎的理解を計算機的に支える役割を果たします。

(研究計画書おわり)

研究題目として「超大質量ブラックホールの形成起源と成長過程」を選んだのは、従来から強い関心を抱いており、近年の観測的進展に注目しているためです。



長年培ったコンピュータ・シミュレーション技術を応用できれば、解析手法の有効性も実感できるのではと考えました。

修士課程では、特殊/一般相対性理論と量子力学の数学的基礎を学び、修士論文の作成に臨むのが基本方針です。

初年度は、以下の5科目(「量子物理学」、「宇宙の誕生と進化」、「宇宙、地球、そして人類」、「先端技術のための現代物理学」、「アカデミック・スキルズ」)を選択しました。

2. 量子物理学(教養学部)

講義が始まってすぐに、講義の基礎となる数学や物理がまったく理解できていないことを痛感しました。

量子力学の基礎概念は、ハイゼンベルクの「行列力学」と、シュレーディンガーの「波動力学」、そしてこの2つを数理的に統合したディラックの「変換理論」に集約されるのですが、これがさっぱり理解できない。


そもそも、ヒルベルト空間の要素をブラ記号/ケット記号(ブラ ⟨φ| 、ケット |ψ⟩) で表現するというスタートでつまづいてしまいました。

ハミルトニアン(運動エネルギー+位置エネルギー)、ユニタリ演算子、ラプラシアンとは一体何なのか??

早くも第2回で、シュレーディンガーの波動方程式が出てきて完全にギブアップでした。

シュレーディンガーの波動方程式(1次元)

理学部の学部レベルの物理学と数学(特に微分方程式)の基礎がないと、全く理解できません。

社会人になって四則演算しかやってこなかったツケをこの期に及んで払うことに。。。

しかし、履修を完全に断念するのではなく、少しでも理解できるところは付いて行くつもりで、今後も本講義を聞き続けようと思います。

第1回 量子論の誕生から量子力学へ
量子論が台頭するきっかけとなった古典物理学の困難とその解決策の色々な試みから量子力学に至った経緯を歴史的に解説する。

第2回 量子力学の基礎概念
完成した量子力学で使われる基礎概念(状態関数、物理量と量子化、量子論的運動方程式)を解説する。

第3回 典型的な例題:井戸と障壁
井戸型ポテンシャル、障壁型ポテンシャルの影響を受けた粒子の運動を量子化する。

第4回 水素原子の問題
量子力学の最初の成功例として、水素原子のスペクトルの記述の仕方、特に電子のシュレーディンガー方程式とその解法について解説する。

第5回 量子化された調和振動子
調和振動子の量子論は、不確定性関係や対応原理、コヒーレント状態といった重要概念を具体的に学ぶ格好の素材でもある。1 次元調和振動子系の量子化を通してこれらの重要概念をまとめる。

第6回 角運動量の量子化とスピン
角運動量の捉え方が古典論と量子論で本質的に異なる点を通して、量子論の特徴を浮き彫りにする。特に、量子論特有のスピンの性質を学ぶ。

第7回 量子統計性
量子論はいくつもの点で古典論と本質的に異なる。本章では、区別のつかない同種粒子に量子論がどうあらわれるかを議論する。

第8回 フェルミ統計とボース統計
フェルミ統計とボース統計は、量子状態の数え方の違いを通してエントロピーに顔を出す。量子統計力学の基本的応用例として、ボース・アインシュタイン凝縮と、金属中の自由電子の問題を議論する。

第9回 散乱の量子力学
量子力学的散乱問題を、シュレーディンガー方程式によって記述する方法と基礎概念を解説する。

第10回 ディラック方程式と電子のスピン
電子の従う相対論的なディラック方程式の導出と、電子のスピン自由度の起源について解説

第11回 場の量子化
フェルミ粒子とボース粒子の従う統計を自動的に取り扱う場の量子化の方法を学ぶ。

第12回 量子多体問題
場の量子化の方法を用いて量子多体問題の定式化と簡単な近似法(ハートレー近似、ハートレー・フォック近似、量子場のコヒーレント近似)とその応用を学ぶ。

第13回 粒子と反粒子
相対論的場の量子化によって現れる反粒子の自由度とそれが果たす役割について解説する。

第14回 量子電磁気学の基礎
電子と光子の相互作用を記述する量子電気力学(QED)の基礎について解説する。

第15回 量子力学と現代技術
20世紀の産業技術に革命を起こした半導体エレクトロニクス、21世紀に入って発展著しい量子技術の内容を通して、量子論の現状と未来を展望する。

3. 宇宙の誕生と進化(教養学部)

この講義は天文学の基礎を体系的に習得するにはとても良いコースです。

数式を伴わない定性的な天文学であれば履修は問題ありませんね。

第1回 宇宙にある天体
宇宙に存在する様々な天体を概観する。恒星と惑星、多様な星間ガス、銀河、そして銀河が織りなす宇宙の大規模構造について説明する。また、普通の物質以外の物質(暗黒物質)とエネルギーについても概説する。

第2回 宇宙を観る
宇宙を観測する方法について概観する。電磁波(ガンマ線から電波まで)、重力波、および宇宙線による観測方法を理解する。

第3回 宇宙を読む
宇宙からやってくる情報(電磁波、重力波、および宇宙線)のデータから天体の様々な性質がわかる。その原理を解説する。

第4回 星間ガスと恒星・惑星系
星間ガスから恒星や惑星系が形成されることを学び、太陽系外惑星の探査と研究について概観する。

第5回 恒星の内部構造
恒星の特徴、特にエネルギー源が核反応であることを理解し、その内部構造と物質の状態について学ぶ。

第6回 恒星の進化と最期
恒星はその質量に応じた進化経路や最期の姿を見せることを理解し、最終形態もことなることを概観する。また、連星で起きる現象について学ぶ。

第7回 超新星爆発と宇宙の化学進化
水素とヘリウムだけしか存在しなかった宇宙が、恒星のはたらきで様々な元素で満たされたことを理解し、元素の量がその天体の形成年代の指標となること、恒星の種族について学ぶ。

第8回 銀河の多様性と規則性
我々の住む天の川銀河を含め、様々な種類の銀河の特徴を概観する。銀河を特徴付ける重要な物理量とその多様性を学ぶとともに、これらがどのような規則性を持つか、について考察する。銀河中心核の活動性についても触れる。

第9回 銀河をとりまく環境問題
銀河の分布は様々な階層構造を示す。そうした階層構造と、そこに存在する個々の銀河の性質との関わり合い(環境効果)について学ぶ。銀河団における高温プラズマやダークマターの存在、重力レンズ効果、スニヤエフ・ゼルドビッチ効果についても言及する。

第10回 銀河中心核と超大質量ブラックホール
銀河に存在する超大質量ブラックホールと、その周辺で観測される多様な高エネルギー現象のメカニズムを学ぶ。超大質量ブラックホールの形成過程の謎について、最新のクェーサー探査の成果や、重力波によるブラックホール合体の検出の意義も含めて解説する。

第11回 銀河の形成と進化
銀河の形成と進化の過程について、最新の観測により獲得された描像を概観する。宇宙における平均的な星生成率の変遷を捉える多様な観測的手法を理解するとともに、その物理的背景を考察する。銀河とダークマターハローの関係、また銀河と超大質量ブラックホールの共進化問題についても触れる。

第12回 膨張する宇宙
ガリレオからハッブルに至る宇宙観の変革の歴史を概観する。次に、宇宙膨張に関するよくある誤解を取り上げながら、その正しい概念の定性的な理解を目指す。最後に、ニュートン力学、そして一般相対論に基づいて、宇宙膨張をより定量的に記述する。

第13回 宇宙を構成するもの
ビッグバンモデルに対するもっとも信頼性の高い観測データである宇宙マイクロ波背景輻射を取り上げて、そこから導かれる宇宙のパラメータの値とその意味を考える。特に、宇宙を構成する未知の成分であるダークマターとダークエネルギーを紹介する。

第14回 138億年の宇宙史
宇宙は誕生してから138億年の現在に至るまで膨張を続けてきた。と同時に、そのなかに存在する物質が進化し、様々な天体構造を生み出してきた。巨視的な宇宙の進化と微視的な物理法則との関係に注目しながら、138億年の宇宙史を概観する。

第15回 宇宙像のさらなる広がり
宇宙の唯一性と宇宙における生命の必然性という代表的な2つの謎を取り上げて、天文学的宇宙研究のはるか先に控えている新たな世界観を展望する。

4. 宇宙、地球、そして人類(大学院)

こちらも「宇宙の誕生と進化」と同様に、天文学の基礎を体系的に習得するには魅力的なコースです。

単位取得には、中間レポート(2026年06月17日17時締切)と期末レポート(2026年07月08日17時締切)を提出する必要があります。

以下は私が先日提出した中間レポートです。

[コース上にある第1回から第7回の内容に対応するミニレポートを1つ選択し、解答しなさい。1000字以内で記述してください。]

宇宙に存在する暗黒エネルギーについて説明せよ(選択した講義回:第3回)

ハッブルによる宇宙膨張の発見(1929年)と、超新星爆発を用いた膨張速度変化の測定によって、宇宙は何らかのエネルギー(反重力)により加速膨張していることがわかり、これを暗黒エネルギーと呼びます。

そして、宇宙に存在する物質とエネルギーの構成比は、元素が4.9%、暗黒物質が26.6%であるのに対して、暗黒エネルギーは68.5%を占めるということが、PLANCK衛星による宇宙マイクロ波背景放射の精密測定(2015年)で算出されています。


以下は、「宇宙のダークエネルギー」(土居守著、2011年、光文社)を参考に、講義内容を追補したものです。

アインシュタインの一般相対性理論の基本となるアインシュタイン方程式は、時空の構造と物質の状態を等式で結び付けていますが、そのなかに宇宙項と呼ばれる定数が含まれています。

宇宙項は、もともとアインシュタインが考えた方程式にはなかったものですが、当時考えられていた宇宙の静止状態を保つためには、必要な定数として追加されたものでした。

しかし、この宇宙項は、非常に微妙なバランスの上に成り立っており、僅かな数値の違いにより宇宙は収縮してしまったり膨張してしまったりと不安定なものでした。

やがてハッブルにより宇宙膨張が発見されると、宇宙項がなくてもアインシュタイン方程式が成立することが判明し、アインシュタインは宇宙項を取り下げて「我が生涯最大の過ち」だったと語ったと伝えられています。

ところが、その後、宇宙は減速膨張しているのではなく、逆に加速膨張していることが判明すると、この宇宙項は再び復活することになります。

この宇宙項は、空間に薄く広がったエネルギーであり、その体積あたりのエネルギーは一定であるため、宇宙が膨張しても薄まらず、空間が大きくなればそれに比例して全体のエネルギーも大きくなります。

しかし、実際の宇宙に観測されている暗黒エネルギーの量は、素粒子論から推計された真空エネルギーよりも120桁以上も小さいという、想像を絶する小ささでした。

このギャップを説明する理論的可能性のひとつが、「自発的対称性の破れ」(フェルミ粒子とボース粒子の間での真空エネルギーの打ち消し合い)というメカニズムですが、これを勘案しても、実際の暗黒エネルギーの量とは、60桁以上のずれが残ってしまい、暗黒エネルギーの問題は現在でも理論的に混迷を極めている状態です。

(レポートおわり)

1回 宇宙の歴史
現在、宇宙の年齢は138億歳であると測定されている。この宇宙がいかに誕生し、進化を遂げてきたかを概観する。地球を含む太陽系、そして太陽系を含む銀河系の宇宙における位置付けを理解する。

第2回 宇宙に存在する物質
宇宙に存在する2種類の物質である普通の物質と暗黒物質について概観する。宇宙における物質探査の現状を解説し、物質の起源について理解する。そして、2種類の物質が宇宙の進化にどのような影響を与えてきたかを理解する。

第3回 宇宙に存在するエネルギー
宇宙の質量について考察し、未知の暗黒エネルギーの存在を理解する。また、暗黒エネルギーが宇宙の進化にどのような影響を与えるか考察する。

第4回 銀河としての銀河系
天の川がどのようにして銀河として認識されるようになったかを考察し、人類の宇宙観の変遷を理解する。

第5回 銀河系の周辺環境
銀河系の周辺にはアンドロメダ銀河などの数10個もの銀河が存在し、局所銀河群と呼ばれる構造がある。銀河の進化とその環境効果について理解する。

第6回 宇宙の大規模構造
宇宙には銀河群のみならず、さらに大規模な銀河団も多数存在し、宇宙の大規模構造を形成している。宇宙の進化と大規模構造の形成をリンクして理解する。

第7回 銀河系から地球へ(1)
地球を取り巻くシステムの階層性を学び、生物の暮らす表層環境と宇宙の関連を考える。また、地球史の研究の歴史を追い、天文現象が地球環境に影響を及ぼした代表的な例である、白亜紀末の小天体衝突説が学界に与えたインパクトを考察する。

第8回 銀河系から地球へ(2)
白亜紀末に起きた小天体衝突が明らかになった過程を追う。大量絶滅は周期的現象か、銀河系は地球環境に影響を及ぼしているのか、これまでに提案された仮説を紹介し、その検証を考える。また、地質学の視点からも、大量絶滅と天文現象の関わりをさぐる仮説の検証例を示す。

第9回 太陽系と地球を作る物質
核図表を元に、宇宙・地球研究に用いられる様々な核種を紹介する。地球型惑星、小惑星、彗星、隕石、プレソーラーグレインなどの化学・同位体的性質を手がかりに、太陽系を作る物質および地球の原料物質を研究する方法の概要を学ぶ。

第10回 太陽と恒星
太陽は恒星の一つであり、太陽を理解することが恒星の理解につながる。太陽を出発点として恒星の誕生と進化を理解する。

第11回 太陽活動と地球環境・文明(1):スーパーフレア問題
地球は太陽の惑星であるため、太陽活動の影響を強く受けながら進化してきている。太陽活動の最たるものであるフレア現象を解説し、地球などの惑星に与える影響を理解する。

第12回 太陽活動と地球環境・文明(2):Svensmarkの仮説
銀河系、太陽、および地球の気候変動を結ぶSvensmarkモデルを2回にわたって取り上げる。この回では、モデルの元になったデータを参照しつつ、現象の原理と研究の背景について学ぶ。

第13回 太陽活動と地球環境・文明(3):銀河系と太陽系、そして地球
Svensmark仮説が発表されて以降、同様の原理、または異なる原理から、地球表層環境とその上位システムとの関わりを扱う仮説が提案された。これまでに発表された仮説論文を取り上げ、その内容を吟味しながら、銀河系-太陽-地球の気候変動の関連について理解を深める。

第14回 系外惑星と宇宙生命
太陽以外の恒星にも惑星系が存在する。系外惑星の性質を概観し、恒星系の誕生と進化について理解する。また、地球外生命の存在の可能性について考察する。

第15回 宇宙の中の人類
人類・文明から宇宙への働きかけを紹介する。また、ここまでの学習を元に、宇宙における生命、文明の存在確率を、過去の研究(Drakeの式)を学びながら考察する。

5. 先端技術のための現代物理学(大学院)

「量子物理学」(教養学部)の講義がまるで理解できなかった以上に、この講義内容のレベルは私にはあまりにも高度でした。

第1回講義の小テスト問題1-1


ベクトル場の発散と回転の最も基本的な部分にも関わらず、いきなりつまづいてしまいました。


ストークスの回転定理、連鎖律、周期積分、などなど。。。解答の解説を読んでも何のことやら解読不能


偏微分方程式の教科書とも睨めっこ、AIもフル活用して四苦八苦


ようやく理解するのに数時間を要してしまいました。。。

小テスト問題1-2


四苦八苦した末に断念

そして、特殊/一般相対性理論の体系を、序盤の第3回(45分)だけで終了という進捗のあまりの速さに、残念ながらこの講義は継続することを早々に諦めました。

第1回 現代物理学の源流
現代物理学の現状を概観する。

第2回 古典物理学の形成
現代物理学の出発点になった古典物理学の体系とその限界について述べる。

第3回 相対性理論
現代物理学の柱の1つとなった相対性理論の体系について述べる。

第4回 量子力学の形成と基本原理
量子力学の形成とその基本原理について述べる。

第5回 統計物理学の形成
統計物理学の形成について述べる。

第6回 場の量子論
場の量子論の基本原理について述べる。

第7回 凝縮系物理学の形成
凝縮系物理学の形成について述べる。

第8回 核物理学の展開
核物理学の展開について述べる。

第9回 素粒子の標準模型
素粒子の標準模型について述べる。

第10回 宇宙論
現代の宇宙論について述べる。

第11回 物質科学の発展(1)
物質科学の発展について述べる。

第12回 物質科学の発展(2)
物質科学の発展と展望について述べる。

第13回 生命システムの物理
生命システムの物理について述べる。

第14回 統一理論
素粒子論の統一理論について述べる。

第15回 物理学の新たな発展を目指して
これからの現代物理の発展の方向を展望する。

6. アカデミック・スキルズ(大学院)

この講義は、研究のイロハを理解し、文献の調べ方や情報収集、レポート作成の基礎を実践的に養います。

修士論文の作成に向けて、大学レベルの研究手法や作法を一から学び直し、本格的な研究の土台を築くことにあります。

全8回程度のオンライン講義(動画視聴+小テスト)と、中間レポート(2026年06月24日17時締切)と期末レポート(2026年07月08日17時締切)を提出する必要があります。

以下は私が提出した中間レポートです。

課題B:ダークマター「発見」の過程を年表にまとめよ。また「発見」とカギ括弧でくくっている理由を説明せよ。

発見者/提唱者

内容

1933

フリッツ・ツヴィッギー

かみのけ座銀河団の銀河の回転速度を観測したところ、質量の合計が実際に測定された光を放つ物質の総質量よりも400倍も大きかった

1970

ヴェラ・ルービンとケント・フォード

銀河内の星の公転運動を測定したところ、中心からどれだけの距離にあっても公転速度がほぼ一定であることを発見し、正体不明の物質(ダークマター)の存在を確認した

1980年代

フリッツ・ツヴィッギー

銀河団のような巨大な天体を通過した光が重力の影響で経路を曲げられる(重力レンズ効果)測定で、ダークマターの存在が決定的となった

1990年代

 

宇宙マイクロ波背景放射の精密な測定により、内井のエネルギー全体の配分が明らかになった(ダークマターは26%を占める)

2000年代

 

ウィルキンソン・マイクロ波異方性探査機(WMAP)のデータなどから、ACDM(ラムダ・コールド・ダークマター)という宇宙論の基盤が確立した

2010年代

 

WIMP(弱く相互作用する思い粒子)がダークマターの支配的なパラダイムとして調査されるが、実験では検出されなかった

現在

デイヴィッド・カプラン他

WIMPの代案として「非対称ダークマター」モデルなどが提唱されているが、正体は不明のまま


「発見」とカギ括弧でくくっている理由は、ダークマター自体が、間接的な存在はいくつかの方法で証明されているものの、ダークマター粒子そのものが、重力以外に影響されないため直接的に発見されていなからである。
また、ダークマターが、現在の重力理論や一般相対論を超えた存在として、粒子でない可能性も残っている。

参考文献:「ダークマターと恐竜絶滅」(リサ・ランドール著、NHK出版、2016年)

以下は私が提出した期末レポートです。

課題B:ダークマター研究の全体を,研究の背景,目的,方法,結果,議論の体系にまとめよ(A4,2ページ程度でよい)。

研究の背景

以下の表は、ダークマターの研究ついて時系列でまとめたものである(表は中間レポートと同一)。

宇宙のエネルギー全体の多くの部分が、ダークマター(26%)とダークエネルギー(69%)で構成されており、原子など通常の物質は5%に過ぎない。

ダークマター研究は「宇宙の質量の正体を解明する」という、現代物理学・宇宙論の中心課題の一つとなっている。

研究の目的

ダークマターは、重力を介して相互作用するが、それ以外の識別可能な方法では全く相互作用せず、実際に何であるか、まだ正確には突き止められていない。

大半の物理学者は、ダークマターが新種の素粒子からできていて、その素粒子は標準モデルの普通の相互作用をしないのだろうと睨んでいる。

過去数十年、WIMP(Weakly interacting massive particle:弱く相互作用する重い粒子)がダークマターの筆頭候補であった。

WIMPの仮設の根拠は、宇宙が進化して温度が下がるにつれ、初期の熱い宇宙の至る所に存在していた重い粒子は、反粒子と出合って対消滅する一方で残った粒子がダークマターの正体であるというものである。

しかし、今のところ直接観測実験ではWIMP探索は検出に至っておらず、あくまで有力な候補の一つに留まっている。

WIMPダークマターの代案として有力なのが、非対称ダークマターと呼ばれるものである。これは、過去のどこかの時点で「バリオン生成」という家庭が起こり、反物質よりも物質のほうが多く生成されて、その過程でダークマターが生成されたという説である。

WIMPや非対称ダークマター説に対して、もっと限定的なシナリオを扱うのがアクシオンのモデルである。アクシオンというのは仮設上の素粒子で、前述の二つのダークマター候補とは異なり、極めて軽い質量の粒子が想定されている。相互作用に関しても、非常に狭い範囲に限られる。

また、近年では、MACHO(重いコンパクトなハロー天体)という通常物質(ブラックホール、中性子星、褐色矮星など)もダークマターの候補として研究が進んでいる。

このように、ダークマターの正体は未だに明らかにされていないが、ダークマターを解明することは宇宙の起源や仕組みを理解する上で極めて重要なため、現在も盛んに研究が進められている。

3. 研究の方法

ダークマター研究は、大きく「観測的研究」「実験的研究」「理論的研究」に分けられる。

4. 研究の結果

これまでの研究により、ダークマターの存在を支持する観測証拠は極めて強固になっている。

具体的には、銀河の回転速度への影響、銀河内の星の公転速度への影響、重力レンズ効果、宇宙マイクロ波背景放射の精密な測定などから、存在は確実視されているものの、最大の課題は「粒子そのものがまだ発見されていない」ことである。

5. 研究の議論

ダークマター研究は、宇宙論・素粒子物理・重力理論を結ぶ学際領域へ発展している。

今後はダークマター粒子の検出のためのより高精度な次世代観測装置や大型実験が重要となる。

参考文献:「ダークマターと恐竜絶滅」(リサ・ランドール著、NHK出版、2016年)

(レポート終わり)

レポートの内容以上に、適切な引用や構成が問われますが果たしてどうか?

7. 天文学ゼミ

大学院の指導教官と学生(学部生や卒業生含む)で、自由参加のオンラインゼミ(Zoom)が定期的に開催されています。

まだまだ発表テーマの内容を理解するには至っていませんが、いつかはゼミで研究成果を発表できるように精進したいと思います。

8. 相対性理論の参考書籍

大学院の講義を聞くだけでは特殊/一般相対性理論を理解するのはどう考えてもムリなので、以下のような参考書籍にも手を出しました。

8.1 高校数学でわかる相対性理論入門

初歩的な特殊相対性理論であれば、高校数学の範囲で理解ができるということで、この書籍を読了しました。


読むだけでは理解が浅いので、実際にノートに計算式を展開してみました。


古典力学のガリレイ変換から、光速cはどのような条件でも一定であるというローレンツ変換への座標変換さえわかれば、特殊相対性理論の中核となる「時間の遅れ」と「物体の収縮」(ローレンツ収縮)が数学的に理解できるというのは大きな驚きでした!

また、古典力学の運動量保存則を、相対性理論のもとで書き換えてみると、有名なアインシュタインのエネルギー公式である

E=mc²

が導き出されることも、数式の展開で確認することができました!

特殊相対性理論を深く理解するためには、ミンコフスキー空間や4元ベクトルを理解する必要がありますが、難解なテンソル解析を避けて通れない一般相対性理論と比較すると、特殊相対性理論の基本を理解するのは意外に敷居が低かったです。

8.2 ロヴェッリ 一般相対性理論入門

一般相対性理論の理解のために評判の高い書籍ということで購入したのですが、かなり高度な数学知識を要求されるため、残念ながら最初で挫折してしまいました。

8.3 一般相対性理論入門の直感的方法

この書籍も、一般相対性理論の理解のために評判の高い書籍です。

本著は、挿入グラフに色分けで書き込みをしながら理解することを推奨されているのですが、残念ながら新品は入手困難のようなので、図書館で借りました。


テンソル解析の基礎を理解しなくても一般相対性理論を理解できるように工夫されているようなので、目下頑張って取り組んでいる最中です。

まずは以下の有名なアインシュタイン方程式を理解するのが目標!

8.4 シュッツ 相対論入門

古い書籍ですが、相対性理論のベストセラー教科書です。


テンソル解析についても解説があるので、上記の「一般相対性理論入門の直感的方法」の補助として活用しようと思っています。

9. 量子力学の参考書籍

量子力学も、相対性理論と同様に、大学院の講義を聞くだけでは理解するのはどう考えてもムリです。

特に、偏微分方程式の理解を避けては通れないようなので、以下のような微分方程式の参考書が必須となります。

9.1 工学系のための偏微分方程式

『工学系のための偏微分方程式―例題で学ぶ基礎から数値解析まで』は、「道具として使う数学」というコンセプトのもと、物理現象の数式化(定式化)や直感的な理解、そして実践的な数値解析の基礎までをバランスよく学べる工学系学生向けの入門書です。


偏微分方程式は、私も大学の教養学部で40年以上前に履修したはずですが、実社会の生活で今まで一度も使ったことがない偏微分方程式を覚えているわけもなく、すべてゼロからのスタートです。

10. 一般書籍

大学院の講義と並行して、天文学に関連する一般書籍も読了。

10.1 宇宙創成(上/下)

 

サイモン・シンのベストセラーです。

下巻で詳しく紹介されている宇宙創成の「定常説 vs ビッグバン説」の論争は読み応え十分でした。

特に、ビッグバン説が主張した「ビッグバンの瞬間の超高温環境で、すべての元素が作られた」という点に対して、ホイルらは「恒星内部の核融合によって重い元素は作られる」と主張した歴史的論争は、非常に興味を駆り立てられました(のちに、ホイルの「恒星内元素合成」理論が正しいと証明されます)。

鉄より重い元素が生み出されるメカニズムについては、中性子星同士の衝突によって、衝突時の極端な環境下で急速中性子捕獲反応(rプロセス)が進行し、鉄より重い元素(金、プラチナ、ウラン、レアアースなどの重元素)が生成されることが解明されてきました(その際に「キロノバ」と呼ばれる爆発的な閃光が放たれます)。

10.2 宇宙のダークエネルギー


「宇宙、地球、そして人類」の中間レポート作成で参照した、土居守の著書です。

ダークエネルギーだけでなく、ブラックホールやダークマターまで、現代宇宙物理学の3大ミステリーの最新動向までを網羅しています。

10.3 ダークマターと恐竜絶滅


美人過ぎる理論物理学者のリサ・ランドールの著書、「アカデミック・スキルズ」の中間/期末レポート作成で参照しました。

リサ・ランドール博士

彼女が提唱するのは、約3000万年周期で銀河系の円盤面(ダークマターが密集する渦の領域)を通過することが、地球上の大規模な彗星衝突や大量絶滅を引き起こすという仮説でなかなか面白い内容でした。

11. 新・星の会

「新・星の会」とは、かつて東急文化会館8階にあった天文博物館・五島プラネタリウムで実施されていた「星の会」の理念を受け継ぎ、東京都市大学(学校法人五島育英会)が主催している宇宙分野の公開講座シリーズ(参加無料)です。

天文学や宇宙科学に関するテーマを取り上げ、一般向けにわかりやすく解説する公開講座(セミナー)を、東京都市大学のサテライトキャンパスである「TCU Shibuya PXU(東京都市大学 渋谷パクス)」などで実施しています。

昨日、第1回が開催されたので参加してきました。


■「新・星の会」第1回
【日 時】6月22日(月) 18:00〜20:00 (開場17:30)
【会 場】TCU Shibuya PXU(東京都市大学 渋谷パクス)
>・東京都渋谷区道玄坂1丁目10-7 五島育英会ビル8階
【定 員】先着50名
>【申 込】下記URLから必要事項を記入の上、申し込み
 https://shinhoshinokai20260622.peatix.com

【プログラム】
○18:00~18:15 トーク1「マルチメッセンジャー天文学に向けて」
 講師:大橋正健(東京都市大学 総合研究所 宇宙科学研究センター 特任教授)
 概要:人類は宇宙を観測する様々な手法を手に入れてきた。ガリレオによる光学望遠鏡の利用に始まる電磁波観測、重力波観測、ニュートリノ観測、宇宙線観測など複数の「メッセンジャー」観測で宇宙の現象を解明する天文学が急速に発展している。この様々な観測を解説する今回のシリーズ公開講座について紹介する。

○18:15~18:45 トーク2「変動する太陽と地球のつながりを探る」
 講師:宮原ひろ子(沖縄科学技術大学院大学 准教授)
 概要:太陽は様々な時間スケールでダイナミックに変化している。1か月ほどの短いリズムもあれば、数千年といったゆっくりとした変動も示す。こうした太陽の変化は、屋久杉などの樹木の年輪や南極の氷、そして堆積物などに含まれている同位体の分析から読み解くことができる。本講座では、太陽がどのような変動を持つのか、そしてそれが地球の気候にどのような影響を及ぼすのかを紹介する。

以下は第2回以降のスケジュールです。

  7月3日  「太陽系」渡部潤一(京都産業大学 特別客員教授・神山宇宙科学研究所長)
  7月17日   「光赤外観測」吉田道利(国立天文台 上席教授・国立天文台副台長)
  8月6日     「電波観測」深川美里(東北大学 教授)
  8月29日   「X線天文」山崎典子(JAXA宇宙科学研究所 教授)
  9月11日   「ガンマ線天文」櫛田淳子(東海大学 教授)
  9月17日   「地上の太陽」藤澤彰英(九州大学 特任教授)
  9月26日   「最高エネルギー宇宙線」荻尾彰一(東京大学宇宙線研究所 教授・宇宙線研究所長)
  10月9日   「ニュートリノ」伊藤好孝(東京大学宇宙線研究所 教授)
  10月20日 「重力波」梶田隆章(東京大学 卓越教授)
  11月5日   「キロノバ」田中雅臣(東北大学 教授)
  11月20日 「中性子星」田村裕和(東北大学 特任教授)
  12月4日   「原始ブラックホール」川崎雅裕(カブリIPMU シニアフェロー)
  12月15日 「時間軸天文学」酒向重行(東京大学理学系研究科附属天文学教育研究センター 准教授)・「AIと天文学」高橋弘毅(東京都市大学 総合研究所 宇宙科学研究センター長/デザイン・データ科学部 教授)

このような無料のセミナーは大変有難いですね!

12. 修士論文の準備

初年度の前期から修士論文の準備を始めるので、私も以下のような研究計画に沿って、まずはテーマに関連する論文を読み進める予定です。


研究の背景と目的

大目的

超巨大質量ブラックホール(SMBH: Supermassive Black Hole)の形成起源と成長過程は未解明であり、天文学の大きな未解決問題の一つとして個人的に興味を持っています。

初期宇宙にすでに数億太陽質量規模のブラックホールが存在していたことが観測されており、その短期間での急速成長を説明する理解が求められているため、その解明を修論のレベルで追及したいと考えています。

中目的(修論で目指すこと)

エディントン降着による成長モデルやブラックホール合体モデルといった、数式が比較的シンプルなモデルを特定し、限定した条件下で定量的な結果(例えば「この条件では時間tまでに質量mへ到達不可能」など)を出すことを目的とします。

小目的(今年度目指すこと)

今年度は、コンピュータ・シミュレーションを実施する上で必須となる「理論基盤+数値計算基盤+研究演習」に集中します。

具体的には、数値解析、偏微分方程式の数値解法および統計解析の基礎を理解し、流体シミュレーションのプログラミング環境(Python/Fortran/C++など)を確立し、使うコードを決定(Gadget系、Arepo系、独自コードなど)し、可能な範囲で簡単なコードを動かすことを目指します。

また、国内外の関連文献を読んで、既存の研究状況を把握します(目標20本以上)。

3. 研究内容・方法手法

本研究では、その解明に向けた基礎的アプローチとして、ブラックホール周囲における光の伝搬を自宅のコンピュータ・シミュレーションで再現し、理論モデル間の特徴を比較・整理した上で、急速成長の要因を解明することを目的とします。

4. 研究の進め方

研究方法としては、一般相対性理論に基づく光線追跡(ray-tracing)アルゴリズムを実装し、ブラックホール重力場における光の軌跡を数値的に計算します。

特に、降着円盤や周囲ガスから放射された光がどのように曲げられ、観測者にどのような像を結ぶかを再現します。まずは既存の単純化されたモデル(球対称降着、単純な円盤構造など)を対象に計算し、各形成シナリオに特徴的な放射像や影の違いを整理することを目指します。

5. 期待される成果

研究の目標は、観測との直接比較ではなく、複数の形成シナリオをシミュレーションし、その基礎的な違いを定量的に示すことに置きます。

具体的には、①原始ガス雲からの直接崩壊、②第一世代星残骸からの成長、③中間質量ブラックホール合体といったシナリオごとに、想定される降着構造をモデル化し、光伝搬シミュレーションを行い、放射像の傾向を整理します。


コンピュータ・シミュレーションは、自宅のPCのスペックで果たしてどこまで現実的なのか、不明なことばかりで心配です。。。

以上のように、講義をしっかり履修すれば、特殊/一般相対性理論と量子力学の基礎は理解できるという当初の目論見はすっかり崩壊してしまい、さらにその上、修士論文の準備のプレッシャーという多重苦に。


大学院はまだ始まったばかりで試練に直面、この先が思いやられますが、毎日が新しい事実の発見という刺激をバネに乗り越えたいと思います!

【宇宙は本当にひとつなのか】村山博士の著書と科学番組「コズミックフロント」の新宇宙論 奇妙な天体ブラックホール~コズミックフロントより [ディスカバリーチャンネル サイエンス番組 総まとめ記事] 『時空を超えて』『解明・宇宙の仕組み』『宇宙の解体新書』

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